日中は薄曇りか晴れ、夕方になるとみるみる灰色の雲に覆われて、いきなり激しい雨が降り始める。叩きつけるように降ったり、不意に雨足がやわらかくなったり。
この数日、東京のお天気は毎日、こんな感じだ。
ほんの数日のことなのに、毎日、同じ周期で天気が変わると、時間が止まってしまったような錯覚をおぼえる。このままずっと同じような毎日が続いていくような感覚。やっぱり明日も午後までは薄曇りで、夕方には驟雨になるのでは……というような。
押井守監督の『うる星やつら ビューティフルドリーマー』は同じ一日が繰り返すというモチーフの名作だが、あの中のお天気はどうだったろう? と、思い返すと、「明日は文化祭初日」だから秋だったはずなのに、気がつくと世界は開き直ったかのような真夏になっていた。
冬の制服から、いつの間にかスルリと夏の普段着になって手品のように真夏に紛れ込んでいく登場人物たちは、まさしく夏休みの解放感に溢れていた。
あれがもし、同じ毎日が、それも同じお天気で延々と続いていたらと思うと、考えるだけで気が滅入るなぁと思いつつ、遮光カーテンをひいた仕事部屋の夏はなんだかそんな感じだったぞ、とはたと気がつく。
今日から九月。花火するにはちょっと遅いなと思いながら、窓の外の土砂降りを眺める。