映画鑑賞 『メランコリア』 | close to the edge

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音楽の話が出来る人が周りにいないので、ここで独り言でも・・・

注:映画の内容(核心部分も含む)に関する記述があります





観ようと楽しみにしていたら、いつの間にか近郊では上映終了、
なので小田原まで遠征。

モーニングショーとやらで¥1000、お一人様でご案内…


『メランコリア』

監督:ラース・フォン・トリアー
出演:キルステン・ダンスト、シャルロット・ゲンズブール、
   キーファー・サザーランド 他


惑星“メランコリア”衝突による地球滅亡もの。

しかしながら、この映画ではビル倒壊なんて派手なシーンは
無いし、爆発・炎上も起こらない。
火といえば、せいぜいロウソクの灯ぐらい。

人の血さえ流れない。

幻想的、というよりはヒプノシスのPVの様な不思議な感覚の
オープニングで、早速衝突シーンが出てくる。

宇宙から俯瞰した地球、
こんなシーンは様々と観てきたが、今迄で最も美しくない地球。
美しく感じられないから、惑星衝突のインパクトも薄れる。

宣伝文句で「神秘的で美しい地球の最期に心揺さぶられる」
なんてものがあったが、全く同意出来ない。

衝突シーンから暗転、結婚披露宴に車で向かう幸せ一杯の
‘ジャスティン’(キルステン・ダンスト)と新郎。

しかしジャスティンが披露宴会場に入る時に、見上げた空に赤く
光る星、それをきっかけにか、ジャスティンのおかしな言動が―
パーティー中にも関わらず入浴…優しい新郎を避け・・・勤めて
いる会社の新人とゴルフ場でXXX・・・結婚のお祝いに昇進させて
貰った会社の上司を罵り、挙句解雇され・・・最後には新郎に愛想
を尽かされ、しかし引き止めようともせず…話を聞いて欲しかった
父も去って行き、そして誰もいなくなった状態で、『ジャスティン』と
題された第1部終了。

第2部『クレア』に入ると、姉(シャルロット・ゲンズブール)、夫(キーファー・
サザーランド)、その子供と、ジャスティンの4人だけで話が進む。
(もう一人執事がいるが余り話しに絡んで来ない)

ジャスティンの精神は更に悪化していて、一人では立つことも出来
ない有様。

日に日に大きく見える様になる惑星、電気も使えなくなり、徐々に
募る不安。

そして姉も精神を乱していく。

妹の訳の判らなさに比べると、姉の描写は妙に判りやすい。

判りやすい反面、描き方が浅いのか、日増しに募っていく不安・
恐怖が余り伝わって来ない。

終末感が物足りないというか。

いよいよ“メランコリア”が接近、科学者の予想は外れ直撃が判明
した途端、それまで地球の横を通過する天体ショーだとはしゃいで
いた夫があっさり自殺してしまうという心情の方が余程リアリティー
があるし、共感出来る。

弱り切っていたジャスティンは、「私には先のこと/終わりが見える」
などと言い出し、逆に落ち着きを取り戻し始める。

結婚披露宴の余興として、ビンにいれたビーズが何粒かを当てる
ゲームで、誰一人正解出来なかった中で、「私には何粒だって
判っていた」、などと虚言・妄想ではないという証明をする。

これで第1部の常軌を逸した行動が、この未来を予想し得たこと
による不安から来るものと説明出来そうだが、何か唐突な印象は
否めない。

変に説明し過ぎないで、曖昧にぼやかしたままの方が良かった。

派手さがないのは判っていたが、精神的にもっとジワジワ来る映画
かと思っていただけに、サラサラ流れていってしまう様な薄味で、
期待外れな映画。


可愛かったシャルロット・ゲンズブールも、すっかりただのおばさん
になっていて、残念。