2023年7月2日(日)星組『1789~バスティーユの恋人たち~』が宝塚大劇場の千秋楽を迎えました。

LIVE配信を拝見しました。

 

初演版(2015年月組)との変更点が多かったので、戸惑いもありました。

 

喩えるなら、「卵サンドだよ」と渡され、食べてみたらだし巻サンド。

ゆで卵を潰した具だと思ってたので、あり?…みたいな。

これはこれで美味しいけど、こんなんやった?…みたいな。

 

どちらが上とか下じゃなく、別の作品であり、物語なんだなぁと。

これはもう新作として観よう、と思いました。

 

…思いましたが、難しい。

よく似た絵を重ねたズレって、気になるものですね。

 

星組版、とっても見応えがありました。

…と同時に、今も鮮やかな印象が残る月組版に改めて拍手。

 

比較するまいと思いつつ、強烈な印象を放つこの役は語らせて下さい。

 

 

★マリー・アントワネット

 

2015月組

愛希れいか(95期・当時研7)

トップ娘役

 

2023星組

有沙 瞳(98期・研12)

2番手娘役

 

アントワネットは、ルーレットに見立てたドレスで登場。

舞台を覆い尽くす巨大ルーレットの中心にアントワネット。

インパクト大だった2015年版。

 

2023年版は『カジノ・ロワイヤル』で大きなルーレットが登場。

既視感となってしまったかも。

盆と同じサイズでしたが、舞台を覆い尽くすサイズ感でもなく。

 

同じサイズだったけど、初見の印象値でより大きく見えたのか?

それとも、トップ娘役と2番手娘役の差をつけたのか?

どちらかは判りません。

 

髪を高く結い上げ、華やかな衣装に身を包んだ社交界の女王。

 

…から一転、2幕後半は髪をおろし、装飾の少ないドレス。

ポリニャック伯夫人やオランプのドレスより質素だったかもしれません。

 

ですが、どの場面より美しく気高く、王妃の威厳と慈愛に満ちていました。

愛希さんも、有沙さんも。

 

王妃として、母として、妻として。

迷わず、己のあるべき姿を選択したアントワネット。

毅然とした姿は、神々しささえ感じました。

 

平民側の代表がロナン(龍真咲/礼真琴)なら、王室側代表はアントワネット。

 

ロナンとアントワネットは対峙する事はほぼなく、それぞれ別次元で生きています。

 

ロナンとアントワネットを繋ぐ存在が、オランプ。

可憐で芯の強いヒロインです。

2015月組版も、2023星組版も、それは一緒。

 

そして、ロナンと並び立つ主軸はアントワネット。

それも変わらず同じ。

大きな存在感を放つ、フランス王妃。

 

有沙瞳の集大成にふさわしいお役でした。

 

 

▽ 拍手…!

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村