レ💚ミゼラブル(120)


————————【120】———————————

  Il   alla  sur-le-champ  à   la  prison,  il  
descendit  au  cabanon  du  « saltimbanque »,
il  l'appela   par  son  nom,   lui   prit  la  
main  et  lui  parla.   Il  passa  toute  la
journée  et  toute  la  nuit  près  de  lui,
oubliant  la  nourriture  et  le  sommeil,
priant  Dieu  pour  l'âme  du  condamné  
et  priant  le  condamné  pour  la  sienne
propre.

 
—————————(訳)————————————

 司教はすぐさま監獄へ出向いた.そして軽
業師の独房にやって来た.司教は彼に名前で
呼びかけた.そして彼の手を取って、話しか
けた.それからは司教は昼も夜もずっと、こ
の軽業師のそばで過ごした.そして寝食も忘
れ、この死刑囚の魂のために神に祈った.ま
た自分自身の魂のために、死刑囚に祈ったの
でした.
   
 
...————————⦅語句⦆———————————

sur-le-champ [スュルルシャン]:(副) 直ちに、即座に
   partir sur-le-champ / 直ちに出発する.
descendit:(直単過/3単) < descendre
descendre:(自) ❶降りる、下る、低くなる、
   ❷⦅de から⦆下車する、降りる;
   ❸⦅道路を南へ⦆下る、進む.行く
   ⦅町からへ村落へ⦆行く、来る
       本文では❸、ディーニュの町から鄙び
   た牢獄へ行く.*馬車から降りる、とい
   う解釈でもよいが、馬車が独房まで行
   くのは、やや苦しい解釈かも知れない.
   獄舎の中、廊下を歩いて通り、やっと
   たどり着く独房というイメージがある.    
       なお❸は辞書不掲載項目、ゴタのこれ
   までの学習経験から出た項目です.
   ついでに言うと、monter は「登る」だ
       が、人の家に行くときにも使う.「行く」
       と訳すのだが、これも辞書不掲載語で
       ある. おそらく人の住居が数階建ての
       上階にあるフランスの風土から生まれ
       た語の運用法なのだろう. 
cabanon:(m) ❶物置、小屋、❷小さな別荘、
   ❸⦅古⦆(精神病院の)監禁室、
       (監獄の)独房.
   saltimbanque [サルタンバーンク]:(m/f) ❶軽業師、
   ❷道化者
appela:(直単過/3単) < appeler
appeler:(他) 呼ぶ
par son nom:名前で
lui prit la main:(直単過/3単)
   彼(囚人)の手を取った.< prendre
lui parla:彼に話しかけた.
oubliant:(現分) < oublier
oublier:(他) 忘れる、
nourriture [ヌリテュール]:(f) ❶食物、食事、
   食べ物;❷栄養、滋養、養分
sommeil:(m) 眠気、睡眠、眠り
oubliant la nourriture et le sommeil:
   「寝食も忘れ」と訳すとよい.
   「栄養と睡眠を忘れながら」
   ではわけが分からない.
priant:(現分) < prier
prier:(他) ~に祈る.
   prier Dieu avec ferveur / 熱心に神に祈る.    
Dieu:(m) 神.女神はdésse
       ここでは大文字なのでキリスト教の神.
   よその神は小文字でdieu 
       複数形はdieux. キリスト教は一神教
   なので複数にはならない.ただしこの
   至高の神に対して神々を比較するとき
   は le Dieu と定冠詞をつける. 
âme [アーム]:(f) 魂、霊魂 
pour l'âme du condamné:死刑囚の魂のために     
propre:(形) 自分自身の 
la sienne:彼のもの、ここでは魂、
   彼(司教自身)の魂 
priant le condamné pour la sienne propre:
   司教自身の魂を死刑囚に祈りながら