私は心配で片時も離れずにオーブンの中のシューを見ていた。
オープンの中ではシューが少しずつ膨らみはじめた。。
私は喜ばない。
こいつらはいつもそうだ。
期待を持たせて最後に地獄のどん底に叩き落してくるのだ。
私は過去に何度も煮え湯を飲まされた。
膨らめば膨らむほど期待も膨らみ
扉を開けた途端にみるみる萎む姿に愕然とするのだ。
妄想を膨らませ、いざ現実に直面した時に失望する。
夢や希望と同じである。
シュークリームは私達にとっての夢や希望である。
何を言っているのか分からないと思うが
書いてる私も分からない。
ピピッとオープンの音がなり中を除くと
限りなくそれっぽく膨らんでいる姿が見られる。
私はドキドキしながらオーブンの蓋をそっと開けてみた。
・・・
・・・
・・・
し、、、しぼまない
しぼまないぞおおおおおおおおおおおおおおお
これは成功と言っていいのだろうか？
とにかく膨らみはイマイチだが失敗時のぺったんこにはなっていない。
なんだか限りなく巻クソみたいな感じな所が気になるがまあ良しとしよう。
贅沢は敵だ。
私は予め作っておいた生クリームと
そして今回は恐るべき秘密兵器を用意した。
そいつがこれだ！
これは素晴らしい最初からカスタードが作られているのだ
そもそもカスタードは作ると非常に面倒くさいのだ。
何せ卵で使うのは卵黄だけという贅沢ぶりなのだ。
毎回余った卵白に頭を抱える人も多いだろう。
しかしこいつは違うぜ
確か日本円で150円ほどだったと思うが
この値段でカスタード食えるなんてイギリスもどうかしてるぜ！
ただ若干怪しさもあるのだ。
開ける前から容器の中でタプタプしてるんだよな。。。。
まあ不安はあったがとりあえず開けみた。
もしかしたら空気と触れ合って固形化する大逆転劇を見せてくれるのではないかと
さあ見せてくれ産業革命国家の実力を
・・・
うーむ。飲むヨーグルトレベルのドロドロだな
せめてマックシェイクくらいの固さじゃないと
せっかく作ったシューから溢れちゃうぜ。
とはいえ、美味かったら良いかと思いながら舐めてみる
！？
んんんん？？
確実に言える
これは私が知っているカスタードではない。
これはイギリス風のカスタードなのか？
それとも単に誰も買うようなものではない駄作のカスタードなのか？
私には答えは分からない。
ただ一つ言える。
こいつぁだめだ
まだ無駄なものを買ってしまったようだ。。
私はそっと流しに捨てた。
こうして私の戦いは終わったと同時にこう思った。
もう2度と作らないと