「あと2ヶ月の命」

と宣告された主人公アンが
死ぬまでにしたい10の項目を作り、
誰にも知られずに

死の準備を進めるというストーリー。


10の項目は例えば自分の子供達に
毎日、「愛してる」と言うなど。
大げさでなく些細な点に

どことなくリアリティーを感じる。
こうした10の項目を作り、
実行していくことで

アンは死の準備を進めていく。


本当に普段通りの生活の中で。


その準備の過程の中で
大きなイベントが発生するのかといえば、
そんなこともない。
余命2ヶ月と宣告された主人公の
残された時間を淡々と描き出し、
それを観る側に

違和感を与えることなく映し出している。
だから淡白な話と言えば

それまでかもしれない。
けれど、そうした日常の描写が
実際に死に直面した時の

リアリティーを感じさせてくれると
自分は思う。

淡々とした流れだったからこそ、
アンの抱く優しい気持ちや
繊細な女心に共感できた気もする。


「セカチュー」や「いま会い」で
描かれる”死”は非現実的。
声高々に泣き喚き散らすといった演技が、
作品全体をとても

チープなものにしている。
露骨に涙を誘おうとする

作品には嫌悪感を感じる。
けれど、この作品は、
そういった類のものとは異なり、
十分に満足のいくものだったのだ。


ところでだけど、この"10の項目"を
日常に応用させたら

おもしろいかもと思った。
"卒業するまでにしたい10のこと"
みたいな感じで。
どうせ三日坊主で終わるか、
スグに忘れるんだろうけど。
ちょっとしたスパイスを加えるだけで、
日常に色を付けることができるんだなって、
そう感じたりもした。


思い出を残すのも悪くない。


元々、写真はあまり得意じゃない。
自分が映る場合に限ってだけれど。
そうやって昔からカメラから逃げてきた。
撮るばかりだったから

スナップに自分が映ってることが少ない。
今、考えるとスゴク損。
あの時あの瞬間を残しておけば良かったって。
そんな後悔が。


なんでこう思うようになったのだろう。
一つは「学生」からの卒業。
「社会」は自分にとって異世界。
追われ、追われ、追われ。
全てが変わってしまうような、
なんとなくぼんやりとした不安。


そういう不安に駆られる度に、
今この瞬間を残しておかないと!
と思うのだ。


そんな理由からカメラを買うことにした。
やっぱりデジカメ、でコンパクト。
気軽に使える。
一眼レフは高いし、

気軽という感じがしない。
だから、それなりの性能は求めた。


梅田のヨドバシカメラへ。
デジカメコーナーには、
ひっきりなしにカメラが展示されている。
正直、何も分からない。
販売員に色々と話を伺い、
3つほどにメーカーを絞る。
FUJIFILM、OLYMPUS、NIKON。
カメラに強そうなメーカー。
その中で次に夜景や

手振れに強そうなカメラを探した。
予算との兼ね合いもしつつ。
で、購入したのがFUJIFILMの

「Fine Pix F30」。
ポイントを使うと嘘みたいな金額。


道具を揃えたらあとはパシャ、パシャと。
「この瞬間」はスグに貯まっていく。
けれど、それと反比例するかのように減っていく、
時間という容量。
その限られた中で瞬間の一つ一つを焼き付けていこう!
このカメラで。


うるさい音が嫌い。
少し訂正。
厳密に言うと

"寝起き"にうるさい音を聴くのが嫌いだ。
1日で1番、
耳が神経質になっているから。
で、この神経質な耳を

逆撫でする音がテレビ。
CMはもちろんニュースですら

頭を痛めつける。
だから、寝起きでテレビをつけることはほとんどなく、
その代わりにオーディオの再生ボタンを押す。


聴くのはボサノヴァが多い。
クラシックは二度寝しそうだから。
ある程度リズムのある音楽の方が目も覚める。
ついでにふんわり

包み込むような優しさがあるとベター。
だからボサノヴァ。


ちなみにボサノヴァとは

ブラジル音楽の様式の一つ。
多くはクラシックギターがメインだけれど、
ピアノやドラム、

パーカッションも欠かせない。
"リズム"や"包み込む"といった要素があって、
それが心地よい。


Post Modern Bossaは、

ボサノヴァというジャンルの音楽を

知るきっかけになった一枚であり、
自分のわがままに応えてくれた一枚でもある。


"Modern"なので厳密な意味での

ボサノヴァではないけれど、
自分にとってはそっちの方がよかったりする。
それは、SCHEMAという

北欧の解釈が加わっているから。
①SO COM VOCEや

②VIDA NUNCA A TERA FLMなんかは、
そういった色が強く出ていると思う。
電子音が前面に出ているあたりなんかが。
⑨THE PARIS MATCHも同じ。
打楽器とギターでリズムを刻み、
トランペットで包み込む感じを醸し出し、
要所を電子音で締めている

お気に入りのトラック。


元々のスタイルに、

現代的な要素・解釈が加えられているので、
ある意味、別の音楽のように聴こえる。
と、いうのが、
一枚を通しての印象。
このアルバムの魅力。


カフェ・コンピという形では簡単に片付けられない、
深みのある一枚。