『カードキャプターさくら』って、

一般的には、「ザ・王道の魔法少女モノ」っていう位置付けだろうけど、

この作品は、なにげに地味に闇深いな〜と思う。


なぜなら、

「女の子が幸せでいられる世界」とは、

普通女の子を取り巻いているはずのいろいろな環境設定を「無かったこと」にしなくてはいけない世界だ

という残酷な事実を描いている作品だからだ。



『カードキャプターさくら』に見る、

【女の子が幸せに暮らすために「なかったこと」にしなければならない事たち】


・母の存在

(女の子にとってのストレス源である母がいない。さくらの母はとうの昔に死んで幽霊になってくれている。)


・父の性的側面

(オス味皆無の、母の役割を父のまま果たす、中性的な教養人としてのみ描かれた父親)


・自分を可愛がってくれるお兄ちゃんを奪う彼女の存在

(兄に恋人はいるが、ソイツは男だwwww)


・自分より注目される同世代女子

(というか、親友は自分を崇拝してるw「可愛いですわ❤️さくらちゃん❤️」←いや、ありえんだろ普通w)


・道路の車

(あんな危険なローラースケートで事故らないくらい車が少ないってあり得るのか?東京だろ?)




以上。


言わずもがな、上記は、普通は女の子の日常に当たり前の顔して居座ってるはずの者たちだ。


自分を妨害する母の存在、

いい年して男臭い父親の存在、

兄と一緒になって自分を蔑ろにする女の存在、

マウンティングしてくるフレネミー、

エトセトラエトセトラ…


しかし、カードキャプターさくらの世界では、それらが、みごとに「消されて」いる。


私はこのアニメを観た時、

「こんなにも、あからさまに世界を歪めなくては、女の子は幸せになれないのか〜」と思った。


やっぱCLAMP怖い。


こんな万人向けっぽい作品にまで、素知らぬ顔で知らないうちに致死量の毒ブチ込んでくる感じが、このクリエイターならではだと思うのだ。


そのアニメの世界観がファンシーな世界観であればあるほど、

逆に謎に底冷えする。



カードキャプターさくらの世界から消えてるものとは、

まさに、

女の子たちが魔法を使ってでも消したい存在たちなのだと、

誰もわざわざ語らないけど、だからこそ雄弁に物語ってくる。





……こわっ!