「ぐすっ・・・ううっ・・・ショウさん、ごめんなさい・・・わたし・・・新年早々から泣いてしまって・・・」
進展しない前カレとの問題、自分へのもどかしさ、僕がゆうかを忘れられていないことに気づいた悔しさ・・・
揺らいでいく自分自身の人生と心境でハルナは泣かずにいられなかったのだろう・・・。
「ハルナ・・・」
「ぐすっ・・・ぐすっ・・・ううっ・・・」
だが僕の言った一言でハルナは少し明るさを取り戻した。
「・・・いいんじゃない、そんな新年の幕開けがあっても」(笑)
「・・・・・!」
「知ってると思うけど僕も離婚したり、ハルナと逢う前に同棲してた女性と別れたりって色々あったけど」
「・・・・・・」
「そんな辛かったときにハルナと逢えたことで僕は救われたような気がしてる。ハルナだって今かかえてる問題は一生かかる問題じゃないよね。そのうち救われる日が来るさ」
「・・・・・ありがとう・・・ショウさん・・・!!」
軽くキスをするとハルナは少し恥じらいながらプレゼントした革の手袋をはめなおしてベンツをスタートさせた。
なんとか笑顔を取り戻したハルナ・・・が、今彼女に言ったことは僕の心境とは矛盾するものだった。
ハルナも終わらせる、ゆうかも終わらせる・・・
なのにハルナとはまだ続くようなニュアンスで話をしてしまった。
慰めるためとはいえ彼女に僕ら二人の交際に希望を与えてしまったかもしれなかった。
でも年明け早々からハルナの気持ちを打ち砕くことなどできない・・・。
彼女を笑顔で家族のもとへ返したい・・・このときはそう思った。
女性にはっきりとNOと言えない・・・それがあとあと彼女らを辛い思いにしてしまう・・・優柔不断な僕の悪いところだった。
「さっきのショウさんからのキス・・・新年初キッス・・・でした。ふふ」
「あっ、そうだね、あはは」
ハルナはそのあとも少し涙を流していたが、心はだいぶ落ち着いたようだった。
もしハルナが生理中ではなかったら彼女を慰めるために抱いていたところだった・・・。
深夜の1時近くにハルナのベンツは僕の住むマンション前に横づけされた。
「ショウさん、年末から年始にかけてこんなに遅い時間まで・・・わたしのワガママに付き合ってくれてありがとうございました」
「えっ、ううんいいんだよ。毎年この時間は普通に起きてるし・・・高速から見たお台場のニューイヤー花火、最高だったよ」
「あっ、そうですね・・・とても綺麗でしたね」
「花火あがるのを知っててあの道を走ったの?」
「あっ、いえ、知らなかったです。偶然なんですよ」(笑)
「すごいね、ハルナ、新年早々もってるじゃん。今年もいいことあるよ」
「ふふ、そうなのかな・・・そうだといいなぁ・・・」
車内で軽くお別れのキスとハグをしてから車を降りた。
「おやすみなさい、ショウさん」
「おやすみー、ご家族にもよろしくね。おばあさまにも」
「・・・はい、では・・・また・・・」
ハルナの車が十字路を曲がるまで手を振って別れた。
「あっ、しまった・・・次回いつうちに来るか聞くのを忘れてたなぁ・・・」
ゆうかは1月3日に来る。しかもその夜は僕の家に泊る予定だった。
ハルナは三が日はうちに来ないはずだから最短で来るとしたら1月4日だ。
彼女は同棲中に生理になると自宅に帰り、そこからちょうど1週間・・・生理がきっちり終わってから逢いにくるタイプだった。
「いつも彼女の生理は5日間ぐらいって感じだったからやっぱ最短でも1月の5日だろうな・・・」
彼女らを僕の家で鉢合わせにはできないので脳内でじっくりシミュレーションした。
仮に4日にハルナが来ることになっても事前に連絡が来るだろうし、ゆうかには4日の午後は都合が悪いと言えば午前中に帰るだろうと思っていた。
「よし、じゃあとりあえず3日、ゆうかに逢って彼女の話を聞くところからだな・・・」
