政治とメタルと網膜剥離 -38ページ目

国民、企業に犠牲を強いてまで独占を維持しようとする東電

先日のブログで、この電力供給の非常時における東電の怠慢について日経が告発した記事を紹介させていただいた。


東電の発送電分離を求める産業界 打てる手を打たず国民に犠牲を強いる東電の怠慢 (5月4日)


(以下引用)

この期に及んでも、一般事業者(工場等)に対して、夏場に向けての余剰電力の買取要請をほとんどしていない。これは、東電が「異業種からの電力購入は最小限に抑える」方針であるため。

・東電がこの非常時になお「自前主義」にこだわる理由は、現在の地域独占体制の見直し議論が出ることを警戒しているため

(引用終わり)


そして今日、日経電子版に、東電は電力の一部自由化で参入した電力会社の余剰電力の売買を「拒否」しているという驚くべき記事が掲載された。


使えない「埋蔵電力」、東電の供給量に匹敵 (日経電子版記事を転載したブログThought for the Dayより)

(以下引用)

「電力不足」の拡大が心配される一方で、こんな数字が注目されている。全国の企業が持つ自家発電を足し合わせると、発電能力は6000万キロワット。東京電力の供給量に匹敵する巨大な「埋蔵電力」の存在だ。電力は本当に足りないのか、使えないだけなのか、だとすれば何が問題なのか──。

東京都港区の雑居ビル4階にある日本卸電力取引所(JEPX)。大手電力会社や新規参入の電力事業者が余剰電力を融通しあう「電気のマーケット」で、東京エリアの取引が停止したままという異常事態が9週間も続いている。震災で被害を受けた東京電力が、自社の電力供給が不安定なことを理由に、取引所で約定した電力の送電受託(託送)を再開しないためだ。

(中略)

問題は、東電以外の事業者どうしで約定した取引だ。東京エリアでは東電の送電網を使わないと電力を送れない。電力の「売り手」と「買い手」はいても、それを仲介する「運び手」が機能しない状況ということだ。計画停電の実施時はやむを得ない面もあったが、計画停電が終了した今も再開されないことに参加者の不満はくすぶる。

 「おたくから買えば停電を避けられるのか」──。PPS(特定規模電気事業者)大手のダイヤモンドパワー(東京・中央)には3月の計画停電のさなか、メーカーやオフィスビルからの問い合わせが殺到した。PPSは電力各社や工場の自家発電設備などから電気を仕入れて、工場やスーパーなどに売るいわば電力の小売業者だ。

 東電分が足りなくなったらPPSから買えばいいと誰もが考えたわけだが、残念ながら答えは「ノー」。電力会社が送電網というインフラを一手に握る「弊害」がここにも表れた。

計画停電など非常時のPPSの扱いは、家庭など一般ユーザーと同じ。これでは手持ちの電力を自由に販売する経路を絶たれた小売りの出る幕はなくなる。PPSが電力会社に支払う送電線の賃借料は海外に比べて割高との指摘も多い。賃借料はPPSが顧客に販売する電力の料金の約2割を占める。

NTTグループなどが出資するエネット(東京・港)は、200万キロワット規模を供給するPPS最大手。電力自由化の推進を主張するNTT出身の武井務社長は「送電網を電力会社が握ったままでは独占時代と変わらない」と指摘する。

(中略)

今回の電力不足問題は、発送配電の一体経営に基づく地域別独占という電力供給のゆがみを改めて浮き彫りにした。いま電力不足対策づくりに追われる経産省の中堅幹部はこう話す。「賠償が一段落したら、次は電力の供給体制の見直し。電力各社の『私道』である送配電網を、もっと自由に行き来できる『公道』に変えないと……」

(引用終わり)

ぜひ引用元で全文をご覧いただきたい。


また、本日の日経電子版では、5月4日の記事の続報と思われる内容も掲載されていた。未だ東電は独占体制維持のため、一般事業者へ電力供給を依頼していないようである


「埋蔵電力」東電管内で550万世帯分 緊急時も自前主義(日経電子版。一部のみ)


報酬額削減を巡る東電のドタバタ振りといい、この会社にはもはや正常な統治能力がないのではないか?物事の正常な判断も優先順位付けもできなくなっている。民間企業でありながら独占に近い、企業を含む一般顧客から苦情を言われることもほとんどない環境下に慣らされ、正常な判断力を失ったのか。


今後も東電の対応を我々は厳しく見ていかなければならない。この会社には我々が油断すると、国民・企業を犠牲にしてまで自分たちだけは甘い汁を吸い続けようとする悪しき体質がある。