今日は2019年10月10日。
10月10日といえば、昔は「体育の日」でした。

1964年(昭和39年)東京オリンピック開会式が10月10日。
以来、体育の日として祝日に。
10月は台風も発生する気の抜けない時季ですが、なぜか10日は晴天の確率が高いそうです。

さて、毎月10日はVISAメッセージの日。
今月分を含め、「明日海りお発信VISAメッセージ」を読めるのも、あと2回。
大切に読み進めたいと思います。

------------------------------

このメッセージがアップされるころには、花組『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』『シャルム!』の大劇場公演も閉幕しています。ご観劇いただいた皆様、ありがとうございました。 

温かい拍手をいただき、銀橋を通った時に泣いているお客様の姿を見かけると、最後だと感じながら観てくださっているんだろうなと伝わってきます。
ですが私自身は、大劇場公演のあとには東京公演もありますし、さよならショーのお稽古を控えたいま(※9/17寄稿)、退団の実感があるようでないという感じで、まだまだ続いていくような気持ちで舞台に立っています。
そればかり考えると寂しくなってしまうということもありますが、冷静に1回1回の舞台に集中したいという気持ちのほうが強いです。

---------------------------------
*SIESTA*
さすがプロフェショナル。
己の感慨より、舞台のクオリティを重視する姿勢。
とっても明日海さんらしい。
---------------------------------

ただ、ときどきこれが最後なんだと、実感することがあります。みんなとメイク道具の話をしたりしている時に、ああ、次はもうやらないんだなと思ったり……。
観に来てくれた下級生から、「観られるのが今日で最後なんです」と言われたときに、そうか、もうやらないんだ、と。
そういう時に、意識しますね。 

---------------------------------
*SIESTA*
数年前、久々に宝塚を観たとき、舞台化粧の技術の進化に驚きました。
単純に昔と比べられませんが、本当にね、いろいろ工夫されているのだろうなぁ…と。
メイクについて情報交換したり、コツを教え合ったりしてるんでしょうね。
特に明日海さんはメイクがとてもお上手ですから。
他組の下級生さんのお言葉、沁みます…。
私は「あと何回」と観劇回数を意図的にカウントしませんでした。
ただ、毎回「これが最後」という意気込みで観ていました。
---------------------------------

『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』で演じる薔薇の精・エリュは、物語のなかで気持ちが変化していきます。
一番大きいのは、精霊は人間より優れた存在だと思ってきたけれど、れいちゃん(柚香光)演じるハーヴィーなど、現実と戦う人間たちとふれ合い、人と人とが支え合って生きていることを知り、おごっていたのは人間ではなく自分だ、と。
自然を守る精霊の本来の役目に戻ろうと考えるようになります。
そして人間たちも、自然と人がお互いに支え合って生きていることに気付いていくことで、エリュ自身も心が動いていく。
人間との関わりのなかで成長していくことが、エリュを作るうえでとても大切なことかなと感じます。

---------------------------------
*SIESTA* 
「己の本来の役目に戻る」
これは、一つの大きなテーマですね。
植田景子先生の作品には、それがオリジナルであれ、潤色であれ、
「己の務め」「仕事」「役割」がテーマの一つとして貫かれているように思います。
---------------------------------

それと共に、はなちゃん(華優希)演じるシャーロットに対する気持ちも、エリュの大きな核。
シャーロットのことをずっと考え、見守っていますが、対面してお芝居するシーンは意外に少ないんです。
ですので、その間も気持ちを絶やさずに持ち続けているのがすごく大事だと思っています。

---------------------------------
*SIESTA* 
そうなんですよ。
シャーロット(華優希)とエリュ(明日海りお)が共にいる場は、トータルでわずか数分。
それでも、深く鮮やかに印象に残っています。
---------------------------------

そしてエリュは、シャーロットが辿る人生、ハーヴィーの変化、ことの成り行きを見守っているところが大きいので、舞台に立ってから特に、一緒にお芝居をする相手の微妙な変化によって日々湧き出る感情が少しずつ変わっていく感覚があります。 

---------------------------------
*SIESTA* 
そう、主役でありながら、傍観者。
ストーリーテラーではないけれど、見守るスタンス。
人間ではない事も含め、特殊で難しい役柄・役割だと思います。
退団公演で、まさかの新たな挑戦。
明日海さんの宝塚人生を凝縮したような設定とも言えるかもしれません。
今回も果敢に挑まれています。
---------------------------------

はなちゃんとのお芝居は、その回ごとに感情が湧き上がるタイミングが微妙に違ったりと、お芝居は生ものなのだと再認識することが多いです。
役にちゃんと身を委ねて気持ちをすごく動かしてくれるので、私も思いっきりその日のお芝居に身を委ね、毎回素直に演じています。
そして何十年も経ったあとにシャーロットと再会するシーンでは、はなちゃんの一言一言に真実味があって、その長い時の流れを一瞬にして感じることができ、2人の思いがあふれる感覚がありますね。 

