2024年7月4日(木)アメリカ独立記念日。
アメリカ独立戦争とフランス革命はほぼ同時期でした。
それがどうした、って話ですけども。
さて、宝塚公式サイトでは宙組の大劇場上演予定が発表されました。
宝塚歌劇百十周年紀念奉舞
『宝塚110年の恋のうた』
作・演出/大野 拓史
宝塚歌劇110年の歴史を創り上げてきた数々の「日本物」作品から、恋に纏わる名曲をセレクトし、新たに紡ぎ上げる日本物レヴュー。
宝塚歌劇の日本物の伝統を受け止め、未来へと繋ぐ、華やかで美しい舞台をお届け致します。
恋に破れ、二度と恋の歌など詠むものか…と嘆く傷心の歌人・藤原定家の前に、謎めいた人物が現れる。
110年にわたって恋の歓び、美しさ、そして辛さを演じ、歌ってきたというその麗人に誘われ、定家は数多の恋の歌が綴られる不思議な世界へと旅立っていく…。
ストーリー性のある和物レビューなんですね。
110周年の奉祝と共に、ミステリアス……ていうか。
藤原定家が、芹香斗亜
謎めいた人物は(代々の)タカラジェンヌですね。
とりあえず、代表して桜木みなとが現れるのでしょうか。
ジャズ・スラップスティック
『Razzle Dazzle(ラズル ダズル)』
作・演出/田渕 大輔
1950年代のロサンゼルス。
幼い頃に富豪の両親を亡くし、莫大な財産を相続したレイモンド・ブルーは、‟ハリウッド一裕福な孤児”の異名を持つも、実際にその財産を手にするには条件があった。
それは、レイモンドの後見人である縁戚の実業家、リチャード・ウィンターズの娘アビーと結婚し、放蕩三昧の生活を改めること。
だが物質主義的なこのフィアンセを毛嫌いするレイモンドは、彼の財産にしか興味のないアビーとの結婚から逃れるため、経営難に陥っていた行きつけのナイトクラブ「Razzle Dazzle」の新たなオーナーとなって活路を見出そうとする。
クラブを訪れた親友の映画スター、トニー・デイヴィスを相手に、まるで映画の筋書きのような愛を夢見がちに語るレイモンド。
だが彼の目を醒まさせようと現れたアビーは、もしも財産がなければ、レイモンドを愛する女性などこの世に一人もいないと言い放ち、二人の口論はヒートアップ。
見兼ねたトニーは彼らを仲裁しようと、ある賭けを提案する。
その賭けとは、レイモンドがハリウッド一の金持ちという素性を隠した上で、誰かの愛を得ることが出来れば、アビーとの婚約は解消され、財産はすべて彼の手に渡る。
だが期日までにそれが叶わなければ、レイモンドはリチャードの言いつけ通り、直ちにアビーと結婚するというもの。
そして、レイモンドが愛を勝ち得るべく‟ヒロイン役”として、彼らが白羽の矢を立てたのは…映画に出ることを夢見て、田舎町からハリウッドへやって来たばかりの純朴な娘、キャロルだった。
‟華やかな喧騒・混乱・欺瞞”などを意味するナイトクラブ「Razzle Dazzle」を舞台に、“偽りの愛”を手に入れようと奔走する主人公が、“真実の愛”に気付くまでを描くハートフルコメディ。
なるほど、華やかなコメディのようですね。
1950年代のアメリカは、世界大戦に勝利し、勢いづいていた頃。
プラス、東西冷戦が激化した時代。
配役予想は、ベタなパターンに沿うとこんな感じ?
億万長者の孤児・レイモンド・ブルーが芹香斗亜(93期・研18)
親友のハリウッドスター・トニー・デイヴィスが桜木みなと(95期・研16)
後見人のリチャード・ウィンターズは専科から降臨?
輝月ゆうま(95期・研16)だったりして。
財産目当てのリアリスト・アビーは天彩峰里(100期・研11)でしょうなあ。
映画に出たくて田舎から出て来たキャロルが春乃さくら(102期・研9)
ショーも芝居も、お正月公演にふさわしい内容ですね。
元日から上演する、従来の形式に戻りましたし。
ただ、「宙組で?」
宝塚ファンの間に動揺が走ることは間違いない。
同じ公演内容でも、お正月公演は特別。
通常月なら受け容れやすいものを、いくらそのターンだからって。
セキュリティ面が不安な、地方巡業公演(全国ツアー)
宝塚ファン心理を逆撫でする、お正月公演。
これらを宙組にぶつける事が、劇団なりのペナルティ…?
もしそうなら、怖いですね。
「生徒個人に非はないから、罰さない」とした上で、千尋の谷へ突き落すような。
劇団が過酷な試練を与える事は、今までもあった事ですが。
その場合、当該生徒や組は、宝塚ファンから同情された訳です。
今回は8~9割方、針の筵でしょう。
残り1~2割は「そこまで責めずとも…」と、逆風の強さへの同情票が出て来るかと。
宙組子をほぼ丸裸で表に立たせる事により、宝塚ファン同士を戦わせる消耗戦へもっていく算段でしょうか。
劇団というか、組織の手強さをヒシヒシと感じた発表でした。
もし「私達が自ら選んで選択した」と思わされている、としたら?
そう反応するよう、誘導されている、としたら?
「下手ばかり打ってる劇団が、そんなこと出来るわけがない」と思う向きも多いでしょう。
それとて、油断させる為の作戦だったのかもしれません。
劇団の声明「生徒個人に非はない」はある意味、正鵠を射ていると思います。
音楽学校や劇団が「変化」や「トライ&エラー」を積極的に採り入れなかった事が問題の根源でしょうから。
「生徒の自主性に任せる」と言う言葉の裏で、大人が監督や指導の責任を放棄していたんですから。
ただ、大人の方からしても、どうしようもない巨大な「伝統」や「決まり」が立ちはだかり、改善しようにも歯が立たなかったのでは…と想像しています。
「今までずっとこうして来た」事に従えば、楽ですしね。
だって、考えなくていいから。
音楽学校も劇団も、誰も彼もが忙しすぎて、疑問を持ちはしても、改めて考えたり、見直し、提案し、実行する…そんな余力がなかったのでしょう。
何かしら問題が起きても、応急処置で凌ぐしかなかったのかと。
宙組生という目立つアイコンを置き、宝塚ファン同士をぶつける消耗戦で切り抜ける作戦もまた、応急処置の一つでしょう。
「本拠地の宝塚大劇場で正月公演!」
「どの面下げて!!」
…と、ヒートアップさせる事も狙いなのかな。
分かりませんが。
「肉を斬らせて、骨を断つ」ように見せつつ、魅惑的なお肉の前で踊らされてるんだろうな。
これらの青絵図を描いてるの、誰なんだろう?
個人なのか、チームなのか。
どちらにせよ、頭が良い人(達)やろね。
私のような甘ちゃんには思いつかない、発想と思考回路です。
…って、想像ですけどね。
仮想通貨ならぬ、仮想ブレーン。
仮に、そういう手強いブレーンが存在する、と仮定して。
応急処置で時間稼ぎしつつ、余力を蓄積してるなら、それもアリです。
余力をかき集め、真の改革を推進してくれるなら、
喜んで踊らされましょうか、ホトトギス。
∇仮説願望