ハンブルグ滞在中、唯一、夜の会食がなかった水曜日に
オペラを見に。
本当は有名な振付師「ジョン マイヤー」率いるバレエを見たかったんだけど、
公演自体がこの期間はなく、断念。
代わりに由緒正しいらしいハンブルグ州立歌劇場へ。
水曜日から満席御礼状態。
が、見渡す限りの白髪。。。
ハンブルグ中のご老人が集まったのか??
席はど真ん中を予約しておいた。
前にはドイツにしては小さいおばあちゃんが座ったので
よく見える。
演目はファウスト。
ドイツの詩人ゲーテの原作です。
パリで昔ファウストを見たことがあるけど、
宗教色たっぷりだけど、演出がとても芸術的でよかった。
さて、ドイツ ハンブルグのファウストは???
幕があくと、シンプルが壁の前に老人が。。。
ファウスウト登場です。
ここはファウストが我が人生を嘆き、絶望し、死のうとするシーン。
宗教色豊かな十字架などを装飾した演出が普通なんですが。。。
高いグレーの壁が後ろ一面にあるだけ。。。
うーん、、、意外。。。。
そして、横の扉があくと、老人そっくりの男性が現れ、
二人で鏡面の動きをしばらくする。
一方の男性がシルクハットを脱ぐと、中からメフィストが登場。
本当は、ここから、メフィストが町中や美しい女性マグリットを見せ、
若返りの薬を与えるとともに、悪魔の契約をするはずなのだが。。。
壁が開くと巨大な椅子が。そしてその上には巨大で不気味な人形。
街の群集はみな、仮面をつけて、これまた不気味。
こわい、、、こわすぎる。。
このままマグリットが人形で終わっちゃったらどうしようかと思ったけど、
ファウストが若返りの薬をのみ、壁が開くと、先ほどの人形に似せた
女性が登場。
操り人形のような動きです。
女性の周りには巨大なチューリップが。。。。
ファウストの誘惑になかなか乗らないマグリット。
結局、誘惑に負け、幕が下りる。
休憩後、幕が開くと。。。。。
子供ができてしまったマグリットと、それを嘲笑する群集。
またまた巨大な人形が現れると、仮面をつけた不気味な群集が
人形の手足をもいでいく。。。。
なんてシュールな演出!!!
子供が生まれ、気が狂ったマグリットは巨大な椅子の上で
子供を殺して地獄に落ちていく。
絶望するファウスト
最後は、最初のシーンと同じ、灰色の壁の前で
鏡面の動きをするファウストとメフィスト。
左右のドアを開けると扉の向こうから光が射し、
光の中に二人は消えていく。。。
これって、悪魔は自分の中にいる的な比喩??
とにかく古典演出しかみたことがなかったので、
驚きの演出でした。
前衛的というか、コンテンポラリーオペラというか。。。。
これをあのご老人たちが楽しんでいるというのもまた驚き。
ハンブグル オペラ、侮れません。。。。