----------------------------------
*SIESTA* 
華ちゃんとのお芝居は、初日から千秋楽まで、日毎に変化していきました。
観ている側からもハッキリわかりましたよ、明日海さん。
明日海さんの感情が揺れ、溢れ、迸る様子が。
それは華ちゃんも同じく。
特に晩年のシャーロットとエリュの再会シーン。
静かな場面ですが、回を重ねるごとに感情の洪水状態…。
気持ちが水ならば、まるで黒部ダムの放水状態。
長い長い時間、堰き止められてきた気持ちが一気に噴出し、繋がる。
そんな場面です。
ほんの数分…おそらく2~3分あるかないかでしょう。
そうとは思えない濃密な時間感覚でした。 
---------------------------------

ハーヴィーは、忙しい日常にとらわれて仕事をしていたところから、かつて抱いていた草や花を愛する気持ちを徐々に取り戻していく。
そういう彼をエリュは冷静に見ていますが、ハーヴィーが庭に再び薔薇を咲かせたいと心から思ってくれたことをうれしく感じたり、成長を感じて頼もしく思います。
エリュはプライドが高くてすぐに素直になれないのですが、2人の距離が少しずつ縮まっていく過程を日々繊細に描きたいと、れいちゃんとも話し合いながら結構緻密に作っています。
デュエットする「ディアフレンド」という曲も、大げさな表現ではないですが、2人の心が通い合ったことを感じながら歌っています。 

---------------------------------
*SIESTA*  
れいちゃん(柚香光)のお芝居も良かったです。
どちらかといえば流される設定ですが、懸命に生きる青年のひたむきさ、芯の強さが伝わってきました。
庭師のニック(水美舞斗)とフローレンス(城妃美伶)が『ディア・フレンド』を歌う場では、エリュがハーヴィーを見つめ、数歩近づきます。
その気配にハーヴィーが気づき、見つめ返すと、視線を外すエリュ。
さりげないけれど、相手を好ましく感じ、気持ちが繋がり合ったことを示す素敵なシーン。
そこも、明日海さんと柚香さんで相談したのかな?
---------------------------------

お客様のなかには、やるべき仕事に追われて忙しく過ごされている方も多いと思います。
そんななかで、ひととき、人と人との関わりの大切さ、時の大切さ、過ぎ去ってしまうからこそ一瞬一瞬を愛おしく思う気持ちを感じていただけたらうれしいです。 

---------------------------------
*SIESTA* 
おそらく多くの観客が「もう一人のハーヴィー」である事でしょう。
必死で働き、必死で生きている。
この「働く」は、家族のために家事や育児や介護にいそしむことも含まれます。
それぞれの役割を務めている、「もう一人のハーヴィー」に目には見えないけれど、エリュ(明日海りお)は寄り添ってくれている…んですよね、明日海さん?
---------------------------------

『シャルム!』は、優しくしっとりした『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』のお芝居から、ガラッとイメージを変えてお楽しみいただければと思っています。
まずはプロローグから、曲調やお衣裳の色合いもアダルトでゴージャスな感じなので、一気にお客様を引き込みたい、と。
私自身もテンションが上がりますし、後半に行けば行くほど硬派で正調な感じになっていくので、プロローグではアグレッシブな雰囲気を意識しています。 

---------------------------------
*SIESTA* 
パリの地下都市が舞台。
出入り口はマンホール。
だから、天井に大きなマンホールの蓋が吊ってあるんですね。
二階席からは分かりにくいけれど、一階席に座れた時はぜひご覧ください。
シュールです。
明日海さんが登場したらそれどころじゃないから、地下都市に到着したらすぐチェックする事をオススメします。
---------------------------------

プロローグのあとはスーツにハット帽での男役の群舞。
シンプルなものこそ、体の使い方、間の取り方、自分のイメージするものを表現する力が必要になるので、しっかり責任を感じて美しく踊りたいなと思っています。

---------------------------------
*SIESTA* 
死ぬほど好きな場面です。
ずっとずっと観ていたい…!
音楽も、振付も、空気感も、とてもとても素敵です。
明日海さんはじめ、花男の真髄を見せつけてくれます。
---------------------------------

中詰めの軍服は、クラシカルで華やかな、いかにも宝塚のレビューというシーン。
マントを肩から掛けていて動きが制限されることに、最初はなかなか慣れなくて……。
そういうなかで男役の気品や色気を出さないといけないのが、とても難しい。
でも最後の公演で難しいなと思えることに出合えて幸せです。
白い衣裳で踊る「La Mer 光」は、組の全員が同じ場面に出ていて一緒に作れることが、まずとてもうれしいです。
組長のさおたさん(高翔みず希)から始まり、学年ごとに踊り、全員が輪になって走る場面や、V字に一列に並んだりと、いかにも退団公演の場面という感じ。
稲葉太地先生が書いてくださった歌詞が自分にリンクする部分もあり、「いま咲き誇ろう」という最後の歌詞のように、本当にみんなの笑顔の花が咲いている感じがします。 

