前に渋谷駅でポスターをみて気になってた舞台、海辺のカフカ。

蜷川演出で、宮沢りえや藤木直人が出演。

あの村上春樹の不思議な世界をどう舞台にするのか?

蜷川演出はずっと興味はあったけど、一度もみたことない。

宮沢りえの舞台での姿も興味ある。

興味が重なる舞台でみにいきたいって思ってたけど何もせずに時は過ぎてた。

先週、別件で舞台を調べてたら、忘れかけてたこの海辺のカフカが検索にヒット。

そうだ、これ、みたかったんだ!

チケット検索してみると、さすがに土日は完売だけど、平日に数席空きがあるのを発見!

勢いでチケットをとってしまいました。

赤坂ACTシアターにて6時半開演。

色々振り切って会社をでていってきました。
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蜷川演出も春樹の舞台も未知過ぎて、ドキドキ。

席はS席だけど二階のかなり遠い席。
上から舞台を見下ろす感じです。

さて、舞台は、、、

いゃぁ、もう圧巻でした。

まず、蜷川演出がすばらしい。

透明アクリルの大きなBOXにシーンを象徴するセットが仕込まれていて、BOXが動いて舞台転換。

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カフカの家、高知への道のり、図書館、森、ナカタさんの日常など、
村上春樹の独特の現実か非現実かあやふやな世界観とパラレルワールドの展開を見事に表現。

光の使い方と根底に流れる静かな音楽がこの物語の不思議な空気感を醸し出す。

アクリルボックスで区切られた空間が、結局運命のしがらみから抜けられない人生観を表しているみたい。

そして、宮沢りえの透明感と存在感。
ガラスケースに入った少女時代の佐伯さん。
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ガラスケースに閉じ込められ、何かを探すように視線を送る
二階席からだから、とても小さくしか見えないのに、そのせつない表情、透明感が伝わる。

そして、大人の佐伯さん
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すっと立っているだけで、大事なものを置き去りにしてピュアなまま大人になった喪失感が伝わる。

すごい女優さんになったなぁ、

そしてこの物語を作るのに欠かせないナカタさん。

この役者さんが凄かった。
役者さんというかナカタさんそのもの。
「ナカタは、、、、であります。」と独特な口調もナカタさんにしっくり。

空っぽなナカタさんは、何にも縛られず自由にひたむきに生きていて、癒される。

ふっと電池がきれたようにナカタさんが死んでしまった時、本当に哀しくなりました。

ナカタさんとお話する猫たちも蜷川演出で違和感なく登場。

そして、村上ワールドならではの独特な登場人物、ジョニーウォーカーもカーネルサンダーもしっかり登場です。

大島さん役の藤木直人はあんまり印象に残らなかったな。

正直、ストーリーはそもそも原作時点でも謎だらけなので、忠実に脚本にしたこの舞台で腑におちることもなかったけど、
村上ワールドはストーリーより、空気感、浮遊感を味わうのが楽しい。

それを再現した蜷川さん、凄いです。
思い立ったが吉日
というもので、ほんと、無理してでも行ってよかった!





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