NEXはいつもより混んでいた。

指定席を持たない若いカップルが

席をさがしていたが、

見つからないようだった。


自分の列は通路側2席が空いていたが、

反対側の窓側に体格のよいおやじが座り、

通路側には大きなスーツケースがあった。


しばらくして、車掌が

荷物を棚に乗せろと言い

空いた席にカップルを座らせた。


自分と男性、通路をはさんで

女性とおやじが座った。


カップルは通路をはさんで、話続けていた。

話たいことが、たくさんあるのだろう。

かわいそうに思い

女性と席を代わってあげた。


そしたら、おやじがいやな顔をした。

そりゃそうだろう、

オレだって、同じようなおやじより

隣は女性のほうがいい。


でもさ、おたがいさま、なんだよ。

若いカップルのために

我慢してあげようよ。





「うっせんだよな」
何度か聞こえた。
前に立つ会社員。

つり革につかまり
電車の窓枠にむかって
何かを思い出しては
つぶやいている。

気に入らな上司でも
いるのだろう。

同じサラリーマンとして
同情できなくもない。
でも、切替えないと
一日乗り切れませんぜ。
 

東京は真夏日の予報だ。

今日は半そでのポロシャツにした。

 

それでも職場につくと

全身汗ばんでいた。

顔を洗い、汗を拭きとった。

 

エアコンの冷気で

体を冷まして、

やっと仕事をする気になった。

 

これからは

こんな日が多くなるんだろうな。