2023年12月7日(木)雪組『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル/FROZEN HOLIDAY』11時公演が急遽、中止になりました。

 

 

★大劇場、異状あり

 

平日ながら、満席の宝塚大劇場。

 

開演時刻(11時)になるも、オーケストラの音合せが続いていて。

 

「出演者の体調不良のため、開演が遅れております」

 

劇場内にアナウンスが流れました。

 

「そのまま、お席でお待ち下さい」

 

2~3分おきに、蛍嬢が劇場のそこここで、同様の言葉を繰り返す。

それが15分も続いたでしょうか。

 

舞台下手袖から、男性が現れました。

 

「劇場支配人の竹内です」

「出演者の体調不良により開演が遅れ、申し訳ございません」

「体調の回復が見込めないため、11時公演は中止いたします」

 

中止。

その言葉に続き、悲鳴がどよめきました。

悲嘆に包まれた大劇場・2,550席。

 

「せっかくお越し頂いたのに申し訳ございません」

 

劇場支配人が頭を下げると、拍手が起こりました。

最初はパラパラ、すぐに大きく。

会場を包み込む拍手の波。

 

こういう処、宝塚ファンは思いやりがありますね。

言いづらい事を矢面に立ち、伝える劇場支配人への配慮。

 

そして、舞台袖で聴いているであろう雪組生たちへの想いを込めて。

 

私も2階から拍手をして来ました。

届け、この気持ち。

 

 

★中止になって…

 

すぐに席を立つ人

席に座ったまま、脱力してる人

ぼんやりしてる人

泣いてる人

 

劇場内で聞こえた声は…

 

「大丈夫かな…」

「風邪とかなら、まだいいんだけど…」

「メンタルで心身が弱って、とかじゃなければ…」

「無理して舞台に立とうとしてたんだ…」

「深刻な状態だったら、どうしよう…」

「無事に回復しますように…」

 

…と、生徒さんの心配ばかりでした。

 

泣いてる人々も、生徒さんを心配しての涙。

ほんま、宝塚ファンってやつは…(涙)

 

宝塚ファンの姿に泣けてきました。

生徒さんへの愛が深すぎる…!

 

そして、宝塚歌劇への愛と。

 

私も大劇場から出難く感じていましたが、そんな人が沢山いました。

 

劇場内の写真を撮影したり。

チラシを手に取ったり。

なんとなくウロウロしたり。

壁に飾られたスチール写真を見上げたり。

 

名残惜しそうに劇場内にいる人々が多く見受けられました。

 

劇場改札では、チケット払戻の注意書きを配布。

 

テラスに面したソファや、フルールは満席。

劇場を去り難く、思い思いに過ごしている人が沢山いました。

 

私自身は後ろ髪ひかれながらも、休みを切り上げて仕事に戻りました。

 

日常に戻るのは一瞬ですね。

 

「現場からレポート」と銘打ちつつ、何時間たってるねん?という。

イエス、Japanese ビジネスウーマン。

 

(24時間、戦えますか)

(いえ、もう無理です)

 

 

ソワレは実施

 

15時半公演は上演したそうですね。

 

大丈夫なのか?

無理を押しての上演では?

 

11時公演は、映像撮影予定でした。

 

機材とか設定してるし、いろいろ都合もあったのでしょう。

もし完全中止にしたら、様々な支障をきたすのかもしれません。

 

それはわかる。

それはわかるよ?

 

休んで、少しは回復したかもしれません。

でも、万全ではないでしょう。

 

なんだか…

なんだかなぁ…

 

12/5(火)45分間の中断があった事からも、無理してるわけだから。

 

幕を上げられないほどの体調不良ですよ…?

 

本当に大丈夫だったのか…。

 

 

★宝塚ホテル

 

帰る前に、宝塚ホテルの2階展示コーナーに立ち寄りました。

 

展示衣装は、宙組『風と共に去りぬ』メラニー(実咲凛音)のセルリアンブルーのドレス。

 

展示小道具は、様々なシャンシャン。

 

それらの周囲にずらりと、各組スターの写真が飾られていました。

 

宙組生の写真もありましたよ。

 

芹香斗亜

春乃さくら

桜木みなと

瑠風輝

鷹翔千空

 

なんだかすごく久し振りに宙組生を見たような…。

懐かしさを憶えると同時に、ある事を自覚しました。

 

 

新人公演学年

 

私は宙組のこと、日々かなり考えています。

 

ただ、その対象は『新公学年』だったんだな、と。

 

宙組に配属された下級生たち。

彼らの『ジェンヌとしての時間』は止まっています。

 

現時点で3ヶ月近く。

この先どうなるか、不透明。

 

下級生だけでも、何らかの救済措置をとる事はできないのかな。

 

例えば、他の組へ振り分けるとか…。

それは難しいかな…。

 

経験を積めないまま、時が過ぎていく。

着実に舞台経験を重ねていく、他組の同期たち。

 

焦燥感、不安、孤独、哀しみ…

様々な感情に押し潰されそうなのでは…。

 

劇団さん。

 

生徒たちを守る為にも、たとえ認め難くとも、事実は認めていきましょう。

 

それが生徒たちを救う、と信じて。

 

 

▽ 勇気を出して

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村