先日、子供たち用に裏庭に砂場を作った。

設置にあたり、そこら一帯を清掃する

必要があった。

 

一冬越してしまった裏庭には

かなり枯葉が積もり、

風で飛ばされてきた土砂などと共に

冬間の雨で濡れ、それらはコンクリートの

地面にこびり付いてしまっていた。

 

 

強力な風で枯葉を集めるブロワーという

機械を秋に使っておけば良かったのだが、

雨降りな国の晴れ間の日を逃してしまい、

見事に枯葉と苔に覆われてしまっていた。

 

毎日見て見ぬ振りをしていたのだが、

ようやく重い腰をあげ掃除に取りかかると、

思いの外大変なことに気付かされた。

汚れがこびりついているので、

ほうきで払っただけでは微動だにしない。

地味にシャベルで削り取るような作業をし、

その後デッキブラシでかき集める。

数日、こんな地味な作業をした。

 

いざ掃除を始めると、人懐っこい鳥が

やたらと寄って来た。

お目当は木の実なのか、削ぎ落とした苔なのか…。

何かの食べ物が混じっているらしく、

ゴミ漁りというよりは、

掃いた後の小綺麗になった

地面に飛び降りて来てはつついていた。

 

ウグイスってこんな鳥だったような?

でも赤と白とモスグリーン色の、、、

うろ覚えで夫に話してみると、

どうやらロビンという鳥だと判明した。

 

 

日本語調べてみたところ、

コマドリの一種だそうだ。

画像を見比べるとウグイスとは全然違った。

 

夫は鳥の名前を教えてくれた後、

続けてこう話した。

 

『生前母が、弱っていく自分をみて

悲しむ姉に対して言った話があってね。

“悲しまないで、庭先をみてロビンが居たら

どうか私だと思って。

ロビンになって戻ってくるから”って。』

 

去年癌で他界した義母は癌告知から

およそ5ヶ月で天に召された。

その間、ダブリンへ嫁いだ一番上の義姉は

何度も看病に訪れていた。

その時の話だったそうだ。

 

ちょっと潤んでしまった。

態度の悪かった私の所にも来てくれたのか、

と思ったからだ。

 

それ以来、毎朝夫は外にポーリッジ用の

オート麦を裏庭にあった植木鉢の皿に

少しのせるのが日課になった。

毎日来ては啄ばむ姿をみて、少しほっこりする。

 

数日前にたまたま見かけた桜の花。

知らぬ間にとっくに開花していたらしい。

 

外出が制限される今、

家の中から見える景色は毎日同じで退屈する。

 

ほんの数週間前までは、子供たちの学校への

送り迎えの途中途中、

他人様の家の庭先に咲く梅や水仙の花々を見ては

春の訪れを感じていた。

桜は私にとっては日本の事を思い出す

唯一の花だ。

今年はもしかしたらもう見ることは

できないのかもしれない。

 

しばらくの間は日々ロビンを見て

過ごすことになりそうだ。