元首相の記憶力 | 或小役人の一笑

元首相の記憶力

 自民党旧橋本派の政治団体「平成研究会」
の1億円ヤミ献金事件で、政治資金規正法違反の
罪に問われた元官房長官村岡兼造被告(74)の公判が
11日、東京地裁であり、平成研元会長の橋本龍太郎元首相が
弁護側証人として証言した。(朝日新聞)


「記憶はございませんが、ほかの方々がそう言っているのであれば、
そういう事実があったかもしれないと今考えます」
「全く分からない」「記憶はありません」
これらは全て橋本元内閣総理大臣の答弁である。

凄まじい程の記憶力だ。この記憶力では恐らく、
中学校の英単語テストすらも、満足に得点できないだろう。

飲んでいたので記憶がない、というのも都合がよすぎる。
以前の記事でも書いたが、
自分の記憶がなくなるほど泥酔してしまう
のは、自分の酒量も把握して
自制することのできない、だらしのない人間だ。

裁判長の「国民の間に政治不信が広がり、『政治家なら料亭に行ける』
とふらちな発言をする人もいる。責任を感じ、深く反省しているか」
と戒める言葉も、元首相の虚しさを際立たせていて、不謹慎ながら笑える。

この戒めに、「今後、自分がどんな働きをするか見てもらうしかない」
と答えた元首相には、苦笑しかできないが。

こんな記憶力で、一体何ができるのだろうか。

私は記憶力に自信がないと、自信を持っていえるが、
1億円をもらったら、きっと生涯忘れないだろう。
多分100万円でも、忘れないと思う。


近年は行政の不祥事が、批判されがちであるが、
政治にも、ダーティーな部分はかなり多い。

そもそも政治家は、公務員は削減だ、給与を減らせと
叫ぶが、自らの歳出カットは中止してしまった。
議員年金の問題もなかなか真剣に着手しない。

また、某料亭議員が興奮していたように、議員の
年収は、約2600万円もある。
これは役人のトップ、事務次官以上なのである。

実は、国会議員は事務方の公務員の最高クラスよりも、
年収が多くなるように、法で定められている。

だから、某1年生議員が驚くほどの高級が貰えるのである。
さらに、そういう仕組みがあるために、
公務員のトップの年収は、
議員の報酬を吊り上げるために、
高い水準を温存されることになる。

近年は何故か、官僚=悪というイメージが定着し、
それを攻撃する政治には、善というイメージが着いてしまった。
これはマスコミの偏った報道によるところが大きいが、
権力構造からして政治家に逆らえない官僚は、
これに表立って反論することができない。

なぜなら、官僚は自らの法案を通すためには、
政治家の賛成票が必要だからである。
昔から言われている、政治優位の所以である。

もちろん、行政にも無駄は多い。
削減できる部分などいくつもある。
コスト意識なんてまるでない。
この財政難の時代、大胆な合理化は避けて通れないだろう。

しかし、政治にも同じくらい無駄が多いのだ。
参議院にいたっては丸ごといらないのでは、
という議論さえある。(私もそう思う。)
そのほか、異常な高給等、公務員よりも指摘されるべき点が多いと思う。

公務員リストラをとなえる政治家を見たら、
政治家のリストラについてはどう考えているのか、注目して聞いてほしい。
きっと全く触れていないだろうから。