11月11日(初日)と13日を観ての感想、キャスト編です。

ようやく……ようやく、役者陣に触れられます……(涙)

(いや、自業自得だから)

 

 

★花乃まりあ(第一王女タルハーミネ)

 

我儘で高慢なのに、憎めないお姫様。

花乃ちゃん……似合ってる。

 

いえ、花乃さんご本人とは、かけ離れた人物だと思います。

 

ただ、別人になり切る時は、本人と対極にいる方が意外と演りやすいのでは ?…と思います…なんとなく。

 

花乃さんのお芝居は、決して下手ではないものの、フラットな印象がありました。

それが作品を重ねる毎に、変化をみせるようになり…。

 

『ME and MY GIRL』では、生き生きとサリーを好演。(2016年4〜7月)

明日海さんとのコンビネーションも、打てば響くように。

 

今作のタルハーミネは、まず美貌と存在感が必須。

それらを備えた上で、緻密な演技が求められます。

 

素顔の美しい方ですが、メイクダウンしがちだった花乃さん。

今年に入り、舞台化粧が格段に上達されました。

 

花組トップ娘役就任当時とは比べ物にならない華やぎ。

生まれながらの姫君ゆえの無邪気さ・残酷さを、ナチュラルに表現されています。

 

サリーを経てのタルハーミネだからこそ、ギィ(明日海りお)に臆する事なく、渡り合えるのでしょうか。

 

タルハーミネを演じる花乃まりあからは、積み重ねた経験と努力に裏打ちされた、自信が覗きます。

 

自信が、タルハーミネを王女たらしめます。

彼女の道のりが、タルハーミネを創っているのだな…と感じました。

 

現時点で、まだまだ伸びしろがある花乃さん。

おそらく彼女の芝居は、まだまだ変化するでしょう。

 

以前は、初日と千秋楽の芝居が、ほとんど変わらなかった花乃さん。

 

安定したものをお見せする事も必要です。

ですから、変わらない事は決して悪い事ではありません。

決して下手ではなく、安定した芝居でしたから。

 

明日海りおの相手役となった事で、「模索と変化」を求められるようになった花乃さん。

 

明日海りおは、公演中も自問自答を続け、演技を練りこむ人。

花乃さんにも同じ姿勢を求めた事は、想像に難くありません…。

(フォトエッセイでも、そう読み取れることを書いてらしたし)

 

今年に入ってから、公演期間中どんどん変化していく花乃さんの姿を目の当たりにするようになりました。

 

初日と千秋楽では様変わりする。

それがデフォルトになっている花組の舞台。

 

その立役者の一人になっている、花乃さんがいました。

 

舞台が変化することでリピーターが増えます。

どんな風に変わったか、気になるじゃんね。

売上面でも、劇団に貢献していると言えましょう。

 

『金色の砂漠』は、微妙な仕草や声の出し方で、大きく印象が変わっていくデリケートな作品だと思います。

 

本作の鍵を握る一人・タルハーミネ。

 

砂漠へと一人、飛び出した彼女。

 

「タルハーミネなら、さもありなん」

「飛び出したくなる気持ち、わかる気がする…」

 

突飛に映る行動さえ、そんな風に思わせる事は、これからの課題。

 

今の花乃さんなら、掴めるんじゃないかと思うんですよね…。

 

花乃さんの表現と感性に期待しています。

 

 

 

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