2022年5月18日(水)
月組『ブエノスアイレスの風』
主演:暁千星(98期・研11)
ヒロイン:天紫珠李(101期・研8)
大阪シアタードラマシティ初日
2022年5月19日(木)
雪組『夢介千両みやげ』新人公演
主演:縣千(101期・研8)
ヒロイン:華純沙那(106期・研3)
本役:彩風咲奈(93期・研16)、朝月希和(96期・研13)
東京宝塚劇場(配信)
…を二日連続で観劇(夢介は配信視聴)しました。
感想を書き切れてない。
これから書きます。
まず、2022年5月18日(水)大阪初日
月組『ブエノスアイレスの風』から。
観劇前の予想より、見応えがありました。
劇中のタンゴ比率が高く、ダンサーをかっこよく魅せる作品ですね。
そして、スーツ物でもあります。
本作はすらりとした男役が揃っているので、皆さん似合う。
スーツ、いい…!
★暁千星(98期・研11)
特赦で放免された政治犯・ニコラス役。
東上公演の初主演、おめでとうございます。
ありちゃん(暁)ごっつ男前でした。
前から、あんなにカッコ良かったっけ?
ニコラスはシャープでクール。
温かくて優しい。
ほんのり鈍い(そこが良い)
浅黒い肌もいい感じ。
顔の輪郭もシュッとしてました。
ニコラスはダンスに関して素人だったので、最初はぎこちなく。
でも、すぐ上達していきます。
劇中劇ならぬ、劇中タンゴの見応えたるや。
見入ってしまいました。
それに加えて…
大人の男の包容力と色香が匂い立っていました。
そりゃあ、リリアナ(花妃舞音 106期・研3)も惚れるさ。
イザベラ(天紫珠李)は言うまでもなく。
「一皮むけた」というけど、まさに脱皮。
大蛇丸なだけに。(ロマンス劇場より)
それから、歌唱力が爆上がりしてます、暁さん。
低音が響くぅぅぅ……!!
艶っぽさと安定感のある歌声。
気安く「ありちゃん」と呼ぶのが憚られます。
(呼んでるけど)
このまま更に深化を遂げたら、尾骶骨直下型の美声に成長しそうです。
本作を最後に、月組から星組へ組替予定。
つくづく、しみじみ、惜しまれます…。
(立ち位置:月組ホーム)
★天紫珠李(101期・研8)
タンゴ酒場の花形ダンサー・イザベラ役
暁千星と天紫珠李は長身コンビ。
迫力のタンゴが展開されました。
暁と並ぶと、大人のカップル感があふれてきます。
台詞は滑舌良く、落ち着いた声で聴き取りやすし。
東上公演ヒロインは二度目…との認識でOK?
初回は轟悠主演『チェ・ゲバラ』でした。
フィナーレの3組デュエット・タンゴは暁千星と組まず。
劇中でたくさん組んで踊るからでしょうか。
★風間柚乃(100期・研9)
銀行強盗を企てるリカルド役
ニコラス(暁)の友人
おだちん(風間)はコメディセンスが高い。
『出島小宇宙戦争』の時から、感じてきました。
下手すればスベりかねない場でも、間違いなく笑いをとる風間くん。
しかも、本人わりと真剣。
決して笑いを取ろうとしていないんですね、役的にも、おそらく風間的にも。
なのに、おかしみを出せる風間くん。
何者?!
高度な技(お笑い担当)を繰り広げる風間くん。
月組の将来は明るい…!
(笑いは大事。ほんま大事)
妹リリアナ(花妃舞音)を溺愛するリカルド。
そのわりに妹を人質にして、ヤクザから融資を受けたり。
めちゃくちゃです、風間さん。(役名で呼べ)
★彩海せら(102期・研7)
ダメ男っぷりが激しいマルセーロ役。
…え?
小林豊がなぜここにいるの??
…と思わずにいられなかった、母に反抗しまくるマルセーロ。
雪組『CITY HUNTER』に出てくる小林少年を彷彿と。
小林豊は25歳の設定だから、少年ではないけれど。
ニコラス(暁)にボコられますが、巧い。
蹴られるのも、殴られるのも、めちゃ上手い。
ありちゃんは蹴るふりしてるだけ。
むしろ、ぶつからぬよう空間をしっかり空けて蹴ってました。
あみちゃんはタイミングを合わせ、全身を震わせて蹴られてる感を演出。
フィナーレの3組によるデュエット・タンゴでは、天紫珠李と組んでます。
あみちゃん(彩海)は小柄な印象がありますが、男(役)でした。
娘役と並ぶと、男役なんだなぁ…と感慨深かったです。
雪組からやってきた彩海くん。
芝居の月組と、芝居巧者の彩海くんは好相性。
おいでませ、月組へ♡
★礼華はる(101期・研8)
警察のお偉いさん・ビセンテ役
エバ(羽音みか)の婚約者
礼華くんが口髭をつけてる。
おぉ、新鮮…!
