ゆうかとの辛い別れを経験し、落ち込んでいた僕だったが、その直後のハルナとのデートで彼女を初中イキオーガズムへと導けたことが僕の気持ちを前向きにさせてくれた。

恋愛の興味はハルナにうまくシフトできているはずだった。

だが家に帰ると半同棲をしていたゆうかの残していったものがいくつか残っている。

それを見るたびにゆうかを思い出してしまう自分がいた。

全部捨ててしまうのは簡単だったが、昔から交際した女性をたちきれず、ずるずるいってしまうクセが僕にはあった。

それにゆうかには部屋の合鍵を渡したままだ。
僕にそれを返すきっかけがあったのにゆうかは返さなかった。
まだゆうかにも僕への未練があるのだろうと・・・勝手にそう思っていた。

一方でハルナとの恋愛は順調だった。

性に目覚めた彼女はセックスの虜となって数日おきに僕の部屋を訪れ、長時間に渡って僕とのプレイを楽しみ、帰っていった。



そして最初は遠慮気味だったが ハルナが僕の自宅にそのまま泊まる日もだんだん増えてきた。

彼女は「花嫁修行中」の身ということだったので、割と自由な身でいるように見えた。

週2だったハルナの訪問は週3となり、祝日などがからむと週4、週5と増えていった。

セックスの感度やオーガズムの快楽度もプレイを重ねるごとに上がっていった。

特に後背位での快楽度は半端ないほどアップした。

 



「あっ、ダメッ、乳首、だめっ・・・!!あっ、いく、いくっ!あああっ!!いっ、イクーーーーッ!」

びくん!ガチィィィイイン!びりびりびりっ・・・!!

オーガズム中に乳首を緩くひねられる行為をとても気に入ったらしく、そのイキ様も増々いやらしくなった。

日を重ねるごとに開発され、熟していくハルナを見ていて 僕は素直に嬉しかった。

ハルナへの情がうまれ、それが明確に愛情へと変わっていくのがわかった。


ハルナのほうも僕以上の愛情を都度示してくれた。

相変わらず料理も家事もずさんなところがあったが、僕のほうが自分よりもマメだとようやく気付いてくれたようで、徐々に料理の腕前もあがり、レパートリーも増えていった。

セックスだけの関係が多かった二人の間に生活感・・・というものがうまれた。
夫婦になったらどうなるか、シミュレーションをお互いにはじめた。

ハルナは以前僕の家に女性が居たことを理解しているようだった。
よけいな質問も詮索もしないハルナだったが僕の前カノの痕跡が視界に入るのは嫌だったのだろう、彼女は僕に告げることなくゆうかが残していったものを静かに整理していった。

ドレッサーや洗面所、タンスからゆうかのものは片づけられ、2つのダンボール箱に詰められていった。

それらを勝手に捨てることはしないようだったが、僕との結婚が確実になり、彼女がこの部屋の正式な住人になったときにまとめて捨てるのだろうと思った。

半同棲・・・ハルナとの関係がその域に達したと感じたとき、僕が自宅に残っていた2つの合鍵のうち1つをハルナに渡した。

これでこの部屋の合鍵を所有する人物は僕以外ではゆうかとハルナになった。

合鍵を託されたハルナは想像以上に僕の身のまわりのことをやってくれるようになった。

買い物、掃除、洗濯、夕飯の準備・・・

僕が遅くに自宅に帰るとハルナが待っている日が増えた。

もう新婚同然のカップル・・・そんな雰囲気があった。

心がふわっと暖かくなり、こういう幸せな気持ちでこの先もいけるなら、ハルナとはとてもいい夫婦になるな、と・・・だんだん思いはじめた。


ゆうかに預けたままの合鍵の行方が気になったが、彼女は借りたものはきっちり返す性格だったので、合鍵を持つ意味がなくなったころ、郵送かなにかで返すだろうと思っていた。

