1月23日(火)花組『ポーの一族』新人公演を観てまいりました

本公演キャストがハマり過ぎている本作、なるべく比較せずに感想を述べたいと思っています。

ネタバレしながら語りますゆえ、「まだ知りたくない」という方は、お読みにならないで下さいね。


★メリーベル(舞空瞳/102期・研2)

本役:華優希
エドガーの妹で、バンバネラに。
原作では、実質的ヒロイン。
宝塚版でも、主要な位置を占めています。

舞空さんのメリーベルも、愛らしいメリーベルでした。
歌う場面が少なくて残念でしたが、お芝居ではしっかりメリーベル。

本役さんの演技を、忠実にトレースしていました。
他の出演者は基本はトレースしつつ、各自のアレンジも加えていますが、瞳ちゃんはほぼ華優希と同じ演技構成。
表情、振り向く角度やタイミングまで、ほぼ本役をなぞっていました。
実力派とみなされ、抜擢も受け、自分のセオリーに自信を持ちそうなものなのに。

まだ研2の瞳ちゃん。
これは私の想像ですが、本役さん…ひいては小池修一郎先生の演技指導に対するリスペクトを込めての忠実トレースでしょうか。
そうだとしたら、謙虚な心掛けですね。

瞳ちゃんは背丈に比して、お顔が驚くほど小さい。
(華メリーベル・サイズのネグリジェから、くるぶしが覗いてました)
現代では、小顔は武器です。
160㎝台ですが、頭身バランスは9頭身…もしや、まさかの10頭身?

ただ、ここは宝塚。
誰かと組んだ場合、相手役とのバランスを考慮する必要があります
飛び抜けた小顔は、頭身バランスの関係上、相手の顔を大きく見せるかもしれません。
長身・大柄・骨格しっかり系統の男役なら、あまりその心配はないかもしれませんが。


★ポーツネル男爵(綺城ひか理/97期・研7)

本役:瀬戸かずや
ダンディで頼もしく、妻子を力強く守ろうとしてくれます。
誰より大切なのは、シーラだと感じさせる一途な男性でもあります

大柄で押し出しが良い。綺城さん。
ポーツネル男爵、似合っていました。
エドガーやメリーベルとの体格差も、大人と少年少女に見えますね


★ジャン・クリフォード(亜蓮冬馬/99期・研5)

本役:鳳月杏
仕事もできて、恩師の覚えもめでたい、若くてハンサムなエリート医師。
女性が放っておく訳もなく、彼も釣れた魚は美味しくいただく主義
(ごめんなさい、この役については、本役との比較ネタになります

長身でスラリとした亜蓮くん、本役の衣装を着こなせてます。
胴体がやたら短く、脚がやたら長い、日本人離れした体形のちなつさんの衣装を。
亜蓮くんも日本人離れしてますね、そういえば。

亜蓮くんのクリフォードは、チャラくて軽い。
鳳月クリフォードは、恩師(カスター医師。ジェインの父親)の目を欺きそう。
対して、見るからにチャラい亜蓮クリフォード。
カスター医師が、よくジェインとの結婚を許してくれたなぁ…と。
可愛い娘の恋心にほだされたのでしょうか、お父様。


★バイク・ブラウン(帆純まひろ/99期・研5)

本役:水美舞斗
クリフォード医師の大学の同窓生にして、出版社勤務。
バンパネラと遭遇した経験を著述・出版し、後世に残しました。

本役を忠実に再現する努力をした人・その2。
それは、帆純まひろ。

髪型・メイクなど、近代のマイク・ブラウン4世(水美二役)も含め、マイティに寄せまくり。
しかも、以前より痩せたような…?
マイティも、帆純くんも、銀縁メガネが似合いますね。
知的な男前度、さらにアップ!
陽の気を発する明るい雰囲気、軽快な動きなど、本役の魅力を踏襲

課題は歌唱ですが、そこさえクリアしたら、大化けしそう。
本公演では、様々な場で少年や学生を演じている帆純くん。
コベントガーデンでのジャグリングは凄いなぁ…!と見入っています。


★ジェイン(春妃うらら/97期・研7)

本役:桜咲彩花
カスター医師の娘、クリフォード医師の婚約者。

清楚で控えめなジェイン。
春妃ジェインは、本役さんの温かみある、柔らかな空気ごと引き継いでいます。
桜咲ジェインも、春妃ジェインも、お嫁さんにしたい№1と№2を独占しそう。
うららちゃんを見ると、若紫(新源氏物語/2016年)を連想します。
あの幼かった若紫が、結婚するなんて…(作品違います)


