注:一部内容に関する記述があります
監督:サム・メンデス
出演:ダニエル・クレイグ、ジュディ・デンチ、
ハビエル・バルデム、
ナオミ・ハリス、ベレニス・マーロウ
シリーズ50周年の第23作。
ダニエル・クレイグがボンドに就任、『カジノ・ロワイヤル』、『慰めの
報酬』に続く3作目。
(前2作には繋がりがあったけれども、今回は単発ものとして鑑賞可)
まずはこのシリーズのお楽しみとして主題歌が流れるまでのオープ
ニングシークエンスだが、今作も凄い。
トルコの雑多な街中でのカーチェイス、途中からバイクを使っての
屋根伝いチェイスなど、CGに頼らない生であるが故に余計迫力が
増す興奮の連続。
それからのAdeleの主題歌への入り方が実にかっこいい。
一聴した感じ地味に思えたAdele 『Skyfall』 も、この流れ、そして
映画全体の重厚さから見ても、とてもマッチしている。
乗りに乗っているアーティストの生み出す楽曲の力は流石だ。
ただし今作、最も派手なのはこのオープニングシークエンスのパート
かもしれない。
ストーリーはここ3作で最も判り易いが、最も重厚。
最もリアリティがあるとも言える。
ドンパチあって、秘密兵器使って、ボンドガールとのムフフなシーンで、
あぁ楽しかった、という様なノリは皆無。
「老いによる世代交代」なんて話題まで出てくる。
ちょっと今迄のシリーズでは考えられない類のもの。
ダニエル・クレイグを以ってボンド・シリーズを完結に向かわせている
のでは、と勘ぐりたくもなってくる。
‘50周年’ということで、今迄の総決算的なド派手な作りもありだったと
思うが、敢えてそうせず、いや一時期資金難なんて噂も伝わって来て
いただけにそうせざるを得なかっただけかもしれないが、いづれにせよ、
あらゆる意味で原点回帰的な作りとなっている。
そして007的エンターテインメントに徹したとは言い難いものとなっている
だけに、好みは結構分かれそうだ。
ストーリーでと言うよりは、もっと単純にダニエル・クレイグのボンドという
キャラクターをかっこいいと思えるか否かに、その好みは大きく左右され
そうだ。
それを楽しめる人には間違いない作品だと思う。
スタイリッシュな映像で、上海、マカオ、そして長崎の軍艦島という幻想
的な街並みを舞台に展開していくが、それが故に最期のスコットランド
の荒涼とした風景がより際立って、物悲しくも美しい。
今回3DではないがI-MAXでの上映を一部映画館で実施していて、
映画の日割引も効かない\2000の出費はイタいが、これは価値が
ありそうだ。
パンフレットは50周年ということで、今迄の22作の色々なデータが
載ってはいるが、もっと資料的価値あるものにして欲しかったな。