そう、合鍵を持つ意味がなくなったころ・・・それは僕とゆうかの縁が完全に切れることを意味した。

ゆうかがこの部屋の合鍵を所持続けるのは彼女の中に僕への未練がまだあると・・・僕は信じたかった。

ハルナに愛情を感じながらゆうかの未練を求める・・・
そのアンバランスな気持ちは僕の中でハルナをどこか愛しきれていない現れでもあった。

引き続きハルナの携帯にちょくちょく届く例の謎の連絡・・・

それが彼女を信じきれない大きな要因だった。

連絡してくる相手は一体誰なのか、決定的な現場をおさえることができず、勝手な妄想で彼女を責めることもできなかったので、そのままの状態でずるずると時間だけが過ぎていった。

季節は真冬・・・クリスマスの足音が聞こえてきたころのある日の自宅。
ハルナとのセックス前にシャワーを浴びたあと、洗面所から彼女の待つ寝室に向かおうとするとハルナが誰かと電話で話をしている声が聞こえてきた。

「・・・だから、わたくしが今どこに居るかなんて、どうでもいいことでしょ。もうそんなことで電話してこないでって・・・」

やや興奮気味で話すハルナ。
僕がバスルームから出たことに気付いていない。

「これ以上、わかっていただけないなら 弁護士に相談することも・・・考えています・・・」

(?・・・弁護士?・・・弁護士って言ったな、いま・・・)

「ごめんなさい、またかけます」

ハルナは僕の気配に気付いて電話をあわてて切った。

僕はその電話の内容を聞いていないフリをしながら寝室に入っていった。

彼女は僕の顔色を気にしているようだったが、セックスをする前に気分を害する話題をしては このあとの雰囲気を壊すと思い、何も聞こえなかったフリをして僕はハルナをそのまま抱いた。

ハルナはいつもどおり安堵の中で僕に癒され、イキまくった。

僕もハルナの身体を存分に堪能し、最後は彼女と同時に果てた。

全ての行為が終わったあと、裸のままで寝てしまいそうなハルナにさっきの電話のことを聞いた。

ハルナは少し驚きつつ、電話の声を聞かれてしまったかと観念した様子で謎だった相手のことを少しずつ話しはじめた。

・・・電話の主はやはりハルナが迷惑を受けているという前カレだった。

「那須のペンションに行ったときも、カレとやり取りしていたよね」

「・・・はい」

「どうしてそんな男といつまでも話しているの?しかも結構な頻度で連絡きては受け答えしてるよね」

「・・・・・今は・・・それは、話したくありません」

「・・・やっぱり、なんか複雑な事情があるんだ」

「・・・はい」

「それっていつかは話してくれるのかな」

「はい、全部・・・ちゃんと片づけたときにお話しします」

「・・・なんか僕にできることある?」

「ありがとう、今は・・・大丈夫です・・・」

「・・・・」

「でも・・・」

「・・・ん?」

「よければ、ちょっとだけ、ぎゅってしてもらえますか・・・」

「・・・うん、いいよ・・・」

二人で裸のままベッドに横になってハルナをぎゅっと抱きしめていると、ハルナが少し涙ぐんでいるのがわかった。

彼女は涙をこらえているようだった。

僕は優しく頭を撫で続けた。

真実の一部を話したこともあり、少しバツが悪くなったのか この日ハルナは僕の家に泊らずに実家に帰っていった。

(ハルナがしつこい前カレと未だ話している理由ってなんだろう。それに弁護士がどうとか・・・)

彼女が僕にまだ何かを隠しているのは確かだった。

それが何なのか・・・色々な答えが見つかりそうだったが、どれもロクな答えではなさそうだった。

「・・・・・・」


ハルナが自宅に帰ったあと、彼女が荷造りした「ゆうかがこの家に残していったものシリーズ」の詰まったダンボールをそっと開けて中身を見てしまった。

化粧水、メイク道具、下着、春物の洋服、ゆうかお気に入りのフェイスタオル・・・

「あっ・・・」

ダンボールの底から、ゆうかが作った小さなフォトアルバムが出てきた。

アルバムには仲睦まじく映る僕とゆうかの姿がたくさん収められていた。

伊豆や箱根の温泉デート、TDLでミッキーの帽子をかぶってはしゃぐゆうかの姿・・・

忘れていたゆうかとの時間、忘れようとしているあの日の二人の姿・・・

アルバムのページをめくるたび、
涙がほろり、とこぼれ・・・ はたと気付いた。

僕はまだ、ゆうかを深く愛しているんだと。







つづく