月組『エリザベート』は本日2018年9月1日(土)より、皇太子ルドルフが交替。

暁千星から、風間柚乃にバトンタッチ。

2幕冒頭で、ルキーニ(月城かなと)はボーダーシャツを着た二人組に話しかけてました。

「おや、そこのボーダー着てるお姉さん達、知ってた? 今日、この回から役替わりなんだよ!」

そこはボーダー繋がりで「お揃いだね」と言ってあげなよ〜?…と思いつつ、タイムリーなツッコミでした、れいこさん。

では、キャスト別感想をば。

★皇太子ルドルフ(風間柚乃/100
期・研5)

期待の新星・風間柚乃。
男役としてはやや小柄ながら、骨太さを感じさせる正統派路線の男役。

風間ルドルフは緊張してました。
色々と動きが固かった事は否めません。

暁ルドルフの動きは対照的に、滑らかすぎるほどでしたしね。
さすがダンサー・ありちゃん。

全体的に絡みやダンスは、ギクシャクした印象を受けました。

…ですが、ルドルフとしては決してマイナスではありませんでした。

逼迫した情勢に対するルドルフの緊迫感とあいまって、役と融合していったかな。

珠城トートとの『闇が広がる』も、ぎこちなかった。

それも見方によれば、「トートを畏れる気持ちの表れ」とも取れる。

初回だけのガッチガチ版ルドルフだろうと思います。
ある意味、貴重。

演技としては、見応えがありました。

珠城トートとの『闇が広がる』は、ルドルフの心情変化がドラマティック。

暁千星もドラマを見せてくれました。
でも、全然違うんです、表現が。
暁ルドルフと風間ルドルフ。

風間ルドルフは最初、トートに対して、実にわかりやすく怖れを抱くんですね。
腰はひけてるわ、表情にも「誰や、この人?!」という警戒心あらわ。

ですが、トートが国家を憂える視点に矛先を向けるや、俄然「我慢できない!!」といきり立つ。

正義感に燃え、社会的な責任感を背負っているルドルフ。

『闇が広がる』を歌い終わった時、覚悟が決まった顔つきでした。

この後、クーデターを失敗し、父である皇帝から廃嫡を匂わされ、エリザベートに助けを求めるも、拒絶されます。

この時、「頼むだけ頼んでみたけど、やはり無理か」という心の声が聴こえてきそうな。

覚悟を決めた時点で、「ジタバタしても仕方がない」と肚を括って臨んだのかな。
そう感じさせるルドルフでした。

暁ルドルフは理想を語り、シシィを説得しようと働きかけます。

頭脳明晰で、どこか夢見がちで、シシィと似ていて…。
それが故に、シシィの拒絶に深く傷ついたのかな…と思わせる、暁ルドルフ。

風間ルドルフもシシィに働きかけますが、暁ルドルフほど期待していないような…。

こちらも頭が良く、理想を高く掲げるも、シシィとは異なるタイプに見えます。

風間ルドルフは、より現実的な印象。

風間ルドルフは練れて来たら、また印象が変わりそう。

『カンパニー』新人公演の時も思ったんですが、顔立ちは端正ながら、武骨で朴訥な味わいがある風間くん。
そこに、古き佳き男臭さを感じます。

そう、風間柚乃は、漢(男)でした。


傷つきやすく悩めるルドルフを繊細に表現した、暁千星。

揺るぎない意志を貫くルドルフを演じる、風間柚乃。

同じ役を演じ、こんなにも印象が分かれるなんて、実に興味深い。
(湯川先生か?!←東野圭吾『探偵ガリレオ』シリーズより)

※ 暁千星のルドルフについては、「月組『エリザベート』キャスト別感想③」に詳述しています。


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