★マダム・ブラヴァツキー(若草萌香/99期・研5)

本役・芽吹幸奈
著名な降霊術師で、大老ポーの召喚に成功。

本人はまさか人ならぬものを、その身に降ろしたとは知らず、青色吐息に。
もしや、大老ポーは黄泉からでもエナジーを吸い取れるのかしら?
それを、トート閣下に上納してるのかしら?(作品違います)

今回の新公で、最大のめっけもんが、若草萌香。
ごめんなさい、今回初めて認識しました。
めっっっっっちゃ良い声…!
声質も、発声も、歌唱も、滑舌も、声量も、とんでもなく素晴らしい…!

本公演でも、どんどん起用して頂きたい。
最近ようやく、和海しょう・羽立光来といった歌うまが起用されてきて喜んでましたが、ここにも素晴らしい人財が…!

歌も、芝居も、すばらしい表現力でした。
アクが強い役だと、がなったり、シャウトしたり、低音では声が掠れたりしがちですが、とても綺麗で上品な声を保っています。

若草萌香ちゃん、奈良出身なのね。
だから、若草なの?(奈良といえば、若草山…)
萌香ちゃんの歌を、ぜひまた聴きたいです。
ご一緒したYさんも、絶賛されてました。

そのYさんが触れてくれて思い出したのですが、マダムが巾着袋から銃を取り出し、バイク・ブラウンに銃を渡すところで、プチ・アクシデント発生。
銃が引っ掛かり、なかなか巾着から銃が出てきません。
それでも慌てず、騒がず。
悠然とバイクに、ようやっとお目見えの銃を渡すマダム萌香の舞台度胸よ。

ハラハラしつつ見守っていたバイク役・帆純くん、「ありがとうございます」と目に笑みを浮かべながら、銃を受け取りました。

そういえば、マダムに銀の弾丸をもらった亜蓮クリフォードも御礼をいってました…ていうか、この3人、同期ですね。
御礼を言いながら銃や弾丸を受け取るのは、99期クオリティ?


★ハロルド(紅羽真希/97期・研7)

本役:天真みちる
アランの叔父。トワイライト家の財産を狙っている肚黒たぬき。

未亡人で病弱なアランの母親を誘惑したり、手段を選びません。
こういう悪役は、演じる方からすれば、面白いだろうなと思います。
本役のずる賢さ、ねちっこさを踏襲していました。
ただ、真希ちゃんのハロルドは、シュッとスマートな印象がありました。


★アボット支配人(龍季 澪/101期・研3)

本役:和海しょう
ホテル・ブラックプールの支配人

いやはや、ここにもエンターティナーが。
歌が上手で、発音が本格的。
帰国子女なんですね……って、101期ですと?
そうかそうか、101期か……うちの息子と同期なのね。
(誰が誰の息子ですって?)


★マーゴット(音くり寿/100期・研4)

本役:城妃美伶
アランの従姉妹であり、婚約者。
クリフォード医師に恋していた、オマセさん。

音くりちゃんは、歌はもちろん、お芝居も上手。
嫌味なマーゴットの真意を、私たちにも伝わるように表現していました。

どうやら、マーゴットはアランが嫌いではなさそう。
ただ、アランに毛嫌いされ、拒否られて、マーゴットも意地を張り、敵対してしまうのかな…。

マーゴットなりに声をかけ、歩み寄ろうとしています。
母親に「男はジェインのような女性が好きだから、彼女を見習え」と言われ、「手遅れかも」と溜息を吐いたり。

マーゴットは意地悪というより、意地っ張りなんですね。
心理表現が的確で、くり寿ちゃんの確実な成長を感じました。


★マルグリット・ヘッセン(華 優希/100期・研4)

本役:華雅りりか
グレン・スミスの曽孫で、バンパネラ研究家。

華ちゃんは落ち着いた声で、しっとり大人の女性も演じられる娘役。
可愛い系はもちろんですが、本人の資質としては心身共に大人の女性、芯の強い女性が似合う役者だと思います。
正統派娘役として、王道を極めつつある華ちゃん。
私の中で、麻乃佳世様と双璧をなす、理想の娘役に育ってくれそうな予感がします。


▽ブログ村さんのいいね
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村