2024/01/06(土)宝塚大劇場にて、星組『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~』と『VIOLETPIA』を観劇して参りました。
2023/12/07以来の宝塚。
開演時刻が過ぎてからの中止を食らった雪組『ボイルド・ドイル』
あれはあれで、貴重な経験でした。
…と言えるのは、配信視聴できるから。
加えて、遠征ではないから。
遠征で、その回こっきりの観劇だったら…。
この想像は何度もして、そのたびにグラグラします。
宝塚ファンの反応は、生徒を心配する声が圧倒的多数。
愛が深すぎる…!
同時に、つらい気持ちを吐露しても良いと思います。
いろんな折り合いをつけ、費用を工面してきたんですよね。
観れなくて残念すぎる気持ち。
それは呑み込まなくて良いと、私は思います。
思想統制しなくて良いんですよ。
999人がAと言っても、Bだと思ってもいい。
もしかしたら、本当はBと思っても言えない人もいるかも。
そんなものだと思います。
星組『RRR/VIOLETOPIA』が千秋楽まで、無事に上演されることを祈ります。
それでは、観劇感想まいります。
雪組を観れなかった反動+1ヶ月ぶりの大劇場で、テンション爆上がり。
語りたくてたまらんモードゆえ、ネタバレもします。
まだ知りたくない人は読まないで下さいね。
よろしくお願い致します。
★谷 貴矢
『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~』
潤色・演出
開演5分前から、映像が出ます。
森の中、流れる川。
川を渡る人や動物。
微かにせせらぎが聴こえる…?
それだけですが、遠いどこかへ連れて行ってくれます。
原作(インド映画)を下敷きに、THE 宝塚の世界観を展開。
話の骨格は、人間関係。
中でも、男同士の友情が胸アツ。
ビーム(礼真琴)とラーマ(暁千星)
ビームと仲間たち(天華えま、天飛華音、稀惺かずと)
ビームと、まさかのジェイク(極美慎)
…などなど。
マドンナ的存在もいます。
ビームはジェニー(舞空瞳)に惹かれます。
ビームとジェニーの間に流れる感情は、単なる恋愛ではないよね。
互いの人間性に触れ、惚れ込み、敬愛しあう感じでしょうか。
少々乱暴にまとめますと…
『RRR』は、ことあり(礼&暁)の物語だと思います。
海外物の潤色といえば、小池修一郎。
男同士の友情物といえば、正塚晴彦。
それらの要素を併せもつ、谷貴矢。
これからが楽しみ過ぎるやろ。
(デビュー以来、ずっと楽しみにしてきたけどな)
谷先生は高揚感を盛り上げるのが巧み。
たとえば、主人公をババーン!と押し出す演出とか。
まさかのジャガーですよ。
齋藤吉正先生は関わってないと思いますが。
「来るぞ来るぞ」とワクワクさせてくれますが、流れが自然。
繋げる構成力が綿密に計算されてる。
場面の流れ、台詞、音楽。
だから、自然に感じる。
作品を経るごとにセンスが磨かれるヤング谷先生。
わかりやすくて、洗練されてて、流れが良い。
高度な分析力があるから、物事を単純化できる。
理解力が高いから、わかりやすく表現できる。
頭が良いから、難しいことを簡単に伝えられるんですね。
『RRR』はシンプルに「面白かった」と思えるかと。
ことありは出会いからラストまで、辛抱たまらんよ?
覚悟しときなされ。
★指田珠子
『VIOLETOPIA』作・演出
良い意味で、『RRR』と対照的な作品です。
まず、トップさんの登場の仕方が…前代未聞。
ショーで、こんなのあり?!
ショーでは普通、トップさんの登場といえば『ババーン!!』
ところが、礼さんはふらっと登場してるんですよ、舞台に。
え、あなた…礼さん?
衣装も前代未聞。
ショー衣装といえば、スパンコール、ラインストーン、フリル、キラキラ
ところが、あなた。
さぶろー君とお散歩できそうな感じ。
ですが、VIOLETOPIAという物語の導入部としては自然。
加えて、象徴的な演出もあります。
(さぶろー君、登場!)
(…しません、残念ながら)
派手な登場や衣装でなくとも、礼真琴は「ハッ」となります。
フードで顔を隠してたりするんですが。
スターの存在感が生きる演出かもしれません。
指田先生のショーは、ひとつの物語。
壮大で小さな宇宙。
オープニングがエンディングと繋がっています。
本を開き、読み進め、最後に閉じるような。
夢を見ていたのか?
それとも…?
夢か現か、不思議な余韻を漂わせます。
いくつか装置は使っています。
…が、奈落や盆など、派手な仕掛けはほとんど使っていません。
ゼロではないけど、控えめ。
もしかしたら、安全性や生徒&スタッフの負担を考慮したのかな?
それでも、華やかで立体的なショーでした。
振付、フォーメーション、衣装、音楽、照明などを組み合わせた効果かと。
物語性があるから、ストーリーやドラマに興味を惹きつけた効果もあるかも。
指田先生のショーは、音楽劇・無言劇にもなり得るのかも。
(台詞もちょこっと、ありました)
天華えまに花を持たせる場も用意。
銀橋わたりながらソロ歌唱 + 本舞台で娘役に囲まれてダンス。
手厚い演出&構成です。
ロケットは、指揮者と音楽になぞらえて。
若手男役4名が指揮者(碧音斗和、御剣海、稀惺かずと、大希颯)
下級生27名がミュージック。
数名ずつのグループに分かれ、それぞれ指揮者と共に踊る。
最後は全員でラインダンス。
大階段をつかった男役群舞
(ひたすらカッコイイ…!)
二番手(暁千星)中心の、男役と娘役の群舞
(華やか、ビシバシ)
トップコンビのデュエットダンス
(トップさん、上手袖から歩いて登場)
(これまた新鮮なり)
(ダンスは流石なり)
本作は、指田先生の大劇場デビュー作。
バウホールでの演出家デビュー作(龍の宮物語)も星組でした。
星組とご縁があるんですね。
★階段おり
エトワール…天華えま(98期・研12)
↓↓
天飛華音(102期・研8)
小桜ほのか(99期・研11)
↓↓
極美 慎(100期・研10)
↓↓
暁 千星(98期・研12)白い大羽根
↓↓
舞空 瞳(102期・研8)白い大羽根
↓↓
礼 真琴(95期・研15)特大白羽根+雉羽根+ナイアガラ
エトワールは天華さん。
ここでも、見せ場をつくってくれました。
ありちゃん、二番手昇格おめでとうございます。
礼さんとのコンビネーションも抜群。
仲良さそうなワンツー、萌えます。
▽見応えありました