前回のITバブルのメインエンジンとなったインターネットが世界にもたらし
た一番大きな変化は、全ての面において国境をなくし、物理的な距離を意識させなく
なったということです。これは間違いなく株式投資の世界にも当てはまります。無理
に日本株と外国株という仕切りをして考えること自体がすでにナンセンスであり、株
式投資の世界だけが半鎖国状態を続けることはないと思います。また金余りの資金の
向かえる先は流動性が高くないといけないということがもうひとつのヒントとなりま
す。これらを総合して考えると、今年はおのずと米国市場と日本市場、そしてハイテ
ク関連と言うのが大きなテーマの柱となることは明らかだと考えます。まずは今週、
『CES2011』の内容を伝えるメディアの記事などに注目されることをお勧めします。
ナスダック総合指数の足を引っ張った筆頭銘柄がインテル(INTC)
となります。年末の米国クリスマス商戦の好調が報じられるなかで、スマートフォン
やタブレット型PCの人気がコンベンショナル(伝統的)なパソコンの売り上げを奪っ
たという市場の認識もあり、これが同社の株価の伸びを直撃した感じです。今週、米
国企業の先陣を切って決算発表が行われる予定ですから要注目です。実際にはそんな
に失望感を誘うような決算はでないはずです。また同社は今年新しいプラットフォー
ムとなる『Sandy Bridge』を市場投入予定ですから、今年も目が離せないことは間違
いありません。
これにあわせるかのように、パソコンに使われるDRAM価格が1ドル割れをしたことが
日本の新聞でも報じられていますが、一方でスマートフォンなどに使われるNAND型フ
ラッシュメモリーは引き続き需要が旺盛な状態が続いており、それが証拠にその大手
サンディスク(SNDK)の株価は上昇を続けています。DRAMとフラッシュメモリーで何
がどう違い、また同じところは何なのかなどをきちんと把握し、これからの新しい流
れを総合的に捉えていかないとハイテク市場のこれからの流れは読めず、折角の投資
機会を見逃してしまうことを証明しているかに思われます。じつに面白い状況になっ
てきました。前述のように、今年はインテルが新しいプラットフォーム『Sandy
Bridge』を投入することから、従来のMPUとエヌビディア(NVDA)のGPUなどが戦うこ
とになりますが、新しい『Windows OS』の登場など、当面はハイテク関連の話題