前の席に座っている後輩が、朝から忙しそうにしていたので「何か手伝う?」と声を掛けた。

「銀行に行って両替をしてきて貰えますか?」

ちょっと面倒だなと思ったが「了解」と言って引き受けた。


更衣室のロッカーから、コートを出し羽織る。

さてとと、一息つき銀行は向かった。


3月中旬だが、朝はまだ風が冷たい。

仕事中に外に出るのは、気分転換にもなって良い、帰りにコーヒーでも飲んで、少しサボってしまおうかなどと考えながら、通勤中の人混みを歩いた。


両替機のATMに並び、自分の順番を待つ。

程なくして自分の番になり、ATMにお札を滑り込ませ両替したい金種と枚数を選択する。

難しいことではなかった。


硬貨のロールがガタガタと音を立てて出てくる。

が、指定された硬貨のロール数より多い。

「まずい間違えた」と思った瞬間に、急に目眩がして訳がわからなくなった。

頭がクラクラして自分で金額の確認することができない。

フラフラしなが案内係をしている銀行員にお願いして、金額の確認を手伝って貰った。


こんな事は初めてだ。

その時の事を思い返すと、金属に身体が反応してしまっていた様にも感じる。