アルト・ハイデルベルク(245)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌
————————【245】——————————
......Die Musik:(beginnt von neuem, alle singen,
aber halblaut, gedrückt, das Lied macht einen
sehr wehmütigen Eindruck).
O alte Burschenherrlichkeit.
Wohin bist du geschwunden ?
Nie kehrst du wieder, goldne Zeit,
So froh und ungebunden !
Vergebens spähe ich umher,
Ich finde deine Spur nicht mehr.
O jerum, jerum, jerum.
O quae mutatio rerum !
—————————(訳)—————————————
音楽:(新たに始まる.全員が歌う.
ただし小声で重々しい.
歌はもの悲しげな印象を強く与える)
ああ麗しの学生時代よ
おまえは何処へ消えたのか
黄金の時代よ、お前は再び帰っては来ない.
あれほど愉快で自由だったのに!
お前を探してみてもどこにも見つからない
もはや足跡すらみつからない
ああ、何たることか!
流転変遷とどまるを知らず!
————————⦅語彙⦆——————————————
von neuem:新たに;辞書見出しはvon Neuen
いずれにせよneuem は形容詞の名詞化.
名詞化された形容詞は事柄については
中性名詞、変化は形容詞変化に準ずる
(事物の場合、複数形はない)
halblaut:(形) 小声の
gedrückt:(形) 意気消沈した、ふさぎこんだ;
eine gedrückte Atmosphäre /
重苦しい雰囲気
< drücken (他) 押す、押しつける、
wehmütig:(形) 物悲しげな、哀愁を帯びた
der Eindruck:(Eindrücke) 印象、感銘
geschwunden:(過去分詞) < schwinden
schwinden:(自) ❶(次第に) 減る、消える
❷(時が)過ぎ去る
kehrst:(2単現) < kehren
kehren:(他) 向ける、回す、転ずる
(部屋など⁴を)掃く、ほうきで掃除する
goldne Zeit:goldene のe が脱落しているのは
歌なので音韻の関係上のことでしょう.
「黄金の時代」
froh:(形) 楽しい、うれしい、陽気な、愉快な、
ungebunden:(形) 拘束されない、自由な
vergebens:(副) 無駄に、むなしく、いたずらに、
spähe:(1単現) < spähen (自) 覗き見る
umher:[ウムヘーア] (副) あちこち、四方八方
die Spur:[シュプーア](複Spuren) 足跡、手がかり
jerum:(間)
[ラテン語Jesu domine, Herr Jesus の転訛形]
(驚き、恐怖の叫び)
Jesus:[イェーズス]⦅人名⦆
1格:Jesus
2格:Jesu
3格:Jesu
4格:Jesum
呼格:Jesu (呼びかけの格があったそうです)
quae:(女性形) < quis:だれ、なに、どれ
mutatio:(女性名詞) 変遷、推移、変化
rerum:< res:(女性名詞) 世の成り行き
————————≪解釈≫——————————————
Vergebens spähe ich umher:むなしく四方八方
を覗き見る.直訳はぎくしゃくしていますが
この本意はどこをさがしてもみつからない、
ということです.「むなしく」と
いうのは文修飾なので、
「~してみても無駄なこと」でもOKです.