2026年7月。
日本列島は、観測史上最高の42℃という猛暑に襲われていた。

アスファルトは歪み、
人々は外出を控えていた。

靴の裏が、沈む。
息を吸うだけで、体力が削られる。

それでも・・・。

今夜、横須賀で
「奇跡が起きる」らしい。

「よし、柳さん。準備はいい?」

ミライは、トラックの前に立っていた。
見た目は、ただの大型車。

だが中身は違う。

地下ドックで見つけた技術を使った、
移動式の冷却ポッド。

この街の空気を、変えるためのものだ。

「隊長、いつでもいけます。
SNSでの『予告』もいい感じです。

若者たちの間では、
今夜横須賀に『奇跡』が起きると
噂になっていますよ」

柳が、スマホ画面を差し出す。

42℃の街に、
一つだけ、穴を開ける。

「ケイン、プラグイン!」

「了解(コピー)!」
「ミラーの名にかけて、
この街をクールにしてみせるよ」

エンターキーが叩かれた。
次の瞬間

トラックの屋根から
透明なミストが噴き出した。

まっすぐじゃない。
うねる。
空に向かって、這い上がる。

龍のように…。

見た目は、水だ。
ただの、水。

でも違う。

これは、
未来を賭けた冷却だった。

_柳さんインスタ_✿ 
yuri_milk_39: 
きょは横須賀で 
ガチ神イベ来るくない?♡
マジやばみ案件すぎて
震えぽよ〜↑↑ 
夜あけといてネ♡ 
ミルク補給して
テンアゲ待機ちゅ♡ 39♡
_koharu_24h:__
 え、ゆりちゃん… 
なんか今日のテンション
いつもより盛れてて草♡ 
てか
 “震えぽよ” とか “ミルク補給” とか どこの時代 
逆に新しいやつ?それw
なんかオヤジ草♡ 
✿__________✿
 

「ひゃー・・・“震えぽよ”は最新じゃなかったのか・・・」