---------------------------------
*SIESTA* 
 「La Mer 」 はフランス語で「海」
地下に海?
「海」は明日海さんを象徴しているに相違ありません。
明日海さん自身が光を放つ存在だ…という意味でしょう。
稲葉先生の愛を感じるタイトルです。
---------------------------------

リクエストした娘役さんとのフィナーレナンバーでも、全員と少しずつ絡むシーンがあり、可憐に寄り添ってくれるので踊っていて楽しいです。
曲調も軽快なスウィングなので、皆様には軽やかな気分になっていただけるかな、と。
はなちゃんとのデュエットでは、会話が聞こえてきそうな振付になっているので、楽しんでご覧いただけたらと思います。

---------------------------------
*SIESTA* 
娘役さんに囲まれての群舞は、リアル・カサノヴァでした。
華ちゃんとのデュエットダンスはごく短いのですが、とっても可憐で、物語を観ているよう。
明日海さんも華ちゃんも表情豊かで、お二人の物語をもっともっと観ていたい、と思わずにいられません。  
---------------------------------

そして最後は、黒エンビでの男役の群舞。
シンプルな黒エンビを身に纏うのですが、男役の制服ともいわれるので、身が引き締まります。
気持ちをまた1つ切り替えて舞台に出ていく、とても大切なシーンです。

---------------------------------
*SIESTA* 
とても短く感じる黒燕尾。
まばたきするのも惜しい。
---------------------------------

お芝居でもショーでも、相手から感じるものをしっかり受けとめ、曲からの感覚も大切にしたいです。
そしてその日のお客様の雰囲気を新鮮に感じて表現したいと思っています。
退団公演ということを意識し過ぎたくはないですが、やはり悔いが残らないように、より進化して、全てを納得できるクオリティに仕上げられるように努力していきたいと思います。
皆様、千秋楽まで、どうぞよろしくお願いいたします。 

---------------------------------
*SIESTA* 
こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します。
このまま時を止めてくれてもいいんですよ…?
---------------------------------

先日、月組 梅田芸術劇場公演『ON THE TOWN(オン・ザ・タウン)』を観劇しました。そのお話も少し……。
この作品はブロードウェイ・ミュージカルなのですが、これぞミュージカルという感じのナンバーがたくさんあって、演者のエネルギーと集中力のたくましさを感じる舞台でした。
とても楽しかったです!
りょうちゃん(珠城りょう)も役に合っていましたし、さくらちゃん(美園さくら)も素敵でした。
月組に組替えしたちなつ(鳳月杏)も役にぴったりで、フィナーレナンバーも花組らしい雰囲気を残しつつ、生き生きと表現している姿に感動しました。
またこの作品は、さちか(白雪さち花)や、るね(夢奈瑠音)、くらげちゃん(海乃 美月)の役替わり公演でした。
残念ながら1パターンしか観られなかったのですが、下級生まで役者がそろっていて、芝居の月組は健在だなと感じてうれしくなりました。 

---------------------------------
*SIESTA* 
可愛い弟たち(珠城りょう、鳳月杏)の舞台をご覧になられた明日海さん。
私も大好きな舞台です、月組『ON THE TOWN』
ちなつさんは花男の濃厚な色香を放出してましたね、たしかに。
花も水も滴るいい男っぷりでした。
明日海さんもそうですよ~~立派な花男ですよ~~~。
---------------------------------

●フィッシュ&チップスorローストビーフ

どちらもロンドンの名物料理ですね。フィッシュ&チップスもいいですが、いまどちらを食べますか?と聞かれたら、ローストビーフかな……。公演中なので、体力が付く料理をと思うのかもしれませんが(笑)。フィッシュ&チップスは揚げてあるしな、と。焼き肉屋さんなどでお肉をいただく時でも、レアでも全然大丈夫です。以前、声楽の先生から生肉が喉にいいと聞いたことがありまして。生肉とタマネギとか、馬肉などもいい、と。根拠は忘れてしまったのですが(笑)、そういうイメージがあります。 

or森?

うーん、これはやっぱり海かな。いま『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』で薔薇の精を演じていて、森に棲んでいるので森と言いたいのはやまやまなんですが……そこは譲れない(笑)。海に面した静岡育ちとして、海には思い入れも憧れもありますので、昔から大好きです。最近はゆっくり眺めることもあまりないのですが、以前写真集の撮影で行った沖縄の宮古島もすごくきれいでしたし、あとはなんと言っても大好きなハワイ。海が本当にきれいで癒やされます。皆様はどちら派でしょうか? 

---------------------------------
*SIESTA* 
私は肉も魚もイモも大好きです。
大抵の食べ物は好きです。
苦手な食材はあまり思い浮かびません。
敢えていえば、納豆は進んでは食べませんが、食べられます。
大豆は好きだし、味付けを工夫して美味しく頂いています。
海と森なら、森かなぁ。
フィトンチッドに癒されたい。
緑に囲まれていると、落ち着きます。
---------------------------------

▽数えない、数えない。カウントダウンしたくない。
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村