二人で同時に果て、ハルナの中で僕のペニスがまだびくびくと痙攣しながら弱い射精を続けていた。

「ううっ・・・ううっ、ううっ・・・」

「あああ、ショウさん・・・ああっ・・・」

男のオーガズムが余韻に入り、射精を完全に終えると 興奮気味だった脳内が徐々に落ち着きをみせ、今のセックスは・・・よくないセックスだったと・・・思い始めた。

ゆうかと新たな男との見もしないセックスを勝手に妄想し、その嫉妬心からハルナを抱いた。

ハルナとセックスしている最中にゆうかの身体を思い出してしまっていた・・・。

ハルナを愛しきれていない自分に気が付き、彼女に申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになっていった。

(僕はハルナにふさわしくない男なのだろう・・・このままハルナと交際することは二人にとって良くないことになる・・・)

だが僕の考えとは裏腹にハルナは今回のセックスも満足そうだった。

「はぁ、はぁ、はぁ、ショウさん・・・ううっ・・・」

ほぼ毎回のセックスで彼女は僕の射精を求め、同時イキでフィニッシュする。

愛する男からの精子を膣内で受ける悦びに気づいたハルナは今回のセックスでも激しいオーガズムを感じていた。

女性が感じるオーガズムの快楽では一説によると激しいときで男性の300倍の脳内麻薬が出る場合があるという。

全ての行為が終わったあと、ハルナの満足そうな顔を見ていると相当大きな快楽を感じていることがわかる。

完全にセックスにハマっているハルナ・・・

僕の不安定な気持ちに気づくことなく抱かれている・・・

そんなハルナにどうこの気持ちを伝えたらいいのかわからないでいた。


(じじじじっ・・・じじじじっ・・・・)

まだ二人ともオーガズムの余韻が続いている中、ベッドサイドに置いた僕の携帯に着信が入った。

「ううっ・・・うん・・・?」

「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

(じじじじっ・・・じじじじっ・・・・)

ハルナとの繋がりを解くには早いタイミングだったので、電話に出ることはなかった。

着信のバイブレーションが終わって数分が経ち、やや朦朧とした意識で携帯を手にとって着信履歴を見ると、以前かかってきた無言電話の主だとわかった。
見知らぬ番号、怪しい着信は「無言電話」と画面に出るようにアドレス帳に記録していたからだ。

「・・・・・」

僕は思うところがあり、その電話番号をハルナに見せた。

「・・・・・!」

すると彼女はイッキにオーガズムの余韻から覚め、その番号を見つめ絶句した。

「この番号を知っているんだね」

「・・・はい・・・」

「その様子からして前カレかな」

「そう・・・です・・・」

「どうして僕の番号を・・・って、だいたい察しはつくけどね」

「・・・カレ、わたしの携帯の暗唱番号を知っているんです。それでよくかけている番号をメモしたんだと思います」

「ハルナに男がいるって疑っていて、僕に無言電話してくるような人なんだね」

「・・・さぐりを入れているんだと思います。ごめんなさい」

「ってことは僕と逢ってるときに彼に逢っていたってことだね」

「そう・・・です・・・」

「どういうことなの」

「・・・・・・」

「いつか話す、いつか解決するって言ってたじゃない」

「・・・・・・」

「えっ、カレと寝てるの?」

「それはありません」

「でも逢ってるみたいじゃない」

「・・・信じてください。カレと身体の関係はもうありませんの」

「じゃあ電話のやりとりもやめようよ。僕まで巻き込まれているっぽいし・・・」

「・・・・・」

「なんでそこで黙るのー」

「ショウさん渡航前だから・・・帰国するまでになんとかしますので」

「いや 渡航中、もやもやしちゃうよ・・・」

「今は・・・すいません、話したくないので・・・ごめんなさい、必ず数日中になんとかします・・・必ず・・・」

ゆうかに新しい男ができたことと、ハルナへの愛が揺らぎ始めたこのタイミングで、謎の前カレとの不可思議な関係が継続していることを知ってしまい、僕の頭は混乱していた。

このままでいると渡航先でいい仕事ができないと思い ハルナに全てを暴露するよう説得すること10分・・・彼女はようやく思い口を開き始めた。

「・・・これを言うとわたし、ショウさんに嫌われると思います」

「・・・嫌うかどうかは別として、僕らの将来の問題ならば言ってください」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・わたくし、あの人と婚約してたんです」

