消灯後、エドモントンに到着したようだが、すっかり寝ていた。
6時半起床。この日はこの列車の目玉と言えるロッキー越えの日だ。ジャスバーから絶景コースが続くらしい。
すぐに展望車に向かったが、すでに一番前の特等席は埋まり、ほどの座席は埋まっていた。空いた席に座る。もうすでに絶景エリアに入っているらしく、皆スマホ片手にシャッターチャンスを待ち構えている。
ジャスパーには7時45分着。1時間15分遅れだ。しかし、3時間の停車時間は変わらず。遅れを取り戻すつもりはないらしい。この長時間停車はもともと乗客のためではなく、ここから一気に増加する乗客を迎える準備のためにもともとあったようだ。水、燃料、食材の補給、寝台車のベッドメイキング、清掃などすることは山ほどある。一方、ジャスパーの町なんて、30分も歩けばすべて見て回れるような大きさで、ロッキーへの玄関口でしかない。3時間の休憩など必要ない。
展望車もいったん閉鎖され、乗客は全員下車。幸い、駅内ではネットが通じたので、メールチェックと業務メールを送る。
旅行中もこんなことをせねばならないとはやだねえ。
駅を出て列車を振り返ると、展望車の窓の清掃が行われていた。3日も走っている間に全面の窓には飛び込んできた虫がへばりついて、視界が悪くなっていた。
ジャスパーと南のバンフの間が、観光的な意味でのカナディアンロッキーだ。バンフには31年前に訪ねたことがあるが、こちらはもう少し町の規模が大きく、歩いて行ける範囲に温泉などの観光地があったが、ジャスパーの方はほぼ純粋な中堅地点のようだ。駅前に土産物屋やいくつかのホテル、そしてガソリンスタンドがあるだけだ。基本的にこういうところは車で訪れるところで、そうでない列車での訪問客に対しては、駅前でツアーバスが待ち構えている。いわゆるバックパッカーの姿などは見かけることはない。
町を歩くと、2軒ほどのスーパーが開いていた。開店時間は6時とか8時で、田舎のスーパーの割に早い。列車の到着予定は6時半なので、それを見越してのことかもしれない。あるいは、ここを拠点に車で観光スポットに向かう者も、朝早いうちに出発するだろう。
改札が始まる30分前の9時15分に駅に戻ったが、新規客も含め人でごった返していた。ともかくも一番乗りで車両に戻らねばならない。戻った後は、展望席の争奪戦が待っている。ウィニペグではエコノミーと寝台の乗客の並ぶ列が違っていたが、ここではみな一緒だという。乗車券とIDが必要だと言われ、焦ったが幸い、ウェニペグで乗車券の写真を撮っていたので難を逃れた。パスポートは長時間停車とあって、残り金とともに持ち出しておいた。
列はすでにできあがっていたが、元からの乗客では一番乗りだったようだ。少し遅れて改札が始まり、車両に乗り込む。一気に展望車に向かうが、あいにく閉鎖されていた。っこで席(目の前にあるのだが)に戻れば、これまでの努力が水の泡になる。入り口で待つことにした。同じ目的の乗客が次々とやってきて通せと言ってくるが、その度に閉まっていることを伝えねばならなかった。
列車は、それでも10時半に出発。15分だけだか遅れは取り戻したようだ。しかし、なかなか展望車はオープンしない。しびれを切らした頃、ようやく車掌がやってきて開けてくれた。どうやら新規乗客の座席の整理をしていたようだ。カナダやアメリカの長距離列車は、基本自由席で、始発駅なら乗った時点自分で席を探し、車掌がそこを登録する。途中で空いた席があって移動しても戻される。途中駅からの場合は、車掌が席を適宜あてがっていく。だったら指定席にすればいいのにと思うのだが。
ともかくも展望車には一番乗り。一番前面のボックス席の一番前の席を確保した。進行方向とは逆になるが、写真を撮るにはベストポジションだ。左右両方があるが、これは結果的にはどちらがいいとも言えない。最初は、僕がとった方とは反対側に景色が広がっていたが、途中で入れわかるからだ。あえて言うなら、客車の自分の席と逆側をとっておけば、ビューポイントが反対側の場合、自分の席に戻ればいい。ポイントの手前では、車掌やスタッフがあらかじめ知らせにきてくれる。昼食後、しばらく寝た後、滝を望めるポイントがあったが、あいにく逆側。直前に自分の席に戻って眺めることができた。
せっかくなので、この日のランチは展望車にある軽食をとることにした。軽食と言っても、厨房で調理するそれなりのものだ。チーズバーガー17ドル。税込みのようだ。カード払いなんだが、山奥でなかなか通信がうまくいかなかった。バーガーにフライドポテトかコールスローを選べるのだが、迷わずコールスローを選んだ。ポテトなんか選ぶと、確実に胃もたれする。ここのバーガーの肉はなかなか分厚く、食べ応え十分だった。
ちなみに、たまにスタッフが御用聞きに来るが、注文は階下に降りてする。いったん注文すると、展望車内なら持ってきてくれる。
昼食と思い注文したが、いつの間にか時間帯を越え、太平洋時間に、午前11時前の少し早い昼食となった。昼食をとったあと、手持ちのワインを飲んだら睡魔が襲ってきた。
ジャスパーからは基本下り坂で、列車はどんどん高度を下げる。途中、白雪を頂いた山が見えたころからは、次第に植生も変わり、昼寝の後、滝を過ぎたころには、川の流れも緩やかになってきた。
山を下り終えると、道路と並走するようになった。バンクーバーが近づいていることを実感する。
最後の停車駅であるカムループスに到着するころには、遅れはすっかり取り戻せていた。ここでも10人以上が降りていった。周囲にはなにもない貨物ヤードみたいな駅だが、どうやって帰るのだろう。
車いすの乗客も、この装置で下車していった。
そして、このあと、最後のビューポイント。夕陽に向かって湖畔を走る列車。











