たまたまネットで見つけた
山本亭。
外国人が選ぶ日本庭園ベスト2位に選ばれた柴又の施設。
ヘェ〜。東京にこんなところがあったんだ、、、
ちょうど桜が満開になると予報されてた週末に
観桜茶会 と琴演奏会
があることがわかりました。
琴の音色を聴きながら桜咲く日本庭園を愛で、茶会なんて素敵!
柴又は寅さんの町。有名なのに行ったことがないし、行ってみよう!
この案に乗ってくれた友人と行って来ました。
柴又。
同じ東京都23区内。
が、調べてみると、西のハジから東のハジへの東京横断移動。
ドア to ドアで一時間以上かかる!
びっくりです。
その上、柴又へは、
京成金町線に乗らないといけません。
この金町線、
高砂ー柴又ー金町 の三駅しかない路線!
一駅の距離も短い、、、
全長2.5キロらしい!
なぜ、他の京成線と接続してないんだ?なぜ三駅だけで存在できるのか?謎が多い。
そして電車は3両編成、、
行って来るよと家を出て、振り返ったところか?
寅さんの目線な先には心配そうに見守るさくら。
帝釈天をぐるっと回った正面とは裏の隣、江戸川のほとりにあるのが山本亭。
入り口の詰所?待合所?のステンドグラスがきれい。
そして、こちらが山本亭と庭園。
寅さん映画はちゃんと見たこと無いのにわかるってすごいよなあ。
駅からは帝釈天へ続く参道。
浅草に雰囲気は似てますが、もっと地元感とスレてない感じがほっこりします。
帝釈天をぐるっと回った正面とは裏の隣、江戸川のほとりにあるのが山本亭。
久しぶりにみたよ。これが全部カエルになったら怖いかも。
茶室は山本亭母屋の正面に。
ひっそりとして進入禁止とありますが。しっかり茶会の案内が出ているので中に入ります。
玄関を入るとスタッフがいるので薄茶会の参加を告げる。
ひっそりとして進入禁止とありますが。しっかり茶会の案内が出ているので中に入ります。
濃茶会が二回、薄茶会が三回催されます。
茶道は全くかじったこともないけど、ホームページでも電話した時も薄茶会は気楽な会なので誰でも大丈夫との返事。
とはいえ、茶室での茶会なんてお初だからドキドキ。
茶室の玄関はこちら。
玄関を入るとスタッフがいるので薄茶会の参加を告げる。
正面の控え室となった和室に通される。
と、、、
4人ほどいる先客のうち3人がお着物を着ているではありませんか!!
えぇ〜!
気軽な会と言ってたのに本格的じゃない!
やばいっす。
そしてお着物を着た上品な女性がいらして
「おしょうきゃくは?どなたか?」
おしょうきゃく?!
おしょうすいの上品な言い方か??
茶会前にトイレはいいですかってこと???
わからん、、、
ドギマギしてると
お着物を着てる参加者に向かって
「おしょうきゃく、いかがですか?」
「いえ、私はお茶をしてたのはもう随分前なので、、、」
「では、そちらの方は?」
「私、始めたばかりなので」
どうやら、お小水のことではなかった。
正しくは
お正客。
招かれた客の中の代表ということらしい。
結局前にもこちらのお茶会に来たことがある男性が受けることに。
やばいぞこれ、全く何も知らない人間が来てよかったのか?
慌てて、会のスタッフらしき着物の女性に
「すいません。全くお茶のこと何も知らないで来てしまったんです。」
というと、笑顔で、
「わかりました。では座る場所は私の隣で。」
拒否られなかった、、、
しばらくすると、
「では、順番に手を洗ってお茶室へ」
手を洗うって、、、こちらでです。
絶対お作法があるはず!