「・・・・はあ・・・・」

あまり驚かなかった。

電話連絡をとりあってる時点で前カレとなんらか縁があるのはわかっていたからだ。
不倫慣れしている僕の脳は割と冷静に彼女の言葉を受け止め続けた。


「・・・結納も済ませてカレと新居で暮らし始めたんです」

「あっ、そこまでいってたんだ」

「・・・ちゃんと結婚する予定でした。でも・・・カレとは思い描いていた生活ができなくて・・・わたくし、逃げ出したんです」

「まだ婚姻届は出してないのね」

「はい、その一歩手前でしたが、かろうじて出してないです」

(出してたら僕は人妻とずっと交際していたことになったのか・・・仮にそうだったとしたら半分ぐらい不倫、いやほぼ不倫。・・・まあ、ある意味僕らしい展開だったな・・・)

「で、どうなったの」

「実家に帰ってしまいました。でも、両親とおばあさまには怒られてしまって」

「・・・そうなんだ」

「同棲スタートしたばかりで、諦めるのは早すぎる、と大反対されたのですが、わたしの気持ち自体がもうカレから離れてしまって」

(それでこのこ、あんなに結婚を急いでいたのか・・・しかしその行動も乱暴すぎやしないか・・・いや、彼女なりに逃げ場を失い、迷った末の行動か・・・)

「・・・・でもハルナの気持ち、大事だよね。婚約破棄すればいいじゃない」

「わたしはそうしたつもりなんですが、カレが納得していなくて・・・この有様なんです・・・」

「ご両親やおばあさまに理解してもらえたら」

「両親もおばあさまもカレのことを気に入っているんです・・・カレ、ドクターなので」

「うっ・・・」


一介のサラリーマンである僕とドクターとでは稼ぎや将来性だけでみると太刀打ちできないだろうと瞬時に思った。
そりゃあハルナの家族も結婚相手としてカレのことを申し分ない男と見ているはずだ。

「カレを見つけてきたのもおばあさまなのです・・・たしかおばあさまの知り合いからのご紹介で」

「・・・なるほど」

「もう、わたし、どうしたらいいかわからなくなって、ただただ逃げ回っているだけでした・・・」

(そんなときに僕と出逢ったわけね)

「・・・そんなときにショウさんに出逢って・・・わたし、やっと居所を見つけた気分になっていました」

「・・・・・」

「カレとはぜんぜん違う癒しをわたくしに与えてくれる男性だと・・・思いました」

「そう思ってくれたのは素直に嬉しいです」

「今まですっかり甘えていました。時がたてばカレもわたしを諦めるだろうと・・・願っていましたが、すいません現状はわたくしの思惑どおりに進んでいないようです・・・」

「えっと・・・ご両親とおばあさまって僕の存在を・・・」

「知らないです」

「そんなかんじがしたー」

「わたしがショウさんとのデートやお泊りで外出するときは、カレと逢っていると思っていると・・・思います」

「まあ、そうなるよね、そうしたくなるよね・・・」


(じじじじっ・・・じじじじっ・・・・)

二人でこのように込み入った話をしていると、今度はハルナの携帯に着信が入った。

「・・・カレからです」

「・・・・」

ハルナは画面を見ると、あからさまな操作で携帯の電源を落とし、ベッドの上に投げ捨てた。

これがテレビドラマだったら僕がハルナの電話に出て、カレにモノ申すところなんだろうけど、これは現実世界の話・・・そんなかっこのいいことはできるわけでもないし、やったところで大モメすることは目に見えていた。

ハルナはがくっとうなだれ、少し涙を流しはじめた。

「わたし、ショウさんが好きです・・・あんな男と暮らすなんて嫌・・・」

「同棲生活、結構ヒドかったんだ?」

「・・・そうです・・・」

ハルナはそれ以上のことは語ってくれなかった。

もしかしたらDVなどがあったのかなと思った。


「それで弁護士に相談するところなんだね」

「そうです。婚約破棄について、もう弁護士入れるしかないぐらいのところに来てるかなって思ってます・・・」

ハルナは見せなかったが精神的に相当追い込まれていたのだろう。

相手が婚約破棄を認めないので順番をすっとばして、頼れる男、自分を癒してくれる男を探してしまった。

家族にも相談できない彼女が

僕のような男にすがりたい気持ちを理解しはじめた・・・。


「ううっ・・・ううっ・・・」

ハルナが泣きじゃくりはじめたので、僕は彼女をぎゅっと抱きしめたまましばらく二人でベッドに寝転がっていた。

「ううっ・・・ううっ・・・うぁぁぁあん・・・」










つづく