プライマリーバランス | 後藤恭平ブログ

プライマリーバランス

プライマリーバランス。聞いた事あると思います。

国の財政を語る時によく言われる言葉です。

簡単に言えば、収支を合わせるということになるのですが、

少し難しく言うと、過去の借入の元利払いを除いた歳出と借入を除く歳入のバランス。

これは地方の財政においても当然に注視されるべき点です。

借入総額とは違うので難しいですが。


吹田市はというと、

前政権の市長時代はこれを重視しすぎて、

削減を大いにされました。

この財政運営を何よりも優先させていたのです。

これはこれでやりすぎな感じも受けたと思います。


今の吹田市はというと、

プライマリーバランスは完全に無視した財政運営となりました。

担当部署で働く職員は苦しい限りだと思いますが、

そういう判断が下されたのです。

しかも財政に対する方針が作られていないのにはびっくりしました。

どこまでも借金ができる状態なのです。


この違いは大きいでしょう?

でも、どちらが正解とも言えません。

吹田市は元々財政状況が良いので、

少しのバランスが短期的に傾いても

他市に比べれば全然大丈夫。

しかし、次世代に負担が回るのも事実です。

それぞれの感性や思想、未来への展望等によって判断は個々に違ってくるはずです。


ただ、この天秤は中身を良く知る政治家(議員)が判断しなければいけません。

そういうルールです。


しかし、3月の予算審議ではこういった話しは皆無でした。

議会質問も委員会の質問も無しです。


違う市長候補を応援した人は、

ここを聞かないと違い等わかるはずがないのに。

実に残念です。


新市長は多くの新規事業を打ち出しました。

予算の中でもお金の使い道は様々です。

単年度だけの事業で単費で行う事業。(今年度だけの支出)

単年度だけの事業だけど借入を起こす事業。(およそ20~25年返済、数年据え置き)

経常的に支出される事業。(毎年決まって支出されます、削られることは稀です)

これらを総合的に見て、尚且つプライマリーバランスの崩れが単年度だけで収まるのかどうか、

こういった先を見越した判断が必要です。


今回は財政を中心に書きましたが、

どうでしょうか。

誰が市長か、誰が議員かで税金の使われ方、

未来への負担や希望、市民の満足度、

色んなことが変わっていきます。


私的には財政の基本方針(緊急は別)くらいは作ってほしいと思っています。

吹田市は豊かだからこれくらいはいいだろうという判断は、

市民の信託を受けている議員には当然できないですし、

来年度以降の立ち位置も変わってきます。


数字が好きだと言っておられる市長ですから、

当然必要性はわかっているかと思いますけど。


ちょっと長いですが、

財政のお勉強として書いておきます。

私も完璧なわけではないので、ご了承ください。


例えば、借入総額が500億円。

ややこしいので金利は省きます。

毎年の返済額が50億円。

バランスを保つと借入額は本来50億円。

この借入額を70億円にしちゃうと、

来年度の返済額が50億数千万円。

これを続けちゃうと、いつの間にか返済額が70億円。

その頃には借入総額が700億円となるわけです。

でも、70億円でバランスを保ち続けるというのも一つの考え方です。

ですから、どの時点(どの額)でバランスを保つのかという所は判断が必要です。


多額の借入れ且つ、多額の返済ということでもプライマリーバランスは維持されるわけです。

なので、別の指標が財政にはあるのです。

予算総額に対して借入額はいくらなのか、

予算総額に対して総借入額はいくらなのか、

予算総額に対して貯金額はいくらなのか。


だから、私は、プライマリーバランスを崩すのなら、

どの額が望ましいのか、

どこを目指すのか、

基本方針が必要だと言っているわけです。