新刊『未明の砦』、もうすぐ発売 | 脚本家/小説家・太田愛のブログ

お待たせいたしました。

 

2021年4月「陸奥新報」をスタートに11紙に掲載していた『未明の砦』。もうすぐすべての新聞で連載が完結し、7月に単行本となって書店に並びます。

 

発売予定日は7月31日(月)。

アマゾンなどのネット書店の予約も、すでに始まっています。

 

『未明の砦』は、こんな物語です。

 

共謀罪、始動。標的とされた四人の若者は、公安とグローバル企業を相手に闘うことを選ぶ――

瑞々しくも切実な希望と成長の社会派青春群像劇。

 

■街角にクリスマスソングの流れる日、共謀罪による初めての容疑者が逮捕されようとしていた。動いたのは警視庁組織犯罪対策部。標的は、大手自動車メーカー〈ユシマ〉の若い非正規工員・矢上達也、脇隼人、秋山宏典、泉原順平。四人は完璧な監視下にあり、身柄確保は確実と思われた。ところが突如発生した火災の混乱に乗じて四人は逃亡する。誰かが彼らに警察の動きを伝えたのだ。所轄の刑事・薮下は、この逮捕劇には裏があると読んで独自に捜査を開始。一方、散り散りに逃亡した四人は、ひとつの場所を目指していた。千葉県の笛ヶ浜にある〈夏の家〉だ。そこで過ごした夏期休暇こそが、すべての発端だった――。

 

■自分の生きる社会はもちろん、自分の人生も自分で思うようにはできない。見知らぬ多くの人々の行為や思惑が作用し合って現実が動いていく。だからこそ、それぞれが最善を尽くすほかないのだ。共謀罪始動の真相を追う薮下。この国をもはや沈みゆく船と考え、超法規的な手段で一変させようと試みるキャリア官僚。心を病んだ小学生時代の友人を見舞っては、噛み合わない会話を続ける日夏康章。怒りと欲望、信頼と打算、野心と矜持。それぞれの思いが交錯する。

逃亡のさなか、四人が決意した最後の実力行使の手段とは――。

連載を始めた21年4月はコロナ禍第4波の真っ只中。さかんに外出自粛が呼びかけられ、はりつめた空気が社会全体を覆っていたのを覚えています。当時、連載スタートにあたって、「作者のことば」として次の一文を各紙に寄せました。

 

「格差と分断の広がる社会の中で、無力感のままに状況に身を任せることを拒み、自らの尊厳を取り戻そうとする人々を描きたい」

 

まもなくです。

ぜひお手にとってみてください。

 

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