ガットハロのブログ’混石’ -82ページ目

歌えバンバン

 ボーカル募集中なのである。そう言えばブログ開設理由のうち半分くらいはこれを言いたいがためであった。去年最後の練習というか雑談中、ふいに思い出したのである。忘れてた。何でも簡単に忘れるなよ。


 ボーカルが入ると何かすごいことになるか、という問いには「私が歌うよりは曲の出来が良くなる」と答える他ないのだが、とりあえず私が歌わなくて済むのである。これは何も私がサボりたいというだけの理由ではない。違うんです、それもちょっとはあるけど。いや待たれい。ねえ聞いて。


私は弾きながら歌えないのだ。


 じゃあ今までどうやってギターボーカルとしてやってきたのか。実はギターから音なんか出てなかったのか。もしくは歌ってなんかおらずラジカセか何かから歌を流してたのか。そうやってざわも石川も観てる人もだましたのね。いやいや違う。


 厳密にはギター側で手が忙しくないことをやりながら歌っているのだ。私が歌っている時には、ギターリフやギターソロと呼ばれる旋律は弾いていない。つまりは弾き語り、しかもコードチェンジほぼ無しの状態でじゃかじゃか弾いているわけだ。これではパンク・メロコアと呼ばれるジャンルを弾くことすらおぼつかない。すると私はごみ(パンク)以下か。そういうことか。


 ええい、そんなことはどうでもよい。うちとこのバンドでやりたいのは弾き語りでもなければパンクロックでもないのだ。もっとフツーに弾かせろ。声が裏返ったときに石川とざわで目配せするのをやめろ。ビールを「おビール」と言うのを法律で禁じろ。我に自由を。歌い手をっ。


 募集の確たる理由が少ないため大幅に水増しをした理由が並んだが、そんなわけでガットハロはボーカルを募集しているのである。ガットハロはボーカルを募集しているのである。大事なことなので2回言いました。あ、3回目か。


 ところで、私がギターボーカルを始めたのは当時だーれも歌ってくれる人がいなかったからであり、現在の編成は私にとって駒が不足した状態なのである。ついでに言えば、私が曲を作るべくイメージを固めた際に頭で鳴っている楽器の数は、場合にもよるが他にもう一人ギターがいたりキーボードがいたり自分でもよく分からない楽器がいたりの5パート前後である。


 これに対し現在ガットハロがライブをやる際に揃う人数は大抵3人。足りない。もう全っ然足りないのだ。団体戦なら全勝が最低条件である。何の話か。


 ここで私が採ったのが現状の3ピース(ざわ、石川、宮下)で無理やり曲を鳴らすことだったわけだが、かように有り物でどうにか間に合わせるようなことをやっているうち、余所のバンドや人を見る目が少し変わった。これは上手かろうが下手だろうが、プロでもアマでも等しく感じることなのだが、何かと言うと、


みんな、満ち足りてなんかいないらしい


ということだ。


 アイドルの女の子が、弾けないというのがまるわかりの挙動で楽器を持ちながら歌うことがある。ドラム不在のアマチュアバンドで、ボーカルがドラムの音を入れたリズムマシンにスイッチオンして弾き始める人たちがいる。プロのミュージシャンで、原曲はビッグバンド風やらオーケストラをバックにしたアレンジなのにライブではメンバーのみの演奏をやっていたりする。


 他人を見る時、「あの娘、弾けもしないのにいいギター持ってまあ」とか「うわ、ドラムもいないのにムリしちゃって」とか「あいつらはライブでできもせんことCDにすんなよ」とか、できていないことはやたらと目につくものである。笑顔での立ち姿や、曲の良し悪し、ライブの本数と安価なチケットには目が向きにくい。すでにある物というのは、あって当たり前だと思うからだ。


 本当はかわいい女の子でなおかつ楽器を弾ける方がいいし、ドラムがいた方が、バックにどーんと楽団がついている方がいいに決まっている。本人及び関係者たちがそう思わないわけがあろうか。「ハンパなことならやんない方がいい」と笑ってしまえばそれまでだが、気分的に今の私には言えなくなったのである。何様だ宮下。


 楽器の演奏を覚える時間より、ドラムが見つかるまでバンドを凍結するより、楽団を雇うために色々と手間をかけるよりも、優先順位の高いこと、少なくとも当人たちはそう思っている事柄を選びながら活動をしているのであろうなあと思うわけだ。きっと。勝手な思い込みかもしれないが。


 だから、ギターを抱えて歌わねばならぬ私が勢いあまってマイクにアゴや鼻をしょっちゅうぶつけるというのも、ライブと練習をこなしバンドとしての存在を維持するという優先事項の前にはささいな問題に過ぎないので、あ痛た、うぎっ、おい、笑うなお前ら。


 そんなわけで、私の眉目秀麗なる面がダイナミックな造形になってしまう前に、来たれボーカル。あと頼むから歌詞も書け。一緒に、ステージにでも上がってみようぜ。それで募集要項は、要項は、あー、えーと、用意してなかった。また今度。


 さすがは「いいかげんブログ」。などと情けない逃げを打って終わってしまうのであった。