2023年2月8日(水)OSK日本歌劇団『春のおどり2023』を観て参りました。
1幕45分、幕間20分、2幕45分…かな?
1部はミュージカル・アクト『レ・フェスティバル』
2部はショー『未来への扉~Go to the Future』
どちらも上島雪夫氏の作・演出・振付。
上島雪夫先生の名前がアナウンスされ、
「リョーマのお父ちゃん?!」
ミュージカル『テニスの王子様』で主人公・越前リョーマの父親役で出演されてた上島先生。
存在感があるダンサーであり、役者さんです。
見応えあり、あっという間の45分間×2幕。
中だるみなし、捨てるところなし。
上質なレビューでした。
1幕『レ・フェスティバル』はストーリー仕立ての歌と踊り。
本当に歌と踊りだけで、物語を見せて聴かせてくれます。
ミュージカルの基本形を観た気がしました。
フランソワ(舞美りら)とカロリーネ(千咲えみ)だったかな?
二人の姉妹がヒロイン。
OSKはトップ娘役が二人いるので。
宝塚に喩えると、舞美りらがこだま愛、千咲えみが音波みのり。
二人ともOGだから、この比喩はピンと来ないかもしれませんね。
現役生で喩えると、舞美りらが有沙瞳、千咲えみが水乃ゆり…かな?
舞美さんはオールマイティ、千咲さんは品よく愛らしい。
フランソワ(舞美)作曲の楽譜が風で散らばる。
…と、楽譜を拾って渡すハリウッド・スター楊琳。
スターといっても、スーツを品良く着こなした紳士。
古き佳き時代の銀幕スター感があふれています。
時代背景は20世紀初頭だったかと。
言葉(ナレーション)の説明は最少限。
でも、充分にストーリーはわかります。
いろーんな登場人物が次々出て来て、最後は全員カップルに。
…と思ったら、一人取り残されてる人がいる。
水兵姿の翼和希。
そうしたら、千咲えみも残ってましてね。
その二人で結ばれました。
城月れいの勝気美女がおもしろかった。
モンドリアンの絵画のようなワンピース姿でね。
男子を勢いよくビンタしたり、ナンパを蹴散らしたり。
宝塚で喩えると、男役の女装美人って感じ。
パンチが効いてます。
(城月さんは娘役)
出演者は32名。
もっと人数がいると思ってました。
45分間、切れ目なく舞台に誰かが現れ、ほぼ全員がノンストップに近い状態で踊りまくり。
耐久レースのようなミュージカルです。
2幕『未来への扉~Go to the Future』は更に畳み込むような場の連続。
特にストリートダンスの場が印象的。
センターで踊っていた方(どなたや?上級生さんですが)体重がないみたい。
空気に浮いてるみたいに見えました。
どの団員さんも軽やか。
絶対ハードな筈なのに、楽しそうに軽やかにステップを踏んでて。
歌も、いわゆる下手な人は目立たない。
上手な人と一緒に歌わせ、下手さ加減が目立たない。
ソロをとるメインキャストは歌上手が多いですしね。
翼和希、舞美りらなど。
そしてトップスター楊琳の歌唱力が安定していて。
トップさんになってからの成長曲線が止まらない。
包容力のある方ですが、舞台挨拶を聴くたび、
「このひと、性格ええんやろな」と感じます。
翼和希は2023年10月から始まるNHK朝ドラ『ブキウギ』出演決定。
笠置シヅ子をモデルにしたヒロイン(趣里)が入団する梅丸少女歌劇団(USK)
USK一期生にしてトップスター橘アオイ役に抜擢。
歌や踊りの場面もあるはず。
翼和希の歌とダンスを宝塚に喩えると、礼真琴または和希そら。
OSKは、私の大好きな漫画『舞妓さんちのまかないさん』(小山愛子/少年サンデー)にも登場。
たま~にですが、舞妓さんや芸妓さん達の推しとしてOSKが見え隠れ。
舞妓さんが『桜咲く国〜♪』と鼻唄うたいながら、ミニパラソルを開閉したり。
京都南座で公演しますものね、OSK。
今秋の南座公演も決定しました。
つる駒さん姉さん、はしゃいではるやろな~。
(マンガに出てくる先輩舞妓)
(おそらく楊琳ファンと推測)
話を春のおどりに戻すと、少ない人数で幅広い歌やダンスをこなしてました。
娘役の活躍が多いのも、OSKの特色。
宝塚は男役至上主義ですが、OSKは対等に近い。
舞台でも、トークショー的な場でも。
娘役だけのラインダンスは、唯城ありすがセンター。
表情豊かで元気ハツラツ、可愛かったです。
「OSKの舞空瞳」と勝手に呼んでる、キュートな唯城さん。
今回のロケットは『ENCHANTEMENT』ウッディ&マリンの星空美咲を彷彿としました。
椿りょう(OSKの暁千星)
天輝レオ(OSKの七海ひろき)
空良玲澄(OSKの桜木みなと)
…等々、若手~中堅の男役も活躍。
比喩で思いつく名前の星組率が高いですね。
(ありちゃんも星組生になったしね)
他にも見応えある団員さんが揃っています。
惜しむらくは、夏目せな君がいなかったこと。
残念なり…。
夏目くんは宝塚で喩えると、一之瀬航季かな?
ひまわり笑顔男子。
あと、柚咲ふうちゃんの退団。
これがショックでね…(涙)
ブルックリン・パーラーのスケジュール表に「柚咲ふうフェアウェル」の文字を発見しまして。
「えぇえ、ふうちゃん…辞めるの…?」
おっとり可愛らしい娘役さんなんです。
ショーに話を戻すと、男役群舞が『白鳥の湖』をかっこよくアレンジ。
さすが上島雪夫さん…!
気品あふれたロックテイスト。
振付、照明もかっこいいです。
数段ですが、階段もありましてね。
階段あると、やはりフォーメーションのカッコ良さ増し増し。
しかも、娘役が後半戦合流。
全員でデュエットダンス。
これが圧巻。
もちろん、ラストの締めは楊琳と舞美りら&千咲えみのトリプルダンス。
楊さん、両手に花。
パレードに羽根はありません。
楊さんだけ、肩に白黒のモフモフをつけてました。
充分ゴージャス。
いまだ新喜劇を抱えている松竹。
でも、おそらく客入りは振るわないはず…。
OSKに戻って来てもらって、上演作の幅を広げては?
…と思うんですけどね。
あかんのかな。
OSK春のおどり2023は、2/4(土)~2/12(日)まで大阪・松竹座で上演中。
土日のチケットもまだあるのでは?
興味のある方はお問合せを。
東京・新橋演舞場では2/24(金)~2/26(日)上演。
ちょうど宝塚音楽学校109期文化祭と同じ日程です。
それが何?って話ですが。
そうそう!
今年で松竹座が開場100周年なんですって。
昨年はOSK100周年でしたし、おめでたいこと続きですね。
100年続くとは…。
特にOSKは一度は解散したのに、団員たち自らの力で復活した経緯があります。
同じく松竹を母体にしたSKDは、一時は宝塚を凌ぐ人気を得ました。
そのSKDがひっそりと幕を閉じ、そろそろ30年…?
それを思うと、OSKや宝塚の生命力たるや。
団員(宝塚は生徒)そして、応援するファンの熱意のチカラかな。
OSKや宝塚がこの先、200年、300年と続きますように。
∇春のおどり2023