「おとうと」(27)(フィリップ短篇集より)

    LE  PETIT  FRERE


   
——————————【27】—————————————————
 
 Mais  elle  était  surtout  curiuese  d' elle  ne  savait
quoi  qui  la  fit  bien  vite  sortir  du  lit.  

 

..—————————— (訳)——————————————————
   
  しかしジュリーは何だかしらないものには特に好奇心
があり、急いでベッドから飛び出しました.
 
  

——————————《語句》——————————————————
        
curiuex(se):(形) 好奇心の強い、
   être curiuex de ~を知りたがる
   être curiuex de ~ + 不定詞 ~したがる
d'elle ne savait quoi:de のあとにelle が来ているが、de が
  支配するのはelle だけではなくて、elle ne savait quoi
    全体であり、「彼女が何だかわからないもの」という
  名詞句に相当する文を支配する.尚elle ne savait quoi  
    は「彼女はなにか分からなかった」という文の資格を
    そなえているので訳すときには注意が必要.
qui:さてその文と見まごう名詞句をそのまま先行詞として、
  今度は関係代名詞で繋いでいる.
    「彼女が何だかわからないもの」が彼女をベッドから
    素早く飛び出させた.という関係節を連結しています.

もう一度はじめから:
  être curiuex de ~:~を知りたがる
    d'elle ne sait quoi:何だかわからないものを
    qui la fit bien vite sortir du lit:それが彼女を
    急いでベッドから跳び起きさせた.
    *このbien は使役表現<faire + 不定詞>に
    かかる程度の副詞で「~させるに十分だった」
    「彼女にベッドから素早く飛び出させるのに
    じゅうぶんだった」
  ——— 何がじゅうぶんだったのですか?
  ———彼女の好奇心が、彼女をベッドからとび出させる
        のにじゅうぶんだった、と言っています.



———————≪本日の学習のポイント≫—————————————————

Elle était curiuese d'elle ne savait quoi.
彼女はなんだか分からないものに興味を持った.

【教訓】世の中にはいい資格をもっているのに、返って
それが逆に邪魔になってしまうことがある.