ユニ・チャームが「中国本社」 投資など権限移管
 ユニ・チャームは今春をメドに「中国本社」を設立する。国内から商品開発や投資案件の意思決定を移管して迅速化、2012年には紙おむつなどの工場も新設して増産体制を整える。中国事業は年約500億円と海外全体の3分の1を占め、将来は日本の売上高を逆転するとみている。成長市場で攻勢をかけ、世界最大手の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)を追い上げる。

海外不動産投資は、ルイ・ヴィトンが出店した都市を狙え

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友人のM氏は、数年前から、海外不動産投資を行っています。既に中国、米国、ベトナムなどに投資物件を保有し、大きなキャピタルゲインを実現しているようです。他にもウクライナのような日本人には馴染みの無い国にも投資をしています。彼の投資手法は、不動産に限らず個人投資家に有益な視点を提供してくれます。

■ マクロで考えてミクロで探す

M氏が、不動産投資をする際に重視するのは、その国の投資環境です。経済情勢も重要ですが、不動産に関しては特に人口が増えていることが重要だと言います。成長なき地域で投資をするのは成功の確率を下げると言います。

また、それだけではなく政治体制や経済政策も丹念に調べています。さらに、外国人投資家に対する規制、税金、売買制限なども比較して、総合的なリスクを考えます。

分析の結果、聞いたことの無い国、行ったことの無い国であっても、投資対象として魅力的と判断すれば、そこに資金を入れる。現在投資している国も不動産の物件を見るために初めて行った国が多いと言います。

知っている国ではなく、魅力的な国に投資する。極めて合理的な考え方です。

■ ルイ・ヴィトンが出店した都市はこれから発展する

マクロで考えて魅力的と判断したら、今度は実際に現地に入って物件を探します。事前にネットを使って、現地の信頼できるブローカーを探し、物件に関する相場や地理的な把握をしてから、必ず自分の目て確かめるのです。

現地に入ると、1週間近く滞在し、ひたすら歩いて物件を見ると言います。周辺がどんな環境なのか、どんな人が住んでいるのか。できるだけ現地の人の意見を聞くことが大切だと言います。ホテルの従業員にヒアリングすることもあるそうです。

そして、彼が狙うのはその街の一等地にある物件です。東京で言えば、例えば青山、赤坂、銀座のようなハイグレードな地域が必ず存在します。このような一等地は価値が落ちにくい傾向があります。

そんな場所を見つける1つのヒントが、高級ブランドの店舗です。高級ブランドが進出したということは、それだけ購買力のある住民がいて、そのエリアが高級エリアとして認知されているということを示しているのです。

いずれにしても、どの地域のどんな物件を選ぶかは、肌感覚が大切で、これは時間をかけて自分で納得できるまで歩きまわらないとわからない、とM氏は言います。

■ アルファよりベータの方が圧倒的に重要

M氏は、市場の歪みで利益を上げるアルファを狙う方法より、経済成長によって市場全体が成長することによるリターンを狙うベータの方が圧倒的に重要だと考えています。

不動産というのは、物件による歪みの大きな市場ではありますが、将来性の期待できない場所で格安に物件を手に入れることよりも、将来の成長が期待できる場所で、一等地の物件を探した方が成功の確率は高いという考え方です。

これはもしかしたら不動産に限らず、長期で投資を考える場合、投資一般に共通する法則かもしれません。

■ 豪華なホテルで個人向け投資セミナーは危険信号

また投資で大切なことは、人の意見や流行に流されず自分の頭で考えること。M氏が最初に海外投資をしようとしたときも、周囲の人から大反対をされたと言います。しかし、結果的には、そんな時が投資の最適タイミングだったのです。

逆に、今後日本人の海外投資熱が高まった時は、カモにされていないか考えた方が良いと言います。例えば、日本の個人投資家向けのセミナーが国内の豪華なホテルで開催されるようなケースです。

なぜなら、そのようなプロモーションは、既に投資してキャピタルゲインを得た投資家が利益を確定するために「出口戦略」に利用されている可能性もあるからです。

それに、キレイなパンフレットや豪華な説明会会場にはそれなりのコストがかかっている訳で、そのコストは最終的に投資家自身の負担です。

M氏が実践する海外不動産投資は、大きなリスクもあり、万人に向いた投資対象ではありません。しかし、投資に対する考え方は株式でも債券でも不動産でも同じです。

投資で成功している人には、感情的にならない、自分の頭で判断する、基本に忠実に続ける、といった共通点があるのです。

今回の話のまとめ---------
■ グローバル投資の判断はマクロ→ミクロの順番
■ アルファよりベータの方が圧倒的に重要
■ 投資の基本は投資対象に限らず同じ

(このコラムは毎週金曜日にマネックスメールで連載している「資産設計への道」の過去掲載コラムを再構成したものです)

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