2019年2月26日(火)宝塚大劇場にて、花組新人公演『CASANOVA』観劇感想です。

99期生の帆純まひろ新公初主演。
帆純くん、おめでとうございます!

99期生の男役では初めての新公主演。
100期生(聖乃あすか、風間柚乃、極美慎)、101期生(鷹翔千空、縣千)が新公主演を果たしていく中で、ついに…!

帆純くんは前作『Messiah』新公では、悪徳大名(本役・鳳月杏)を熱演。
着実に力を蓄えてきました。

相手役は、次期トップ娘役就任が決まった華優希。
まだ新公学年ですが、実質的にこれが最後の新公のようなものでしょう。

それでは、サクッと感想まいります。


★演出(新人公演担当)
指田珠子先生

雪組『ひかりふる路』に続き、生田大和先生のオリジナル作品の新公を担当。
2幕物(2時間半)の作品を、約3分の2に凝縮。
ダイジェスト版のわりに、密度が濃い印象。
切るところは思い切り良く削除し、見せるところはなるべく本公演に忠実に。
場面の繋ぎ方も、自然でスムーズ。
残す場面の選択は、本筋の理解に必要な箇所に加え、トキメキポイントなど、ツボを押さえていました。
勘所を掴んだ指田先生の新公演出を拝見するたび、オリジナル作品デビューに期待が高まります。

…ところで、開演アナウンスで知りました。
たまこではなく、『しゅこ』先生なんですね。
紀子と書いて『きこ』と読ませる川島家のネーミングセンスと似たものを感じます。


★ジャコモ・カサノヴァ
帆純まひろ(99期・研6)
本役:明日海りお(89期・研16)

カサノヴァ役、似合っていました。
ビジュアルは文句なし。
美しく、カッコイイ。
金髪で独特のカサノヴァ・ヘアも似合います。
爽やか好青年風になりがちなのは、帆純君の持ち味ゆえでしょう。

課題は、発声と歌唱でしょうか。
男役の発声は、学年的にもまだ研鑽中だと思います。
台詞の発声は研究すれば、よりシャープになりそう。
歌唱は体幹を鍛えれば、かなり安定していくと思います。

…と理屈を並べたけど、そんなのどうでも良いと思えるほど、帆純くんの主演が嬉しかった。
秘かに念願でした。

主演挨拶は、目を潤ませながら。
泣き崩れることなく、時折、呼吸をおいて、丹念に言葉を選ぶ帆純くん。
真心のこもったご挨拶でした。

花組99期の歌姫・若草萌香が、長の期代表としてご挨拶。
萌香ちゃんらしく、ふんわり穏やかながら、しっかりしたご挨拶。

「それでは、主演の帆純まひろからご挨拶を差し上げます」

萌香ちゃんが下がり、まひろ君が前へ進み、入れ替わり。
観客へ向かって、観劇への礼を述べてから、

「明日海さんのお役をさせて頂くことが、本当に嬉しくて、ありがたくて…」

今回の主演を、とてもとても貴重に感じている様子がひしひしと感じられました。

「長の期の年に、初めて頂けたチャンス」

「あと一回、東京の新人公演でカサノヴァを演じる事ができる」

「明日からと言わず、今すぐにでもお稽古を始めたい」

今すぐにでも稽古をしたい。
そう口にした帆純君の表情は真剣でした。

「カサノヴァを演じるプレッシャーで悪夢にうなされた」とも。

時折 話を止め、虚空をみつめ、丹念に言葉を紡ぎ直す帆純くん。

そんな帆純くんの背中を、新公学年の花組生たちが目を潤ませながら、真剣な表情で見守っていました。 

「私達の拙い舞台を、最後まで見守って下さって、本当にありがとうございました」

荒削りで不慣れな中、不器用でひたむきな姿に、胸が熱くなりました。


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