私の目は、視力が弱い
0.01以下で、一番上の食べかけドーナツすらどこを齧られてるのか見えない。
しかも少し斜視と乱視が入ってる。
だから、落ち着きのない精神をそのままに、視線は常に泳いでいる
しかし、この目で自分と水平の位置にある朝日を見ると、
まるで地球の極から出てる磁場みたいに、太陽の真ん中を結束点として、7色よりも遥かに細かい階調をなす虹色のプリズムが、極から極へ絶え間なく流れ込み、
そして、その磁場を取り囲むように虹色が放射線状に自分へと広がり、
自分の中に入り込んでくるように
「見える」のだ。
視力が弱くピントがずれているからこそ、逆に、私の目はこのような光線をピッタリ捉えられているのかもしれない。
私の目は、太陽を見るために特化されていたのか
そのまま目を閉じ、瞼の裏で朝日の残像が、固茹で卵になるまで見守る。
じきに、卵のよく焼けた中央部が白く発光し出し、それが今度は脳内に直に溶け込む感覚になる。
毎日、毎日、
太陽フレアだから〜
私は、この目でよかったのだ。
レーシックなんかしないもん。