ハルナを見送ったあと自宅に戻るとちょうどゆうかからあけおめメッセージが携帯に届いた。
「ショウさん、明けましておめでとう!3日、予定どおり10時にそちらに行けそうです。ほんと泊っていいのかな?だめでもいいので無理しないでね」
「・・・・・」
僕の頭の中はゆうかに逢えることでもういっぱいになっていた。
「ゆうか、明けましておめでとう!3日の件、了解です。お泊りは大丈夫だよー。久しぶりだね、気持ちいいこといっぱいしようね! (笑)」
ハルナへの愛情が揺らいでしまった中でのゆうかからの連絡、そして再会の約束・・・
「やだー、ふふ、もうどきどきしてきた・・・3日、すごく楽しみ」
大人な時間を懐かしい女性と一緒に過ごせる喜び。
僕もゆうかにまた逢いたかった。
彼女も僕に逢って話したいことがあるという。
そして先日のテレフォンセックス・・・
彼女から僕とセックスがしたいという明確な意思があった。
しかも3日は安全日だという告知も事前にもらっている。
超ラブラブなムードでゆうかとセックスをし、愛情たっぷりの射精をして二人同時に果てるイメージがもう頭の中に浮かんでいた。
2日の夜にゆうかからメールが入った。
「ショウさん、明日10時に行くね、よろしくね。今ね、わたしすごく緊張してるの。ふふ、なんでだろうね・・・おかあさんにね「明日はショウさんに逢いに行くんでしょ」ってまた当てられたの。なんでわかっちゃうのかな・・・彼氏と逢う時はそんなこと言われたことないのにね。あなたって不思議よね・・・」
ゆうかからもらったメールを読んで僕の心臓もばくばくと音をたてていた。
僕の気持ちはおかしなほどに高ぶっていた。
高ぶっていた故に全てを自分の都合のいいように考えていた・・・。
翌日の朝、突然玄関のチャイムが鳴った。
(ピンポン・・・)
ベッドで少し寝ぼけ眼だった僕は、チャイムの呼び鈴で目が覚めた。
時計を見たら8時30分だった。
(あれっ・・・)
(ピンポン・・・)
「・・・ゆうか・・・かな?」
ゆうかと約束した時間は10時だった。
すると
(ガチャ・・・ガチャリ・・・)
と玄関ドアを開ける音が聞こえた。
(えっ・・・)
ベッドから降りてふらふらと玄関に行くとドアが開き・・・人影が見えた。
(・・・えっ、ハルナ・・・??!!)
デジャブのようだった。
先日逢ったときと同じような紺色のパンツルックにジャケットを羽織った女性が立っていた。
ドアの外からの光で逆光気味だった。
(ええっ、ハルナがどうして・・・!!)
心臓がイッキにばくばくっ!とした。
僕は落ち着いて寝ぼけ眼だった目をこすり、入ってきた女性をよくみると・・・ゆうかだった。
「ゆうか・・・・」
ゆうかとハルナは背格好が似ていたので先日ハルナに逢ったときの服装に近いゆうかをハルナと一瞬見誤ってしまったのだ。
かなり焦ったが見間違いで済んでよかった・・・。
「おはよー、ごめんね、起こしちゃった・・・よね?メールしたんだけど、見てないかなって思って、あはは、少し早く来ちゃった」
「あ、ああ・・・うん・・・おはよう・・・」
ゆうかは合鍵で部屋に入ってきた。
彼女はやはり合鍵を持ったままだった。
「ごめんね、起こしちゃったよね?」
「いや、いいんだ、9時には起きようと目覚ましセットしてたし」
「よかった・・・ねえ、なんかすごい顔してる、びっくりしてるような」
「えっ、そうかな、寝起きだから」
・・・ハルナと見間違えたとは言えなかったが、かなり驚いていたことは隠せなかったようだった。
「ごめんねー、今朝気温低くてさあ、スカートで来る根性なかったの、あはは」
「・・・・・」
「あ、雪積もってるよ。さっき急に降ってきたの。もうやんでるけどね」
「・・・そうなんだ」
「朝ごはん食べてないでしょ。駅前でおにぎり買ってきたよ」
「あ、ありがとう・・・」
