花組『ポーの一族』メインキャスト発表から、一夜明けて。
「仙名彩世は、シーラ・ボーツネル男爵夫人」
「シーラは、エドガーの義母」
「えっ?? トップコンビが親子?!」
…と驚かれた向きも多かろうと思います。
原作で、シーラは成人してすぐ、バンパネラに加わる儀式を受けます。
その儀式を目撃したエドガーは、成人したら、バンパネラに加わる事を約束させられます。
結果的に、成人する前にバンパネラになってしまうのですが。
未成年のまま時を止めたエドガーは、『ポーツネル男爵の息子』として暮らす事になります。
シーラとエドガーの間に、親子の年齢差はありません。
20歳で時を止めたシーラと、14歳で同じく…のエドガーは、6歳差。
(二人の実年齢は9歳差)
少し年の離れた姉弟くらいの年齢差ですね。
宝塚版では、エドガー&アランの年齢設定を上げるとか。
原作では14歳なので、17歳位に引き上げるのかな?
そうなると、シーラとエドガーは、ほぼ同世代。
現代なら、大学生(または新米OL)と高校生というところ?
シーラは、エドガーの憧れの人として描かれそうですね。
原作では、シーラとエドガーの間に、恋愛要素はないのですが。
宝塚ですし、年齢設定も上げますし、トップコンビだし。
例えるなら、『銀河鉄道999』のメーテルと鉄郎みたいな感じに描かれるのでしょうか。
(メーテルは年齢不詳ですが…)
あるいは、『めぞん一刻』の管理人さん(音無響子)と五代裕作みたいな…?
(こちらは、響子さんが2歳年上)
また、ビジュアル的に「柚香光の方が、エドガーっぽい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
原作では、エドガーとアランは共に14歳で時を止めます。
…が、エドガーはアランより更に100年単位で歳上。
エドガーは 1740年誕生。
アランは 1865年誕生。
エドガーは、アランより125歳ほど年長です。
普通なら出会えない二人ですね。
エドガーはもともと利発で責任感の強い少年でしたが、バンバネラとなり、更に老練さが加わりました。
彼は妹のメリーベルを、弟のようなアランを…常に誰かを守ることを、生きる意味としてきました。
バンバネラは、生気(エナジー)を糧として生存します。
エドガーにとって「守るべき存在」こそが、彼の生きる意味だったのでしょう。
アランはバンバネラになってからも、誰かに依存して生きる傾向がみてとれます。
甘えん坊で、我儘で、淋しがり屋。
エドガーなしでは生きていけない。
少なくとも、アランはそう思っているでしょう。
そして、アランの弱さ・不安定さは、エドガーにとって救いなんですね。
エドガーも、アランも、難しい役です。
より人間らしさが求められるのが、アラン役。
より包容力と人外魔境ぶりが試されるのは、エドガー役かと。
こうして見ると、やはり「明日海りおがエドガー、柚香光がアラン」は適役かと、私は感じています。
メリーベルは、エドガーとアランにとって、天使であり、女神でもある、特別な少女。
儚さ、柔らかさ、優雅さ……愛らしさと共に、幻想的な雰囲気が求められます。
歌や演技といった技術力以上に、あの柔らかな空気を醸し出せるか?…が重要。
華優希が適役でしょうね。
…というか、彼女しかいません。
明日海りおと華優希が今の花組にいる事は、ほとんど奇跡。
小池修一郎先生は、明日海さんを「エドガーがいる!」と思われたそうですね。
私は、華ちゃんを「メリーベルがいる!」と思っています。