NEXはいつもより混んでいた。
指定席を持たない若いカップルが
席をさがしていたが、
見つからないようだった。
自分の列は通路側2席が空いていたが、
反対側の窓側に体格のよいおやじが座り、
通路側には大きなスーツケースがあった。
しばらくして、車掌が
荷物を棚に乗せろと言い
空いた席にカップルを座らせた。
自分と男性、通路をはさんで
女性とおやじが座った。
カップルは通路をはさんで、話続けていた。
話たいことが、たくさんあるのだろう。
かわいそうに思い
女性と席を代わってあげた。
そしたら、おやじがいやな顔をした。
そりゃそうだろう、
オレだって、同じようなおやじより
隣は女性のほうがいい。
でもさ、おたがいさま、なんだよ。
若いカップルのために
我慢してあげようよ。