前の人を観察。
正座でにじり寄ってお先にとあいさつして、神社でやるように出を洗う。
そして、お茶室へ。
客室に入るとお着物のお世話役の方が
「どうぞ床の間をご覧ください」
つまり、掛け軸とお花、香炉?を愛でさせてもらうらしい。
掛け軸の文字は全く読めず、お花は黒っぽい椿がほのかに咲きかけていてなんとも風情がある。
小さな4畳ほどのお茶室に八人のお客。
私は先ほど声をかけたお世話がかりの女性の隣、
ぐるっと八人が囲む真ん中に座らせてもらいました。
確かにこの位置は、お正客から順に皆さんがやる動作を真似れるのでだいぶ気が楽です。
そして、いよいよこの日の講師
裏千家の吉田宗和先生がお茶をたて始めました。
そんな中で懐紙と菓子切が回ってきました。
お先にと挨拶して自分の分を取り、隣にまわす。
すると今度はお菓子がお鉢に入って登場。
桜色のお菓子は美しく、お箸で取り自分の懐紙の上へ。
お世話役が「どうぞ召し上がりください」
ということで上品にいただく。
うわっ、このお菓子、美味しい!
練り切りではなく、周りは桜色の半透明のモチっとした素材。求肥かな。
甘すぎず、練り切りのように喉も乾かず美味しい!
そして、お茶もお正客から順々に出てきます。
お正客は飲み終わった器を皆に回し、鑑賞します。
白志野のお茶碗だと説明がありました。
柔らかく手の中に収まる感じが素敵。
ちなみに私のお茶碗は織部でした。
うん。織部好きだから嬉しい。
お茶碗についても軽く説明があり、客人の中の一つは二つ凹みがあり「えくぼ」と呼ばれてました。
お茶の飲み方は周りを見ながらいただきます。
お薄なので飲みやすい。
泡が柔らかい口触りで美味しいです。
お抹茶の説明もあったし、茶道具一式の目録のようなものもありましたがちんぷんかんぷん。
ただ、棗は高台寺蒔でした。
ふーん、なんか聞いたことあるなぁ。
掛け軸は「関」
春が来るこれから一年始まりますよという意味で。
お花は紫式部とも呼ばれる黒椿
お正客の男性も他の方も打ち解けた雰囲気を作るのが上手で、皆であれやこれやと会話して過ごします。
表千家はほとんど泡だてないけと、裏千家は泡立てるぐらい立てるので、より飲みやすいそうです。
表千家で習っている方が、そんな事を教えてくれました。
40分ほどで茶会は終了。
久しぶりの正座に私の足の感覚は全くなく、立つどころか足先がついているのかもわからない、、、
でぶはダメね、、、
もたもたと控え室に戻り帰り支度をしていると吉田先生がいらっしゃって声をかけてくれました。
茶会によく参加してくれました!と。
そして、茶会について色々語ってくれました。
まず、この茶室は一般公開してないので、そこで限られた人数で茶会をするのは貴重な機会ということ。
そして、観桜茶会といいながら、お庭の桜が全く咲かず、せめてもと、演出を考えたこと。
お軸の字は「関」
シーズン始まりの意味を込めて。
お花は可憐なピンクのお花、名前は忘れました
だけでは寂しいので、何を合わせようか、
ピンクだと可愛すぎ、赤だと派手、黒椿で締めるのがいい、、
ただ、黒椿がまだ開いてなかったので、昨日暖房のそばに置いて開かせたそうです。
確かに絶妙な開き加減。
そして、茶器は基本葛飾区の持ち物だそうですが、それだけではつまらないので、えくぼや白志野は先生の私物を持ってきたそう。
お菓子はお菓子やさんと色々話して吟味して決めたそう。
茶会はそうやって細かいところまで演出して開催されるそうです。
クリエイティブだ!
先生からは、午後の濃茶会も誘っていただきました。
濃茶会はもう少し本格的で控えでお菓子を食べて庭を歩いて鑑賞してから外側から小さな入り口を使って茶室に入るそうです。
嬉しそうに、濃茶会はまた別の演出を考えてるのよ。
とお話ししてくださいました。
ハードルたかそうな茶道ですが、先生の人柄か、ものすごく興味をもってしまいました。
ただ、正座をまたと思うと足が限界。
濃茶会は辞退して茶室を後に。
なんだかノリで申し込んだ茶会でしたが、とてもいい経験をさせてもらいました。
来年も絶対に参加しよう!