湖畔(12)
IMMENSEE(12)



——————————【12】—————————————————

vor  einem  Tische  mit  grüner  Decke,  auf  dem  
einzelne   aufgeschlagene   Bücher   umherlagen,
stand   ein   schwerfälliger   Lehnstuhl  mit  rotem  
Sammetkissen.     


.——————————(訳)————————————————

それぞれ開かれたままの本が上に散乱している緑のテー
ブルクロスが掛けられた机の前に赤いクッションを置い
たどっしりした安楽椅子があった.



.——————————《語句》—————————————————
         
der Tisch:[e式] テーブル、机  
grün:(形) 緑色の、(er = 強女3)
die Decke:[弱] テーブルクロス、掛け布、覆い   
einzeln:(形) 個々の   
aufgeschlagene:(辞書不掲載)→auf + schlagen
auf:(分離前綴り) 開く、開いた、開くこと;
  英語のup に対応するので、「上へ」「完了する」
  の意味も持っている.イメージは「パッカ~ン」   
das Buch:(複Bücher) 本  
umher:(分離前綴り) あちこちに、四方八方に
umher/liegen:(自) あちこちに散らばっている、散乱し
    ている; umherliegen——umherrlag——umhergelagen
umherrlagen:(3複/過去)(主語=Bücher)
schwerfällig:(形) 重そうな、鈍重な、不器用な、
  ぎこちない、ぐずぐずした、面倒な、厄介な   
der Lehnstuhl:[(e)s/_stüle] 肘掛椅子、安楽椅子;
  der Lehnsessel (同尾式、安楽椅子)と同じ意味の単語   
rotem:rot (形) 赤い;(格語尾em は強中3)  
das Sammetkissen:[同尾式]ビロードのクッション
    Sammet →Samt (ビロードm)[e式]
    Kissen (n)[同尾式] クッション、まくら、座布団
 
     

.——————————≪注意≫ —————————————————

vor einem Tische mit grüner Decke, auf dem  
einzelne aufgeschlagene Bücher umherlagen,
それぞれ開かれたままの本が上に散乱している緑のテー
ブルクロスが掛けられた机の前に

auf は「~の上に」だから
「それぞれ開かれたままの本の上にテーブルがあった」
と考えては間違いです.
auf dem のdem は関係代名詞でTisch を受けています.
先行詞はいつもいつも直前とは限りません.demは
女性名詞を先行詞に取ることはできません.
男性もしくは中性の3格です.auf は「場所」を言う
場合は3格支配になりますので.そうするとTisch が
先行詞だとわかります.そして関係文のほうは定動詞が
文末に来ますので、umherlagen 散らばっていた.本が
散らばっていたのです.
そして、文の本体の方の定動詞は、stand.主語はこの
あとに出てきます.主語は、 
  ein schwerfälliger Lehnstuhl mit rotem Sammetkissen.     
 赤いクッションを置いたどっしりした安楽椅子


——————————≪訳す≫ —————————————————

それぞれ開かれたままの本が上に散乱している緑のテー
ブルクロスが掛けられた机の前に赤いクッションを置い
たどっしりした安楽椅子があった.

これは直訳なので読みずらいと思います.適当に途中で
切りましょう.

緑色のテーブルクロスが掛けられたテーブルには数冊
本がちらばっていた.どの本も開かれたままになって
いた.その前にどっしりした安楽椅子が置かれていた.
赤い色のクッションがのせられていた.

ただし試験でこんな自由奔放にすれば減点の可能性あり.
採点者は修飾関係を理解しているかをチェックしていま
すから、多少ぎこちなくても、文法に沿ったほうが安全
です.卒業してから好きなように訳しましょう.