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最近、カウンセリングを受けていると、このような状況下でも学習をしようと頑張っている方が多くて、とても励まされます。100%の勉強なんてできなくても構いません。コツコツと学習を進めること。これが大事ですね。
さてさて、今週のカウンセリングで一番多かったご相談は、民法の択一式問題がなかなか解けない…
というもの。
民法は、一見すると何が問われているのかが分からない。
事案を解析できない。
似たような知識が多いので混乱する。
そんな特徴があるため、一筋縄ではなかなか攻略できません。
ここを突破するためには、徹底的な①キーワード反射及び②原則・例外思考。さらに、③場合分けの把握です。
長くなりそうなので、三部作でいこうと思います。
本日は、キーワード反射についてです。
キーワード反射とは、ある条文・判例を問うために「絶対に使わなければならないワード」を日ごろから意識しておき、当該ワードが出たらその条文・判例の問題であると認識するように訓練することをいいます。
以下、無作為にキーワードを挙げてみますので、当該ワードだけを見て「何を聞いているのか」を当ててください。
結論は分からなくてもいいので、「何が問われているのか」だけを答えてみてください。
① 未成年者・催告
② 虚偽表示(通謀)・取得したC
③ 時効・援用・物上保証人
④ 遺産分割・その後取得したC
⑤ 動産・預かったC
⑥ 単独で・共有・賃貸
⑦ 受益者が悪意・転得者が善意・詐害行為取消請求
⑧ 債権譲渡・制限特約・重過失
⑨ 追完請求・売主は
⑩ 委任・損害賠償・解除
さて、いかがでしょうか。
「こんなワードだけで、答えられるわけがない!」と感じた方は、キーワード反射ができないから問題が解けないということです。
以下、解答です。
① 未成年者に対して催告をした場合、その催告の効果は?
② AB間で通謀して甲を売却したことにした。その後、甲を取得したCは、94条2項の第三者に該当するか。
③ 物上保証人は、時効の援用権者か。
④ 遺産分割後の第三者との関係は、どのように処理されるか。
⑤ 寄託者は、178条の「第三者」に該当するか。
⑥ 目的物を賃貸する場合、共有者の1人が単独でなすことができるか。
⑦ 転得者に対して詐害行為取消請求をするための要件は何か。
⑧ 譲渡制限特約が付されている債権が譲渡された場合、当該制限の存在について善意重過失の譲受人に対して、債務者は履行を拒むことができるか。
⑨ 買主からの契約の内容に関する追完請求に対して、売主は買主とは異なる方法で追完することができるか。
⑩ 委任契約を解除する場合において、損害賠償を要するのはどのような場合か。
単なるワードから、このようなことが問われていることを把握できたでしょうか。
これがキーワード反射です。
これを訓練することにより、問題文を全て読まなくても「論点」を把握することができるようになります。
そうすると、あの長い問題文を検討する必要がなくなるわけです。
民法が苦手な方は、ほぼ全員これが出来ていません。
したがって、問題を読んでいく際に、「なるべく短く問題文を読む」こと。
これを意識して、「最低限何を把握すれば、何が問われているか」を見抜けるか。
このような勉強の方向性が重要です。
次回は、原則・例外思考について説明していきます。
学習方法全般・行政書士試験・司法書士試験に関する記事をまとめました!
興味があるところから、ぜひ読んでみてください!
学習上の不安などを直接相談したい!ということであれば、ぜひカウンセリングをご利用ください!