台詞の発声を低く、重々しくしようと試みていました。
大人の男性役ですものね。
慣れぬ役に努力している感が伝わってきました。
★羽音みか(103期・研6)
ニコラス(暁)の恋人だったエバ役
今はビセンテ(礼華)の婚約者
なんと大きな役がつきました。
羽音さん、おめでとうございます。
103期文化祭の演劇ヒロインだった羽音さん。
(もう一人は夢白あや)
発声良し、滑舌良し。
娘役としては高身長ですが、暁さんや礼華くんと並ぶとお似合い。
フィナーレの3組デュエット・タンゴでは、礼華くんとペア。
華麗な足さばきを見せてくれました。
★花妃舞音(106期・研3)
リカルド(風間)の妹・リリアナ役
小柄でおぼこくて、素で妹キャラ。
リカルド(風間)とのやり取りは、じゃれ合う仔猫のよう。
兄の資金調達のため担保になる場でも、兄への信頼感はゆるぎなく。
イザベラ(天紫)と良い雰囲気のニコラス(暁)を見て、へそを曲げたり。
恋スル乙女・リリアナ。
惜しむらくは声。
可愛い妹キャラとしてはアニメ声も許容範囲かと思います。
ただ、物語がシリアスになるにつれ、浮きますね…アニメ声は。
課題…といっても、声質は変えられませんものね。
作品や役柄によっては、個性としてハマるかもしれません。
フィナーレの3組デュエット・タンゴではお兄ちゃん(風間柚乃)と共に。
★晴音アキ(95期・研14)
マルセーロ彩海の母・フローラ役
お芝居の冒頭とエピローグは、歌が流れます。
晴音さんの聴かせどころ。
月組は「歌える娘役」の宝庫ですね。
落ち着きと母性あふれる芝居でも見せてくれます。
★フィナーレ
3組のデュエット・タンゴ。
まず、風間柚乃&花妃舞音にスポットが。
次いで、礼華はる&羽音みか。
さらに、彩海せら&天紫珠李。
ヒロインは暁千星と踊るものだとばかり。
最後に少し、暁さんと天紫さんで踊ったかな。
でもま、本編でたくさん踊ってるんでね。
彩海&天紫は新鮮でした。
月組でも101期生と組む彩海さん。
…いえ、組むの意味が違いますけどね?
雪組で組んでたのは男役同士でしたし。
縣千(101期)と漫才コンビ…じゃなくてMCを。
折れ線グラフ。(←コンビ名)
ダンスもありましたね。(←Fire Fever!の若手の場)
暁さんに話を戻しますと。
ソロダンスを踊り切った暁千星。
ここからの形が新しい。
舞台に残ったありちゃんの元へ、月組生たちが次々とやって来る。
波状攻撃を迎え撃つありちゃんスマイル♡
ありちゃんが皆のホームという雰囲気。
胸がじんわり熱くなりました。
★カーテンコール
2~3回目だったか?…のカテコでは、暁さんだけ走り出てきて、誰も来ない。
舞台上に一人で立つ暁さん。
暁「東京でも2回やられました。誰も出てこないの」
暁「いい加減、慣れろよって話ですね」
セルフツッコミを入れる暁千星。
大人になったなぁ…!
★ゆくあり、くるあみ
暁「私はこの作品が、月組生として最後の公演です」
暁「皆様に観て頂きたい気持ちと、終わってほしくない気持ちがあります」
神妙な面持ちでうなずく月組生たち。
暁さんの背後に佇む風間くん、瞳を潤ませつつ、堪えていました。
暁「そして、あみちゃん」
下手側に立つ彩海くんへ笑いかける暁さん。
彩海くんも嬉しそうに笑顔でアイコンタクト。
暁「この作品から月組生になりました」
暁「お稽古場でも、すっかり馴染んでます」
(星組へ)ゆくあり
(月組へ)くるあみ
馴染んだ古巣から離れることは、不安も大きいことでしょう。
組替は大いなるプレッシャーだと、経験者がよく話しています。
そして、己にとって良い経験になった、とも。
ありちゃん(暁)
あみちゃん(彩海)
お二人にとって組替経験が血肉となり、穏やかな気持ちで振り返れる日が来ますように。
★晴れ男
暁「昨日はお天気もあまり良くなくて、寒かったのに」
そうです、5/17(火)の近畿は肌寒かった。
暁「今日はお天気が良くて」
そうそう、汗ばむほどの好天。
東京の初日と千秋楽も晴天だったそうな。
暁「天気に祝福されてるみたいです♡」
初日はピーカン!
よっ、晴れ男役!!
暁「晴れてる…といっても、少し暗くなってるかもしれませんね」
暁「足元にお気をつけてお帰り下さい」
ありがとう、ありちゃん♡
終演は18時前、まだ柔らかな陽光が降り注いでいました。
夏至が近づいてるんですね。
∇ゆくあり、くるあみ