「ねえ、ショウさん家にさ、冬用のミニスカ置いてあったんだけど、まだあるかな?」
「・・・・・」
「このあとショウさん家出るとき、着替えようと思って。ミニがいいでしょ」
ゆうかの私物はハルナがダンボールにしまいこんでいた。
前回ゆうかが来たときはまだダンボールに入れられていなかった。
「あ、ああ、あるんだけど、ごめん、箱にしまってあってさ」
「・・・・・あ・・・・」
彼女の顔が一瞬で暗くなった。
ゆうかは何故自分の私物が片づけられたのかをすぐに悟った。
僕ではない第三者が片づけたのだと・・・。
「・・・・・そうなのね」
ゆうかがとても切ない気持ちになっているのがわかった。
愛する男と築き上げていた生活の一部。
それが見知らぬ女性に片づけられていたのだ。
でもゆうかはぐっとその気持を堪えているように見えた。
自分ではない女性が僕にいるのは承知の上でこの日来ているからだ。
「・・・この箱のどこかにあると思う」
僕はクローゼットからハルナが荷造りした2つのダンボールを引っ張り出した。
「・・・ありがとう、着替えるね。隣の部屋か寝室貸して」
「あ、うん・・・寝室のほうが暖かいから」
「うん、ありがとう」
ゆうかは新年から曇った顔を僕に見せないよう、必死に笑顔になろうとしていた。
僕がダンボールを寝室に運ぶとゆうかはドアを閉めた。
ごそごそと箱の中をまさぐる音と、服をぬぐような音が寝室のドアから漏れていた。
僕はリビングでゆうかが買ってきてくれたおにぎりを食べていた。
しかしゆうかは10分経っても寝室から出てこなかった。
「・・・・??」
変だなと思って寝室のドアをノックした。
「・・・ゆうか・・・どうかした?」
すると
「ぐすっ・・・ぐすっ・・・」
と鼻をすするような音が聞こえた。
「ごめん、ゆうか??・・・どうしたの・・・入るね・・・」
がちゃり・・・
ドアを開けると、ミニスカ姿に着替えたゆうかがベッドの上に座り、膝に小さな冊子をのせてそれを見ながら泣いていた。
「あっ・・・」
ゆうかが見ている冊子は僕とゆうかの写真が入ったミニアルバムだった。
旅行で撮った写真、ふざけて撮った写真、ゆうかが米国で撮った写真がその冊子には収められていた。
ダンボールの底のほうにしまわれていたのだが、服を探してまさぐっている間に見つけてしまったのだろうと思った。
僕も以前そのアルバムを見て胸にこみあげるものがあった。
彼女がそれを見たら泣いてしまうのは無理もなかった。
愛した男との想い出だらけの冊子だったからだ。
「ぐすっ・・・ぐすっ・・・」
ゆうかは僕が部屋に入ってきてもまだ泣いていた。
「・・・・ショウさん、ごめん、なんかわたしたちの昔のアルバム、見つけちゃって・・・」
「・・・ああ・・・ね、懐かしいね」
ゆうかはアルバムのページをめくりながらしばらく目を潤ませながらじっとしていた。
僕はゆうかのミニスカ姿を見てしまっていた。
まだパンストをはいていない生足だったからだ。
正月から自慰をしていなかった僕には目の毒だった。
部屋着のジャージの中で僕の男性がいっきにぐぐぐと硬く、立ち上がってしまうのがわかった。
僕はゆうかに近づくと座っていた彼女を立たせて抱きしめた。
「あっ・・・ショウさん・・・」
ばさっと、アルバムが床に落ちた。
ぎゅっとゆうかを抱きしめると、僕の熱く屹立した男性自身がぐりぐりとゆうかの下腹部に当たっていた。
「あっ・・・やっ・・・ああっ・・・」
ゆうかが僕の胸の中で荒い息を吐きはじめた。
ぐりぐりっ・・・・ぐりぐりっ・・・
「はっ、ううっ・・・・あっ・・・やだ、ショウさん・・・」
ぐりぐりっ・・・・ぐりぐりっ・・・
「・・・うっ、ううっ・・・だめ、もう我慢できない・・・!!」
ゆうかはそう言うと、僕のジャージと下着をずり降ろし、
(ばくっ・・・)
と僕の男性にむしゃぶりついた。
つづく