音楽療法という治療がある事を知って自己流ではあるがリラックスして精神的に落ち込まないようにしていた。固い話ばかりではなく私が癌闘病中に聞いていた曲を記録していく。記録しておくと今でもたまに思い出して聞き返してみると曲が出た当時の思い出と癌闘病中に痛くて辛かった思い出が交錯する。そしてその時に何を考えていたのかとか頭の中で繰り返していた事が浮かんでくる。その時の歌を聴くと今の状態に感謝する気持ちを改めて噛み締められる。笑われてしまうかもしれないがこんな人間でもステージ4を克服してきているので勇気を持って欲しい。シドニー五輪でQちゃんが女子マラソンで金メダルを取れたのはレース前にLOVE2000を聴いてリラックスして踊っていたからかも知れない(笑)

 

1.柔 美空ひばりさん

 私の母がひばりさんの大ファンであった事から小さい頃からひばりさんの歌をよく聴いていた。私は武道を幼少の頃からやっていたので柔を聴くと何故か勇気が出てくる。試合前にもよく聴いていたので気持ちが戦闘モードに入り前向きになる。特に好きな歌詞は、行くも止まるもも座るも伏すも柔一筋というところと馬鹿を相手の時じゃない、という歌詞である。嫌な奴に仕事で出くわした時も家に帰って柔を何度も聞いてお風呂で歌っていた。私に取っての応援歌第一である。ひばりさんの歌は他にも人生一路と芸道一筋という歌がある。それを聴くと不器用でも一筋の道を極める何かをまだしてないから死ねないとも思わせてくれる。曲も短いので覚えやすい。

2.栄光の架橋 ゆず

 この歌詞を書いた方は天才である。友人のオリンピアも同じ事を言っている。まるで選手の気持ちがわかっていて自分も選手経験があったのかと思ってしまう。また曲も良い。こういう名曲には名場面がついてきてしまう。男子体操の鉄棒での最終演技でのNHKアナウンサーの名台詞はこの曲あっての名場面名台詞であった。ベットの上で現役時代に一人で筋トレをやっていた自分の思い出と重なって病気を治してもう一回必ず仕事に復帰しようと思わせてくれた。

3.ハワイアンウェディングソング 加山雄三

 プレスリーやアンディウィリアムスが定番であるが私は加山雄三さんの歌うこの歌が大好きだ。兎に角素晴らしい発声量で雄大な歌い方なのだ。男の癖に結婚式ソングかと自分でも思うが何故か好きなので仕方ない(笑)  好きな理由は単純でハワイに三年間毎年行っていた時期があった。その時は何する事もなく定宿のヒルトンハワイアンビレッジでハワイアンバンドを聴きながらプレスリーのブルーハワイという映画と同名のヒルトン発祥のカクテルを飲む事が幸せであった。歌を聴きながらヒルトンでの情景を思い浮かべて、必ずもう一回行こうと女房と話していた。

4.1970、80年代のアイドルの歌  etc

 私が育った幼少から十代の時代はアイドル全盛時代であった。この時代は、私のような単純な男達は皆んなアイドルに半分恋をしていたのではないかと思う。キャンディーズや山口百恵と桜田淳子、松田聖子に中森明菜といったところが中心だった。特に松田聖子ちゃんはアルバムの歌もよく聞いた。あのアイドル達もまだ元気に生きているじゃないか年下の私が死ぬ訳にはいかないと何故か思って明るい気持ちになった。単純な歌いやすいメロディーが明るくしてくれる感じがした。家の事情で辛い事もあったが家族の暖かい良い思い出が蘇ってきた。

5.仰げば尊し  学校歌

 感謝して生きようと思うと何故か仰げば尊しが恩師達への感謝の念で浮かんでくる。特に大学時代の先生は師匠、コーチ、恩人全てが当てはまる。肝臓癌と大腸癌を乗り越えている先生だ。その先生に、お前はワシより先に死ぬ気なんか?と抗がん剤治療中に電話で叱咤激励されて背筋が真っ直ぐに伸びた。丸で頭が上がらないし暖かい気持ちが伝わってくる。私は仰げば尊しを聴くと先生の数々のお言葉が浮かんできて涙が出る。親とこの先生よりも先に逝く訳にはいかない。そんな気持ちが今の私を支えているのであろう。また小学校の担任だった先生にも古い教育かも知れないが男としての心構えの逃げるなという価値観を教えて頂いた。故人になっているのでこの場で御礼をさせて頂きます。有難うございました!

私はサザンやビートルズ、長渕剛、浜田省吾が好きであるが闘病中はあまり聴かなかった。今は結構聴いているが苦しい時には前出の歌や演歌、アイドルソングを聴いてしまう。何だか明るくなるのだ。良いメンタルでいる為には良い思い出に浸る事が重要だと考えている。音楽は手軽な装置だと思っている。

次回まで!