サイエンス講座の体験会にて子供たちにヨウ素液に

かけたい食べ物を書いてもらいました。

すると、想像していなかったものが出てきたので、

それならと、予備実験してみることにしました。

当初、子供たちはお菓子などを考えるかなと思っていましたが、

今回はくだもの、やさいに固まったんですね。

 

 

さっそくうがい薬を水で薄めて、ヨウ素液をつくります。

比率としてはうがい薬:水=2:8にしていますね。

うがい薬の主成分はポイズンヨードというヨウ素ですので、

そのままでもヨウ素液になりますが、

色味を見やすくするために水で薄めた方がいいんですね。

実はその作業をサイエンス講座では子供たちに100均のシリンジでやらせて

理科実験という感じを出させています。

 

 

ヨウ素液にかける食べ物を少量、小皿に載せました。

用意したのは、豚メン、キュウリ、バナナ、みかん、アメ、トマト、りんご、

そしてここには載っていませんが、ハッピーターンとえびせんもやっています。

ちなみに子供たちが書いてくれたのはキュウリ、バナナ、みかん、トマト、りんごで

全部がやさい、くだものだったんですね。

実はお菓子はよくやっていたのですが、やさい、くだものはまったくのノーマークで

そういう意味でもいい発見になりましたね。

やさい、くだものは保存できるという理由でできるだけ

ドライのものにしてみました。

 

 

さっそく小皿に載せた食べ物にヨウ素液をかけてみます。

すると・・・

 

このようにでんぷん質のものは青紫に反応するわけです。

これで、でんぷんかそうでないかを見分けることができます。

 

 

反応したのは、ハッピーターン、えびせん、豚メン、バナナで・・・

 

 

反応しなかったのはアメ、トマト、キュウリ、みかん、りんごで、

子供たちの挙げたものはバナナ以外はほとんど反応しなかったことになります。

やさい、くだものなどは植物なので、でんぷんは含まれているのですが、

実にはあまり蓄積されていないことがこれでわかりますよね。

実はその辺がちょっと予想できなかったため、植物の実では

どうなるだろうかという部分は予測がつかなかったのですが、

やはり、でんぷん質が蓄積しやすい実じゃないと反応しないんですね。

そういう意味ではバナナとジャガイモというのは、でんぷん質の塊

みたいなものですので、そこまでのクラスで反応するわけなんですね。

ちなみにリンゴが反応しなかったのが意外でしたね。

 

 

表にまとめるとこんな感じで、やはりでんぷん質、って言えるものが

反応することがこれでわかりますよね。

 

 

さらに反応を見ていくと、アメ、トマト、リンゴ、みかんにおいて

このように時間が経つと透明になったんですね。

これはこれらにはビタミンCが含まれていて、

ヨウ素とビタミンCが反応することで、ヨウ素が還元されて、

ヨウ化水素になることで透明になる反応なんですね。

実はサイエンス講座の体験会では透明コーラの科学マジックをやっています。

うがい薬を炭酸水で薄めるとコーラそっくりになりますので、

そこにCCレモンを加えると透明になるというマジックができるわけで、

そのしくみとまったく同じだったりするわけです。

 

それを観察できたことで、子供たちの何でだろうにつなげることも

できると思いますし、それが確認できただけでも大きな収穫になりましたね。

やってみないとわからないのが実験の醍醐味ですし、

頭でっかちに考えていた自分の固定観念を壊してもくれますね。

そういう意味では今回の実験も大きな成果でした。

 

4月のサイエンス講座のテーマがヨウ素液実験ですので、

また旭川の子供たちに出会った時にどんな化学反応になるのか

それもまた楽しみでもありますね。

 

そんなわけで今日の実験でした。