「倉田悠吾様からあずかっていました。本を送らせていただきます。よろしくお願いします。」

平成20121日、浜松市舞阪の足立文昭さんからFAXが届いた。続いて20冊の本。

これより前に私は舞阪を訪れていた。その際、足立さんに連れられて倉田さんのご自宅も訪問。

そのときに岡村昭彦がお二人に「西遠流域下水道 終末処理場に反対する漁民のための教材」として多くの本を渡していたことを知った。


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倉田悠吾さん。反対運動や岡村昭彦関連の資料を前に。


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「足立文昭さん」「西遠流域下水道 終末処理場に反対する漁民のための教材」とある。岡村昭彦はこのようなシールを貼り、本を贈った。




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なかには上野英信が足立さんに贈った本も。「一九七二年三月二九日 水俣より帰来の日」とある。



1978
49歳の岡村は、<西部衛生工場(し尿処理場)と西遠流域下水道(終末処理場)の建設に反対して、舞阪の漁民らとともに浜名湖内外の汚染を防ぐために「反公害」闘争を推進し、これに「海の幸を守る会」などが協力した(前年から引きつづき)>(AKIHIKOの会ホームページ「年譜」より)


岡村昭彦が倉田悠吾さんに渡した「教材」は具体的にはどのような本であったか―


そのリストは次回紹介する。


(比留間洋一)













もう1冊は『追われゆく坑夫たち』(岩波新書)。同書の初版は1960年。翌1961年、岡村は総評の週刊誌『新週刊』編集部に勤め、筑豊の上野と知遇を得る。ただし岡村文庫に所蔵されているのは1974(16刷発行)版である。

書込みは、さほど多くないが、ある特徴が見られる。それは、時代背景として国内外の出来事が記入されていることである。

1か所目―。次の箇所(p.8)の「昭和三十三年」に黒鉛筆で傍線が引かれている。



「こうして悪辣きわまる手段で搾取に搾取をかさねて全盛をほこってきたS 炭鉱も、しかし、不況の波にだけは抗すべくもなく、昭和三十三年に入ってからは深刻な経営難におちいってしまった。」 

 そして、その上の余白に次のように書込みがある。



・日英,日米原子力一般協定調印

            1958


・警職法の上程      ・アメリカ人工衛星第1

→廃案        ・アラブ共和国成立

・松本清朝(ママ)「点と線」 ・フルシチョフ首相就任

・五味川純平「人間の条件」・ド=ゴール内閣成立

            

 2か所目は、「あとがき」(p.245)の末尾「一九六〇年七月 上野英信」の左余白に次のように書込みがある。



1960

・(米)ケネディ大統領当選

・南ベトナム解放民族戦線結成

・ラオス内戦はじまる

・ド=ゴール アルジェリア停戦を提案

・アフリカで17カ国独立

・日米新安保条約 (羽田)反対運動

・三井,三池炭鉱争議

・岸→池田内閣

・社会党浅沼稲次郎刺殺さる

・日韓旅客機定期航路開設(戦後初)



(比留間洋一)







比留間です。


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講師:勝矢先生

日時:2月21日(月) 午後3時~

場所:県立大食品棟6階 造形芸術研究室(エレベーター降りてすぐ右手前)

備考:スペインゼミ(立田先生担当)主催です。


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