ロンドリ姉妹(35)
.———————【35】————————————
2.
Nous prîmes le Rapide un jeudi soir,
le 26 juin. On ne va guère dans
le Midi à cette époque ; nous étions
seuls dans le wagon, et de mauvaise
humeur tous les deux, ennuyés de
quitter Paris, déplorant d'avoir cédé
à cette idée de voyage, regrettant
Marly si frais, la Seine si belle,
les berges si douce, les bonnes
journées de flâne dans une barque
les bonnes soirées de somnolence
sur la rive, en attendant la nuit qui
tombe.
.———————(訳)——————————————
6月26日木曜日の夜、私たちは特急「南仏
号」に乗った.この時期には南仏に出かける
人は稀だった.なので車両は私たちだけだっ
た.パリを出るときは憂鬱で気分は二人とも
最低だった.何が何でもこの旅行をしようと
したことに嘆きながらのことだった.あんな
に涼しかったマルリーの町を後悔するほど恋
しく思い、あんなに美しいセーヌ川が懐かし
くなり、あんなに甘く素敵な河岸を思い出す
ほど後悔していた.セーヌを小舟で遊覧する
日々、夜になるのを待ちながら、岸辺でまど
ろむ夕べを思っては、このイタリア旅行を後
悔していたのだった.
...——————⦅語句⦆——————————————
prîmes:(直単過/1複) < prendre
prendre:(他) (乗り物に) 乗る
rapide:(m) 特急列車【急行はexpress】テキ
ストは大文字を使っているので、名前の
付いたような特定の列車、たとえば「プ
ロヴァンス号」などを暗示する.たとえ
ば、ラピートが南海電車の関空行き特急
のように.
jeudi:(m) 木曜日
juin:(m) 6月
ne....guère:ほとんど...ない
le Midi:南フランス、南仏;
Il part demain dans le Midi.
(明日彼は南仏へ出かける)
époque:(f) 時代、時期、
seul:(形) 副詞的に用いられている
~だけで、s がついていて複数一致して
いるので nous と同格、「私たちだけで」
(私たち=私とポール)
wagon:(m) [鉄道] 車両、客車
humeur [ユムール]:(f) 機嫌、気分;
être de bonne humeur / 機嫌がよい
être de mauvaise humeur / 機嫌が悪い
tous les deux:二人とも
ennuyé, e:(形) 困った、当惑した、
心配している、うんざりしたような、
残念に思う、
déplorant:(現分) < déplorer
déplorer:(他) ❶嘆く、悼む;❷残念に思う
déplorable [デプローラブル]:(形) 嘆かわしい、
何とも残念な
cédé:(過分) < céder
céder:(自)[à に] 負ける、譲る、
屈する、折れる
regrettant:(現分) < regretter
regretter:(他) 後悔する、悔やむ
Marly:マルリー
(パリの北10数キロ
Valencienne中心部 にある町)
si frais:あれほど涼しい
berge:(f) 土手、岸、堤
flâne:[文語] < flânerie
flânerie: (f) 気ままな散歩、そぞろ歩き
barque:(f) (甲板がない)小舟
somnolence [ソムノランス]:(f) まどろみ、半睡状態
rive:(f) 岸、岸辺