2022年10月13日(木)宝塚バウホールにて、花組バウワークショップ『殉情』を観劇しました。
谷崎潤一郎作『春琴抄』をベースにした『殉情』
帆純まひろ(99期)、一之瀬航季(100期)のW主演。
まず、帆純まひろバージョンの幕が開きました。
2022/10/13(木)~10/21(金)上演。
情報量多すぎて、あわあわしてます。
とりあえず、仕事を終わらせてきたよ…。
これから書くよ…!
ネタバレ含みますので、知りたくない方は読まない方が良いかもです。
★石田昌也(監修・脚本)
★竹田悠一郎(潤色・演出)
潤色・演出は竹田先生。
2021年1月、花組バウ・聖乃あすか主演『Prince of Roses』で演出家デビュー。
『殉情』は2作目になるのかな。
監修・脚本の石田昌也先生で遊ぶ余裕を見せました。
甘酒ポスターに石田先生の似顔絵が。
甘酒にキュン♡だそうですよ。
配信でもおそらく大写しになるはず。
竹田先生も出演者(希波らいと)に遊ばれてましたね。
らいと君曰く「初日だけ」だそうですが、2日目からもやってそう。
そういう遊びが許されるお稽古場だったんですね。
そんな風通しが良さそうな稽古場からの、本番。
目標に向かっての収束力を感じるカンパニーでした。
下級生に至るまで、カーテンコールで笑顔を見せてましたし。
石田先生、竹田先生が大らかに稽古場を引っ張ってらしたのかな。
良い意味で緊張感とゆるさが同居した舞台でした。
★帆純まひろ(99期・研10)
佐助
大阪・道修町の薬問屋「鵙屋」の丁稚
春琴に想いを寄せている
ほってぃ (帆純)…美しい。
どの角度、どの表情も美しかった。
目鼻立ちがくっきりしてるので、後方席からオペラ無しでも表情がわかりました。
所作がいちいち美しいんだ、また。
己の雑さを振り返り、見習おう…と思ったほど、一つ一つの動作が綺麗でした。
所作からも、主従関係や春琴への敬慕が伝わってきます。
驚いたのは歌唱力。
『CASANOVA』新公の歌=ほってぃの歌、で更新されてなかったけど。
本人比、めっちゃ成長したはります。
宝塚オリジナルソングなので、音域など考慮されてるとはいえ。
安定した歌声で、声量もたっぷり。
ロングブレスも聴かせてくれました。
CASANOVAを大幅に上書き保存。
帆純さん、努力しはったんやな…(しみじみ)
台詞の発声が、通常の本公演に比べて低く落ち着いてます。
普段の公演では、男役としては高い声の帆純さん。
佐助はイケボです。
ところどころ高めの声になりますが、概ね低めの穏やかなイケボ。
ふだんの公演もこの声で行こうよ、帆純さん。
「はい」という意味の「へえ」
この「へえ」が堪らない。
忠実な佐助が、思いの丈をこめる「へえ」
帆純まひろの「へえ」を目覚まし時計にして下さい。
帆純さんは痛みの演技も巧み。
歯痛を押し殺す佐助。
春琴の暴力に悶絶する佐助。
痛みが伝わってくるようで、観ていて辛かった。
痛めつけられるのが上手いって、明日海さんを思い出すなぁ。
私は、原作『春琴抄』に共感も感動もしかねます。
でも、帆純さんの佐助は観ていて、感極まりました。
ぐぐぐ…っ、ウルウル…でした。
一途で、真摯で、愚直で。
愚かさも貫けば、いっそ尊い。
ひたむきで純粋な、愛おしさが止まらない佐助でした。
★朝葉ことの(103期・研6)
春琴
8歳で失明した、薬問屋・鵙屋の次女
琴や三味線の師範になる
歌も演技も巧みな朝葉さん。
初ヒロインおめでとうございます。
素直になれないけれど、佐助を想ういじらしさ。
意地っ張りで、(成人しても)幼い春琴。
歌唱力、演技力ともに高値安定。
舞台技術が高い生徒が多い気がする103期。
職人の期かもしれぬ。
怒った時の口元がちょっと気になりました。
プッとふくれた表情になります。
春琴は子供っぽく、ワガママです。
…が、美貌の誉れ高く、プライドも高い女性。
見た目は大人を装いそうな気もします。
怒った声もキンキン。
癇癪もちだから、それで良いのかもしれません。
…ですが、美女イメージを損なわない怒り声もありそうな気がします。
上手いから、今のままでもノープロブレムです。
ただ、出来る人だから、さらに春琴を深めていけると感じました。
∇求め過ぎて、ごめんね