2024年7月30日(火)シアタードラマシティにて大阪初日を迎えた、花組『Liefie-愛しい人-』

 

本日8月1日(木)で大千秋楽。

16時回はLIVE配信があります。

 

それでは、ネタバレ有のキャスト別感想です。

 

作・演出は生駒怜子。

2023年バウ『夢現の先に』に続き、デビュー2作目。

 

主演は聖乃あすか。

バウ『Prince of Roses』『舞姫』に続き、三度目の別箱主演。

東上付公演、初主演。

 

ヒロインは七彩はづき

別箱初ヒロイン。

 

舞台はオランダの、とある街です。

 

 

★セット

 

セットがとても素敵です。

学校にあるような木製の椅子を積んだり、吊るしたり。

そうやって、様々な場を表現。

 

装置担当は、川崎真奈さん。

助手は山本真澄さん。

 

インテリア・デザインとして優れています。

ホテルロビーや美術館などで再現してほしいセットです。

 

 

★聖乃あすか(100期・研11)

 

ダーン

ヴェーグ紙の新聞記者

新入社員時代から広告欄を買い取り、連載コラムを執筆中

「人」と「言葉」に深い関心を寄せる青年

 

幼馴染のミラ(七彩)とは、誰がどう見ても両想い。

ですが、ヤン少年(初音夢)に「付き合ってるの?」と訊かれ、狼狽。

古き佳き時代の少女マンガ世界がそこに。

ダーンを見てると、丘の上の王子様※が成長したら、こんな感じかなと。

 

※『キャンディ♡キャンディ』に登場する、いわば白馬の王子様

 

穏やかで優しいけれど、やる時はやる。

大切な人を守るため、躊躇せず戦える。

でも、相手が謝罪すれば、あっさり赦す。

しかも、自分にも落ち度はあった、と。

 

現代版の純白の王子様。

聖乃あすかを外から見た印象を、そのまま具現化。

 

キャリアを重ねる毎に、むしろそういう役こそ難しくなります。

役幅を広げた分、色がつきますから。

 

ですが、原点に戻れば、スッと王子キャラがハマる聖乃さん。

主人公タイプなんだな、と改めて。

 

若手記者たちが、エース記者・ジェームス(泉まいら)の新企画について盛り上がる中、ひとり物憂げなダーン。

こういう表情がサマになって来ると、「大人の男役」の香りを感じます。

今は過渡期なんでしょうね。

 

カーテンコールでは、ドン・ジュアンや巴里祭を宣伝。

ちょうど、巴里祭の配信日でもあったので。

 

「花組ポーズは千秋楽まで取っておきます」と、聖乃さん。

劇中で「ふにゃふにゃしてる」と同僚から揶揄われるダーン。

そこからの「ほのぼの、ほのか」のコール&ポーズを、観客を含めた皆で。

 

また新たなコール&レスポンスが誕生しました。

キズナ!キズナ!(それは元雪組トップ・早霧せいな)

 

 

★七彩はづき(107期・研4)

 

ミラ

ダーンの幼馴染

11歳の時、事故のため両親と死別。

 

新人公演ヒロイン経験は伊達じゃない。

堂々とした舞台姿。

聖乃さんと同い年に見えました。

 

滑舌も良く、クセのない台詞回し。

高すぎず、低すぎず、可愛すぎずの落ち着いた発声。

 

歌唱も、のびのび安定。

本作に挑むにあたり、お稽古を重ねたのでしょうか。

その成果が顕われていました。

 

 

★侑輝大弥(102期・研9)

 

レオ

ハンス(峰果とわ)の元で働く、大工の青年

 

両親がいない身の上は、ミラと一緒。

事故が新聞で取り上げられ、注目を浴び、同情を集めたミラ。

そんなミラを羨み、嫉妬してきたレオ。

 

レオの心理はわかる気がします。

同じ境遇なのに、己は誰にも気遣ってもらえない。

ミラだけが注目され、大事にされる(ように見える)

 

自己正当化する人もいる中で、レオは頑張りました。

ミラに暴言、ダーンに暴力をふるったものの…(あかんやん)

己に巣食う嫉妬を認め、ミラやダーンに謝罪。

 

…脳内BGMは『ギザギザハートの子守歌』

目に映るサブリミナルは、尾崎豊。

レオ、大丈夫。

君は腐ったミカンじゃない(金八先生)

 

聖乃主演バウ『舞姫』では、貧困に喘ぐ私費留学生を演じた大弥くん。

病に蝕まれ、やつれ果てる演技は真に迫っていました。

 

本作では、堂々の二番手役!…のはずが、出番少なめ。

高所に組まれたセット上を何度も一人で行ったり来たり。

目立つといえば、目立つかな。

スラリとした美形ですしね。

 

フィナーレの男役群舞では、二番手としてバリバリ踊ってます。

よっ! 花男!!

 

 

▽キャスト別感想、まだ続きます

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