​問7 四季


季節の移り変わりに楽しみや美しさや情緒を感じたりしますか?


​答え


人間がこの世に生まれてきた意味がもしあるとしたら、季節のうつろいという奇跡を感じ取ることではないでしょうか?

常に変化し、脈動する「季節のうつろい」とは
地球と太陽と月が織りなす交響曲です。

交響曲とは、音楽。

音楽とは、時間の概念がある生物にしか知覚できない芸術。

だから、人間は、この芸術を感じられるようにデザインされた…
私はよく、そう感じる。

神という存在がいるのか、いたとしてそれがどんなものかはわからないけども、
季節の奏でる音楽の恩恵に「ありがとう」と言うことそのものが「神への祈り」だと思う時がある。

ちょうど今頃、春先に、フューシャピンクの裏側の白い沈丁花がまだ硬い清楚な香りをさせた
そのうち、薄ピンクが空気じゅうに充満して、桜が満開になる
水が大地に満ちるころ、水面みたいな高貴なブルーの藤、アイリス…そのまま大地を禊ぐみたいな紫陽花が地に這う
梅雨明け、お日様いっぱいの向日葵カーニバルのあと、夏の終わりに紅殻色の細々とした百合が咲き、彼岸に天国に咲くような謎の花、曼珠沙華が徐々に日の短くなる季節を予告する
その紅さは、雪に映える孤高の椿へ引き継がれ、花の兄たる白梅の下香る無数のナルキッソスでまた全てが一旦白くなり、
次の薄紅の春へのグラデーションになる…

このドラマティカルな四季のうつろいを、
月と太陽と一緒に、
ほかの生物たちとともに、
常に眺められているだけで、この世に生まれてきた価値は充分にあるんだ、と力強く思う。