術後5日もすると、ほぼ普通の生活が出来る。

何より、普通の食事が出来るようになるのが大きい。口からの栄養補給で体力が回復するし、気力も充実してくる。

普通にしていれば痛みもほとんどないが、父親がお見舞いに来てくれてやたらと面白い話をするので思わず笑ってしまいちょっと痛かったが、それは嬉しい痛みだった。

また、同室で同病のおばさまと会話をするようになった。社交的な上、入院が長いせいで顔が広いおばさまのお陰で、他の部屋の患者さん達とも知り合いになり、いろいろなことを教えてもらえた。

一時期、主治医への不信感が募ったときにも、「あの先生は評判がいいから大丈夫よ」なんて励まされたりもした。

たまたま私と同様に直腸がんで一時的に人口肛門をつけ、今回の入院で除去手術をするという患者さんが多く、つまり私の病気の先輩たちだったため、わからないことは皆さんに聞けば全て分かった。

それは例えば、ストマとの付き合い方やオススメのメーカー、退院後のストマ用のパウチの購入方法。また高額療養費制度のことなど多岐に渡った。

ストマ除去手術後の状態も現在進行形で教えてくれ、最終的に皆さん例外なくスッキリしたお顔で退院されていく姿を見て、自分の未来の姿だと思い非常に勇気づけられた。

また、病院食が不味かったせいもあって、「退院したらまず何を食べたいか」という話はどなたとでも必ず盛り上がることが出来る鉄板の話題で、いい気晴らしになった。

個室でずっと引きこもっている患者さんもいるようだったが、私はこのような患者仲間に随分救われたと思っている。